00話 何、この状況?!
※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)
うつらうつらと意識が揺れている、そんな感じを受けながら、自身は今どこにいるのかと周りをみようとする。
周りには幾つもの光が、もの凄いスピードで飛んでいく。どこに行くのか、自身も同じようになっているのか、以前夢の中で会った始祖の残滓が言った、魂達なのか、ならば自身も魂のままになっているはずだと……
ブラックホールに飲み込まれてからの記憶が曖昧である、気がついたら今の状況になっている。ただ違うのは自身は体がある。だが今はただただ眠いだけと思い目をつむる。
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ボーとして気がついたら、川べりだった。辺りを見回してみると近くに林の様なものがる。
雪華はここはどこ?と思いながら自身の服装を見ると唖然とする。VRMMORPGゲームハイフリーワールドで着用していた魔術師の最高峰の装備一式であった。更にゲームではハイエルフ族で登録していた筈なのに、水面で自分の顔を見るとアバターではない本来の自分の顔だった。しかも突然頭の中で声がした。
『ここはVRMMORPGゲームハイフリーワールドと現実が重なった世界です』
「えっ……、何?」
頭の中で響いた声に驚き、空耳かと再度周りをみたが誰も追らず、不思議に思い声に出して誰?と再度問いかける。
『魂がこの世界で目覚め定着した為、魂の残滓から生まれたものです』
「魂の残滓から生まれた? それって初代始祖の魂?」
『初代始祖の魂は既に統合されています』
「はい? 統合ってそれはあれか? 私の魂と初代の魂の残滓が統合って意味?」
『はい、その統合の結果、残滓がユニークスキルとなりました』
「……残滓がスキルになるのか? でも確か消えたのでは??」
『次元移動時に言葉を交わしたのは初代自身です』
「じゃあなたは?」
『魂が獲得できたユニークスキル見通す者です』
「………魂が獲得したユニークスキル………」
雪華はそんな設定してたっけ?と困りながらも、とにかく現状を知る必要があ為、その残滓の見通す者とやらに現状の説明を求めた。
「ねぇ、私は確かブラックホールに飲み込まれたはずなんだけど、ここはどこ?」
『ブラックホールは物質が中心のParticle(パァー(ル)ティィクル)世界と魔素を中心としたこの世界、エリシェント世界を結ぶ次元移動空間です、あの世界ではブラックホールのように見えた一時的なもので、既に存在しておりません、またあの世界自体が今は存在もしていません』
「………えっと何、物質世界から魔素が存在する世界に、次元移動した……って事? でぇその物質世界が消えたぁぁぁ~~~???」
『はい、但し魔素に耐えられる者は殆どおらず、耐えられた者だけがこの世界に存在しますが数は多くありません。Particle(パァー(ル)ティィクル)世界は次元移動の為のブラックホールが消えた後、数十億年後に別の本来のブラックホールに飲み込まれました』
「じゃ元いた場所に既に地球はない?」
『はい』
「じゃここは何?ゲームの世界?」
『ここは次元移動した地球とVRMMORPGゲームハイフリーワールドの初期シナリオの世界が重なった世界です』
「はぁ? 今なんて言った? 初期シナリオの世界と地球が重なった世界??」
『はい』
「……どういう事か説明して欲しいんだけど、私、世界を造る術やら魔法なんて持ってないわよ!」
『ゲームのシナリオを書いたと魂の記憶があります』
「それって私が書いたゲームのシナリオ?って事か?」
『初期シナリオのVRMMORPGゲームハイフリーワールドです』
残滓の見通す者の言葉を聞いて雪華は、何かとんでもない言葉を聞いた、そして自身がゲームづくりを頼まれて、適当に書いたシナリオが現実の世界になった?と残滓は言ったのかと。
更に混乱する頭で整理しようと悩ませた。そしてこのままここに居ても何もならないと考え、まずは情報収集が必要であること、また本当にここが自身が書いたシナリオのゲームだった場合、ステータスやアイテムボックスなどがあるのかないのかを確かめる必要があった。そのため行動を起こす。
「ステータス、……開いた! ……えっとえっ? 何これ名前が……?どう言うこと?」
『本来の名前になっています』
「いや、違うでしょう、じゃなくて苗字の方! 神崎姓でしょうが! なのに何これウィステリアって、ゲームで私が統治していたウィステリア領と同じじゃない!!」
『初期シナリオの世界と地球が重なった為と推測されます。そのためウィステリア領の領主と名前が変換されたものと推察します』
「……ウィステリア領主……」
待て待て待てともう一度目を閉じて考えた、現実とゲームが混同しているのかと、そして他のステータスをもう一度見直すと全てゲーム内での自身のステータスはそのままであるが、だがいくつか変更点もある。
名前:雪華・ウィステリア
種族:人族
性別:女性
LV:1200
称号:始祖の魂を持つ者・魔術師・マジックマスターNo.1・スキルマスターNo.2・神に選ばれし超越者(限界突破) 無慈悲なる魔女・破壊神
加護:全ての神々
攻撃力(HP):550,000/550,000
体力:250,000/250,000
知力:3000
魔力(MP):550,000/550,000
スキルランク及びレベル:全てMax
技能:固有スキル「完全予測」
「霊感」
「錬金術全般」
「陰陽術全般」
ユニークスキル「見通すもの」
ユニークスキル「捕食者」
ユニークスキル「知識の探求者」
ユニークスキル「溶解,吸収」
ユニークスキル「超速再生」
ユニークスキル「レベルアップ率 100%」
ユニークスキル「スキルアップ率 100%」
常用スキル:スキルマスターの為全て使用可能
戦闘スキル:スキルマスターの為全て使用可能
生活スキル:スキルマスターの為全て使用可能
錬金スキル:スキルマスターの為全て使用可能
魔法スキル:マジックマスターの為無詠唱で全て使用可能
耐性:物理攻撃無効・魔法攻撃無効・状態異常無効・精神攻撃耐性・聖魔攻撃耐性
備考:普段は温厚で優しいが、怒らすと怖い
「何、このステータス、ゲーム時代以上にチートじゃない、マジックマスターって何よ! 生活スキルとか錬金スキルとか、そんなのゲームには無かったわよ!」
『リアルで会得したステータスも加味されたようです』
「リアルでのステータスが加味されたって何よそれ! もっと具体的に言え!!」
『物質世界での地位や体力や知識や術式などです、当然陰陽師としての力も使えます、また魔物を討伐しスキルを奪った事で会得したスキルも有ります。更に、科学者で研究者でもあった為錬金スキルとなりました。なのでそれがマジックマスターというふうになっています』
「……マジか……、それはもうチートを通り越しているわよね……あり得ん。でぇもういくつか聞きたいんだけど」
『はい』
「私のユニークスキルの知識の探求者ってのは今まで学習し研究して習得ものをいうのよね?」
『はい、それ以外にも修得したものも、今後修得していくものも入ります』
「そうなると凄い量になると思うんだけど、今後のことも考えると人間の脳は記憶を消して新たな記憶ため込むはずよね」
『はい、普通の人間はそうです』
「普通の人間はって何! 私は普通でしょう」
『違います、始祖の魂を持ちますので記憶量は無限です』
「……無限って、そんなのあり得ないわよ!!! いくら医者じゃない私にだってね、それくらい解るけど!」
『始祖の魂を持つ者は、始祖そのもの、始祖とは神と同義です』
「……神と同義って、なんか聞きたくない単語なんだけど」
雪華にとってこの始祖と行う単語は次元移動前から好きではなかった、始祖は神崎家の始祖でもある、つまり元は人間では無かったからだ。それが自分だと言われているのだから受け入れがたい。
「はぁ~まぁその始祖に関してはともかく、あなたのスキル効果は何? 他の私のスキルの効果も知っておかないといけないんだけど、まずあなたのスキル効果を知る必要があるわ」
『思考加速:通常の10万倍に知覚速度を上昇させる。
解析鑑定:対象の解析及び、鑑定を行う。
並列演算:解析したい事象を思考と切り離して演算を行う。
森羅万象:この世界の、隠蔽されていない事象の全てを網羅する。 以上4つです』
「なるほど、森羅万象ねぇ~これって始祖の力に関係してそうだけど、恐らく私が見て知ったものに対してって事でいいのよね?」
『はい』
「じゃもう一つ次元移動前にスライムのスキルを手に入れた物が捕食者でいいわけね?」
『はい』
「なら、その捕食者に並列演算をリンクさせることは可能?」
『可能です。リンクさせますか?』
「えぇやってちょうだい、たぶん私自身の演算能力も加味されるでしょうから」
『リンク完了、並列計算も追加されました』
雪華はやはりそうなるかと思った。とはいえ、頭がくらくらする、と思いながらステータスを睨みつけた。これは不味いと、このステータスを誰かに見られるのは非常に不味いと直感的に感じた、そして思い出した自分の神殿の事をそこに行って、とりあえず守護者から情報をもぎ取らねばっと思ったのだ。そんな時にどこからか悲鳴が聞こえた。
「何? 今の悲鳴?」
『魔物がいるようです』
残滓「見通すもの」の言葉に雪華は魔力探知を発動すると雑魚程度の魔物を関知した、そしてそちらの方向に走っていくと、何やら兎耳の兎人族の女性と犬の商隊とそれを護衛するような人族の者がいた。
相手はビッグベアである、魔物にもそれぞれランクやLVがあり、同種であってもランクは違う、今目の前にいるビッグベアは雪華にしてみれば雑魚でしかない、LV350、つまりランク3である、本来ならば……。その為、跳躍して足蹴りで一撃した。ビッグベアはもの凄い勢いでいくつかの木々をなぎ倒して吹っ飛んだ。それを見た一同は呆気にとられていた。
「大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」
「あぁ大丈夫だ、お嬢ちゃん」
「助かりました、ありがとうございます」
「このあたりってビッグベアがでるんですか?」
「あぁ、あんなのが多くて困っている」
「ふーん」
ビッグベアごときをあんなのと言った事で、どうにも腑に落ちない。そんなに高いランクでもないはずなのにと、そして一同のレベルをサーチしてみて唖然とした。三桁がいない、それどころか最初に声をかけてきた人族の男のレベルが74だ。これであのビッグベアを倒すのは無理ゲーにも程がある。
「おれば『暁のファルコン』のリーダーパロルっていうんだ、本当に助かった」
「私はこの商隊を率いているロドリアと言います。ですがお強いですね、あのビッグベアを一撃で倒されるなんて、昔を思い出しました」
「昔……」
「あぁそう言えば、そうだな20年程前だったかな、同じように足蹴りビッグベアを2匹倒してくれたお人がいたな」
「20年前……」
「あのぉ~みなさん本当にありがとうございました」
話をしている所に、声をかけてきた兎人族の女性、話を聞くと近くで香草を採った帰りに商隊と出くわし、村に行くと聞きならば一緒にと行動を共にしていたらしい、何でもその村で宿屋をしているという、商隊や護衛の人は村に着いたら宿に泊まる予定だった為、丁度良いとの事移動していた所にビッグベアで出たと言う。
「村があるんですか?」
「えぇ、私の住む村です、メレル村って言う所ですよ」
「メレル村!」
「お嬢ちゃん知っているのかい」
「あぁ~いえ、えっと昔どこかで聞いたことあったなぁって思って」
雪華は言葉を濁した、メレル村の近くには自身の神殿があるからだ、そのため魔物は強かったはず、しかし何故ビッグベア?と思ったのだ。森の中には確かジャイアントベアなども居たはずだと思ったからだ。ビッグベアとジャイアントベアではレベルもランクも隔たりがある。
「あの私も宿に泊まっても良いですか? その道に迷っていた所なんです」
「えぇ良いですよ、空いたお部屋はまだあったと思います」
「助かります」
それから彼らについて村に向かうことになった。
稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。
ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。