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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第2章 次元移動後のエリシェント世界編
21/158

プロローグ1 夏椰……転生?転移?何で?

2章は次元移動後のお話になります。

最初はプロローグとして主人公の弟のお話からになります。


※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 緑豊かな大地の上で目を覚ましたのは、夏椰だった。周りは一見して見たことのない場所だったが、よくよく見たら見覚えがある場所だった。


「……ここってどこだ?」


 そして自身の身なりを見て驚いた、VRMMORPGゲームハイフリーワールドで自分が装備していたものだったからだ。

 ゲーム時同様に右空間を指でなぞるが何も表示されない、だが試しに口に出して「ステータス」と言うとゲームと同じ様な場所に自身のステータスが表示されていた、『人族 スキルマスターNo.15 LV880』ハイワールドでの自身のステータスのままである、違うのは名前がサマーではなく夏椰・ウィステリアとなっていることと始祖の加護の表示がある。だがログアウトや緊急脱出ボタンが存在しない。


「どうなってるんだ? ウィステリアっていやぁ、姉貴が治めていた領地だよなぁ、それに始祖の加護ってのも、もしかしたら姉貴の加護って意味か? でも俺は巨大ブラックホールに地球ごと飲み込まれて死んだはずだけど……? ゲームの中とか? それにしてもログアウトができないってどういうことだよ!」


 そういいながら、自分の頬をつねって痛みを感じゲームではないと認識し、とりあえずウィステリアの領都に向かうことにして、南の方向に歩いてみた。

 すると半日ほど歩いた所に小さな村を見つけた、ウリスの村(辺境の村)という。その村である程度の情報を得る為ウリスの村の宿屋に泊まることした。通りすがりの村人に宿屋を教えてもらった。


「いらっしゃい、泊まりかい、それとも食事だけかい」

「泊まりです」

「そうかい、なら一泊小銅貨1枚と500ウィスだよ(1500円)」

「小銅貨1枚と500ウィス?………とりあえず二日分渡しておきます」

「はいよ、後で部屋の鍵を渡すよ」


 夏椰は貨幣価値の違いに驚いていた、ゲーム時代なら一泊小銅貨3枚(3千円)はとられていた記憶があったからだ、とりあえず二日分のお金小銅貨2枚を渡すと、女将さんは部屋の鍵を取りに行った。

 その間夏椰は店の様子を眺めながらゲームのお金がそのまま使える事や宿代の安さに驚き、ここはどこの国か一応確かめる必要があると思った。


「女将さん、ちょっと聞きたいんだけど、ここってどこの国?」

「なんだあんた、人族だよね別の国からきたのかい? ここはフェスリアナ王国の中にあるウィステリア領だよ」

「フェスリアナ王国? ウィステリア領!ここが?」

「そうさ、今はウィステリア領主様が不在のため。去年から代理の方が居るって聞いたけどね」

「行方不明?……」

「解らないんだよ、誰も領主様を実際に見た者はない、でもとっても美人だって話だよ」

「何だ?それ」

「まぁ昔から多国間戦争ってのはよくあったんだけど、300年程前だったかなぁ、このフェスリアナ王国内でも地域闘争ってのがあってねぇ、周辺領地の連中がウィステリアに襲撃をかけたんだよ」

「300年前に襲撃?」

「あぁ当時は他国がこのフェスリアナ王国に対しても攻撃を仕掛けてきてね、それで国王が超越者迷宮の塔が多くあるこのウィステリア領主に対応を相談してきてね、他国に対しては国王軍で対応をする事になり、王都に結界を張られたんだよ、だけど今度は周辺地域もウィステリアに襲撃をしてきたってんだから、もう国中は大混乱だよ」

「何で同じ国の周辺地域がウィステリア領に攻撃するです?」

「そりゃ当時のウィステリア領主様が本来あり得ないような膨大な魔力をもっていたし、王都とウィステリアだけに結界を張ったからだよ、でも実際はフェスリアナ王国全体に結界を張って、反撃魔法でもかけられていたのか、他国は攻撃してきた所に対して逆に反撃をくらって消し炭になったって話だよ」

「じゃ何で同じ国の地域は?」

「そっちはもう嫉みだったんじゃないかって話だったと聞いたよ、国内で結界を張ったのが王都とウィステリア領だけだったからね、でぇ国内の他の地域は……」

「消し炭?」

「いや消し炭まで行かなかったけれど壊滅したらしい、それで当時の国王がウィステリア領主を怒らすなって命令が出たくらいだ、その理由が無慈悲なる魔女、破壊神とかいわれていたからねぇ、そのおかげで他の種族からも恐れられていたみたいだからさ」

「………………、そう、無慈悲なる魔女、破壊神……ねぇ~」


 姉貴ことだなぁ~と夏椰は顔をひきつらせながら思った。そしてなんかゲームの戦争クエストと現実の出来事がごちゃ混ぜになった様な感じだと思っていたが、更に女将は話の続きをするのだった。


「今の人族は大昔みたいに魔素量は多くないから、魔法を使える者は少ないんだよ、だから当時の領主様のように強大な魔法を使える人族は恐れられてたんだ」

「しかし300年前かぁ~、でぇなんで他の種族からもお恐れられてたんです?」

「あんたこの国の昔の歴史を本当に知らないのかい?」

「……いや、ちょっと歴史に疎くてね」


 とりあえず夏椰は知らない振りをして情報を集めようと思ったのと、ウィステリア領となるとVRMMORPGゲームハイフリーワールドでの姉貴の領地でもあったはずと思い出した。

 宿屋の女将は「大昔の話なんだけどね」と言いながら歴史を話してくれた。


『何千年か昔のある時、世界は魔素が枯渇に陥ろうとしていた、そこでそれぞれの種族は各守護をする神獸に魔素が増えますようにと祈りを捧げていた。

 そんなある日、人族で魔力が多くあった一人の男が、人族や他の各種族に「聖域に行けば魔力が増える」と唆し聖域に足を踏み入れた。男に唆された一部の種族は追放となり、聖域に足を踏み入れたことに怒った残りの各種族で大きな問題となり戦争が起こる。男は各聖域を襲い神獸を殺害し膨大な魔素の取り込む。

 だが魔力抵抗が弱い者は耐えきれず死亡した。それでも耐えられた者達は男に率いられ、ほぼ全ての聖域を蹂躙し、守りの神獸を殺害してしまう。その頃に男は魔王ダミアスと呼ばれるようになる。最後に残った聖域を蹂躙する頃には魔王ダミアスと呼ばれた男も魔素を取り込み過ぎた事で人格が変質してしまい、配下以外の種族を絶滅に追い込んでいった。

 これに対して神々はお怒りになり、最後まで聖域を守り傷ついた竜種を庇護し、エリシェントと言われるこの世界を魔素の無い別の世界へと弾き飛ばした。』


 この話は知っている、姉貴が最初に作ったシナリオだったからだ。じゃやっぱりここは「VRMMORPGゲームハイフリーワールド」ってことになるのか?と夏椰は思った。

 ならば領主の屋敷がある領都に向かうべきだと考えた。だが女将の話はまだ続いている。


「それで、神々は新たな大地を作り出したんだ、でもその新しい大地も今じゃあてに出来ない」

「どうして?」

「300年前の大災害で大山が何度も大噴火したし、他の山も大噴火して地形が変わってしまっているらしいんだ、でぇそれが今のエリシェントだよ」

「その大昔の人族ってのは魔力もあって魔法も使えていたんですか?」

「あぁそうだよ、普通に持っていたらしいよ」

「そっか、……女将さん俺地図を持ってないんだけど、どんな感じに作り出したんですか? 今現在の新しい地図って有りますか?」

「何だい地図持ってないのかい、じゃそにあの地図を見てみな、大まかな大陸は変わっちゃいないからね、ここが中央のセトレイア大陸、ここにこの国がありは人族が多く住んでいる。こっちの東のイルレイア大陸は獣族や魔族が多く住んでいる。そしてこっちの西のウルレイア大陸はリザードマンやドラゴニュート等が住んでいる。南のここはサスレイア大陸っていって龍神族やドワーフ族、牙狼族が住んでいる。最後に北のノスレイア大陸はオーガ、鬼人、オーク等が住んでいる。エルフやハイエルフはどの大陸にも存在している。またハーフエルフ等もどの大陸でも住んでいる。ただみんな基本的な拠点みたいなものだけど、実際は仲良く生活しているものもいるし、それぞれに住んでいる種族は差こそあれ知性はあるし言葉も通じる。ただ問題なのはこのセトレイア大陸だね」

「どうしてですか? 人族が住んでいるでしょ?」

「住んではいるんだけど、大昔人族から魔王と呼ばれる者が生まれたからねぇ、歴史として神々から言い伝えられた為に、他の種族はあまり良い顔をしないんだよ、でもそれを実体験している者はほぼ皆無なのにね、それに300年前のこの国でのこともあって皆ウィステリア領主家には警戒する人は多いんじゃないかな」

「じゃ、今も他国とも仲が悪いんですか?」

「今は領主様が居ないから、襲ってこようって考える者も居ないわけじゃないからねぇ~とはいえ、王はそっちに注意を向けているんじゃないかな」

「女将さんは人族だよね?」

「あぁ、そうだよ、でもまぁこの村にもリザードマンとかも住んでるし、今の人族は昔のような魔素量はないし、そこまで驚異になるとは考えてないんじゃないかな、それにウィステリア領の民だけは眠っている領主家の皆が起きてくるのを待ち望んでいるよ」

「どうして?」

「良い人たちだからだよ、そう良い伝わっている、種族も貴族も平民も関係なく差別もしないし、子供達に無料で学校に行かせてくれるからね、他の領地や王都では考えられないんだよ」

「へぇ~そうなんだ」


 今の話を聞いて今後どうするか決めなければならない、やはり目指すは領主家だろうがその前に冒険者ギルドに行く必要があると考えた。


「女将さん、冒険者ギルドのある町ってこの辺にありますか?」

「それならケセウスの町だね、このウリスの村から東に馬車で三日ほどの所にある町だよ」

「じゃ領主のいる所はどうやっていくんです?」

「あんた領主様は行方不明だっていったじゃないか」

「大きな都市なんでしょ、だったら情報収集もしやすいと思っただけですよ」

「なら、ケセウスの町からだと馬車で一ヶ月はかかるんじゃないかねぇ、まぁ王都に行くことに比べたらまだ短いくらいだろうが」

「そうなのか?遠いのなかぁ」

「王都スリアはこのセトレイア大陸の中央付近にあるからねぇ」


 女将さんの話を聞き終えて部屋の鍵をもらった夏椰は、ここでおかしな事に気づいたNPCがやけに人間くさいのだ、ゲームでは一定の決まり文句しか言わないはずが、表情もあり感情もあり自由に行動している。


 またこの村に来る道中では魔物が襲ってくることもあったが、そう強くはなかったとはいえゲーム時代のレベルの魔物である、スキルマスターである夏椰にとっては雑魚である。

 これも討伐して落としていったアイテムやらを回収し、村で換金しようと思ったが、村には換金場所である冒険者ギルドが無いため換金できなかった。



稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。

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