08話 今後の方針
※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)
久しぶりに楽しい一日を過ごした翌日、朝食を終えて、居間で昨日の面々が揃っていた、例によってNPCは席を外して貰っている。
「じゃ、本気で今後の話をしよう」
そう切り出したのは夏椰である、昨日はほぼ情報交換と言う感じだったからだ、そして現在この場にいるスキルマスターは「天神将」所属だった雪華と霧島廉、浅井賢吾、この三人は限界突破者でもありGM権を持っている。
そして「情報武術会」のリーダーでもあった夏椰、「六花の守り手」所属の月宮、小花衣の計6人である。
本来は15人いたがそのうち三分の一が揃っている、おまけに限界突破の三人うち一人は規格外である。
「規格外の姉貴を含めてスキルマスターが6人いるのは、やっぱりちょっと気持ちが楽になるという感じに俺は思っているんですけど、先輩達はどうですか?」
「ん~そうだな、情報収集は夏椰に任せるとしても、他の迷宮はやっぱり起動してこっちで管理しておかないと死者が増えそうだな」
「魔物のレベルはゲーム時代の300年前とほぼ変わっていないわよね」
「あぁ変わっていない、だから迷宮の起動は賛成だ、こっちの冒険者LVは低すぎる」
「でも場所解らないんじゃないの? ゲーム時代とでは地図が変わっているし、当時どのあたりに建てたの、今の地形になってどこにあるのか不明でしょう」
「そこは情報収集しかない。俺たちの迷宮は起動させて閉じてるけど、小花衣さんの迷宮は初心者のレベルアップのために一部解放だけどね、冒険者をしながら情報集めって事になるだろうけど……」
「ふ~ん、本当ならうちの神殿も初心者相手だったのになぁ~森も抜けられないんじゃ話にならんわ」
「おい、雪華お前の迷宮の場合は1階層~2階層まではだろうが、とはいえ今の連中からすれば驚異だぞ、魔物のLV100が1階層で出てるんだから」
「何でよランク1じゃん、それを倒せないようじゃ冒険者じゃ無いでしょ、だいたい中堅クラスは3階層からなんだし」
「小花衣さんの所はランク外のLV1からの魔物が1階層にいるんだよ、スライムもLV1でランク以下だから開けてるんだぜ、お前の所は今じゃ中堅以上じゃなければ1階層も攻略出来ねぇよ」
「うそぉ~~そんなに低下してんの? スライムLV1なんてアリンコじゃん」
アリンコに例えられたスライムLV1、現在の冒険者にとっては入門レベルでもやっとる倒せるレベルで、ゲーム時代は初ログインした初心者以外見向きもされないレベルである。
「まぁ冒険者ギルド本部のギルドマスターに会ってサーチして見ろ、驚くから」
「マジ?」
「俺さぁケセウスの町のギルマスをサーチしたときLV190台でAランクだったぜ、本当だったらDランクだろう?」
「あぁそう言えばパロル隊長はBランクって出てたわね、本来ならFランク予備校クラスよね、LV85に上がれそうな感じだったけど……しかし、100でAランクってのは無いわ、普通はEランクくらいになって然るべきなのに、冒険者予備校でランク上げしてないの?」
と、雪華は祖父に聞く、冒険者予備校で剣術師範の仕事をしているからである。だが帰ってきた答えは、しているがレベルアップに繋がってないとの事だった。
「何でまた……」
「雪華様、今ではEランクでもLV50に届きません、CランクでLV50前後という所でしょうか、Bランクで辛うじてLV100かそれに近いくらいなんですよ」
「強い魔物と会う機会が減っているってのが理由の一つでもあるかもだけど、一番の原因はスキルが減っている事かな」
「スキルが減っている?」
「そう、夏椰と調べてみたら、俺たちスキルマスターが持っているスキルの一部は古代スキルとかロスト魔法とかアーティファクト級とか、まぁそういうものがあるんだとよ」
「でぇ使用禁止指定されている物がある可能性が高いって判断をしたんだよ」
「……使用禁止指定ってそれってまさか……」
「恐らくだが、間違いなく蘇生魔法だろうな」
「っというかその魔法、運営が無い状態で使えるかどうかもわからん」
「っとなると、教える者がいないだけじゃなく、別の方法で生成魔法を使っている可能性もあるって事か?」
「そういう事、ただ王都では一部の迷宮の起動を知ってる為、そういったスキルや魔法が仕える者が戻ったと判断した者もいるようだな、特にお前が戻ったって知ったら、アイツ等どうするかね」
「恐怖の対象だな」
「何それ、怖い」
「お前が限界突破の規格外だからだろうな。戻ったスキルマスターは迷宮起動で判断しているらしいし、その殆どはこのウィステリアにあるから、王都の連中は気が気でないのさ」
「だからスパイが潜り込んでいる可能性もあるわけ」
「ふ~~ん、なるほど……スパイまでいるのか」
そんな話を聞いた雪華は、不適な笑みを浮かべながら目が据わっている。それを見たスキルマスター達は、嫌な予感しかしない。
「姉貴………?」
「雪華、何を考えている?」
「んっ? 別に何も無いわよ」
「それは嘘だな、お前のその顔と目、俺はギルドにいた頃からよく見ているぞ、ピートと居るときの嫌な予感しかしねぇ」
「失礼ね! 自分の領土を守るためなら何でもするわよ、もし王都が喧嘩売ってくるなら買ってやるわよってくらいの気持ちを持っちゃだめ?」
「お前が喧嘩を買ったら国が滅ぶ」
「……ピートがいなくて良かったと思うのは俺だけか?」
「いや、兼吾それは錯覚ではない、アイツがいればもっと酷いことになる、国が消し炭になるだろうな、それ以上に被害が及びそうだ」
「デカいクレーターができそうだね」
「失礼ね、私たちをなんだと思ってんのよ!」
「破壊神とその知将の名は伊達ではないだろうが」
「その呼び名好きじゃないんだけど……まぁ~良いわ、今はピート探しを優先にするわよ、夏椰は引き続き情報収集をお願いね。あとそうだ廉に頼みがあるんだけど」
「何だ? 危ない事じゃなければ聞いてやる」
「……酷い言われようだけど、まぁこの際許す、魔導工学をやってたでしょゲームで、あれまだやってんの?」
「あぁ、時間があればだけど」
「領土防衛の為の何か作れない、ゴーレムでもロボットでも良いけど」
「……防衛か、何で?」
「魔王がいた場合に備えてって事で頼んでんの、だから夏椰にはそっち系統も調べて欲しいんだけど、頼める?」
「昨日言ってた魔王か……」
「可能性は不明だけど、居ることを前提に動いておくのは悪い事じゃないよな」
スキルマスターのSAクラス会話を聞いていた面々は不安しかない、そして家族はゲーム内での雪華はそれほど怖いものなのかと思った、また元プレイヤーでもある春樹と秋枝の顔は「聞こえない、聞こえない」と何かを呟いている。「破壊神の降臨かぁ~」と春樹などは思っていた。
「とにかく、昨日の仮定が真実なら警戒が必要だし、そうでなければ安心出来るけど、解らないでしょ。だから仮定が真実ならって事で動いている方がいいと思うだけど。反対意見はある?」
「反対はない、ただ……」
「ただ何よ兼吾?」
「問題のピートだよ、アイツまでここに来たら規格外が二人揃うって事だろう、そっちの方が不安でならん」
「魔王相手なら味方としては心強いと思うけど、当然魔王がいたらスキルマスター全員出動になるだろうけど、それにどれほど強いのかも解らないでしょ、歴史に残ってるだけでは、イベントモンスター並なら全員でかからないと倒せないでしょうよ」
「……イベントモンスターって……そんなのがいたらLV400オーバーが出てきそうだな」
「それこそ今の冒険者じゃ相手にならん」
「ゲーム時代はそんなのゴロゴロいたじゃない」
「まぁ確かに居たけどLV400相手のモンスターだとLV300くらいの冒険者は20パーティーは最低組んでほしいもんだがな」
「今じゃ無理だな、LV100が少ない」
「というより三桁レベルがほぼ居ないって事の方がもうダメかも」
「だから魔導工学で防衛策をって思ったの、最低でもLV100の冒険者がゴロゴロ育って貰えるまでの間にね、じゃないと魔王なんてラスボスでしょうが」
「確かにそうだ、冒険者予備校生にはもっと頑張って貰わねば」
雪華達の話を聞いた惣摩はもっと鍛えねばならないかと考えた、そして今の冒険者予備校の様子を見て貰って改善するとこがあるか判断を雪華に頼みたいと言った。
「それは良いけど、お爺ちゃん冒険者予備校の校長って、確か本部のギルマスじゃ無かった?」
「あぁそうだ、その忙しい中、今日午後からお前に会いに来る予定になっていたはずだ。そうだな小花衣君」
「はい、惣摩様の仰る通りです」
「そう」
「それと雪華様、王都への報告は如何致しましょう」
「あぁ~そっちもあるのか、スパイ送り込まれてるんだったなぁ~」
「領主が戻ったと言う話は、今の所ギルドマスターには口止めをしています」
「あぁそれで良いわ、とりあえず会って話を聞いてから判断する」
一応方針は決まったが、あと一人天球の城の主である兼吾に対して、雪華は今はどうしているのかと尋ねた。
「今は上空を流れるままに任せては居るけど、時々廉の手伝いに行っている」
「天球の城って、望遠鏡あったわよね?」
「あるよ」
「それで空みた?」
「あぁ~一応見たけど星の位置は変わっているけど、周期的な所はあっちとあまり変わらんな。月は一つだけど星の数は多いんじゃないか?とすら思う、俺一人での観測は限界だよ」
「だよねぇ~、私としては物理的な所で素粒子とか半物質とかそっち系統を調べてみたい気もするけど、魔素の事もあるし……」
「まぁ~確かにそれは解る、でも機材がないからな素粒子とか反物質なんぞ調べられないぜ」
「だよねぇ~、じゃ仕方ない、他の件で頼まれて、上から各国の動きとか……」
「それって軍隊の動き?」
「ここはあっちじゃないから、種族ごとに拠点みたいなのはあるんでしょ、どういう動きをしているかとか、魔素の多い場所とか魔力が強くなったり、どのレベルの魔物の気配があるかとか、頼める?」
「解った、やってみよう、連絡はどうする?」
「とりあえず元プレイヤーはフレンド登録をして連絡を取り合おう、ゲーム時代じゃないからチャットは無理だと思うから、後、こっちで冒険者登録をしたうちの家族は私とフレンド登録はできるのかな?」
「それは大丈夫だよ、俺父さん達と出来たから」
「そうじゃ、とりあえずやっておくか」
そう言って、元プレイヤー同士や家族同士のフレンド登録をした。長い話し合いが済んで漸く昼になっていることに気づいた面々は昼食を取るために部屋を出た。
稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。
ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。