表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/158

16話 雪華の反撃

 8月中旬、神崎領とその周辺を含め攻撃を仕掛けられたのは九州。北海道も含まれていた。政府は防衛省とともに情報収集に当たっていた。その間神崎領とその周辺の攻撃はすべて雪華が排除していた。


 領地上空に飛んだ雪華は魔力を高めていき、右手に集中させて飛んでくるミサイルをすべて打ち落としたと言うより消し炭にした、破片を落下させる訳には行かないからだ、またいくつかは反転させて発射した場所に反撃していた。

 更に高度を上げ、攻撃してきた敵を補足、華国・宋国をはじめインドシナなどを含めたアジア圏の連合軍が日本海に展開するメルリア軍に攻撃を始め逃走をした所で日本に攻撃を始めた。

 九州から攻撃を始め狙いは神崎領、そのため太平洋からも攻撃してきていた。雪華は此をほぼ同時に艦隊や飛行部隊を含めて一瞬にして沈めた、というか消し炭にしたのだ。


「う~ん、やっぱり魔力が増えている、一発では無理だと思ったんだけどなぁ~、まぁいいか……さて他に敵はいないかなぁ、生き残っているのは?」


 居ないのを確認してから、雪華は更に高度を上げて日本全体に物理攻撃無効の魔法を張った。これで地球上の物理攻撃は受け付けない様になった、更に反撃付加を追加して、攻撃されたら攻撃した方向に反撃すると言う魔法であった。

 高祖母が残した魔法を熟知して更に自己流にアレンジした結果である。それを済ませた後は、そのまま首都圏に飛んだ。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 首都圏に行く前に九州と北海道に攻撃している敵機や艦隊を撃沈し、上陸兵が居ないかも確かめた、幾人かいたのを式神に拘束させて連れてくるよう命じてから首都圏に向かいそこにいた敵機を撃沈し歩兵集団も拘束した。

 拘束兵はすべて野ざらし球場に集められ、逃げられないよう両手を拘束、自殺を防ぐためマウスガードを取り付けた。更に結界まで張られたのだ両手の拘束もマウスガードも雪華お手製のため簡単にはとれないものだ。


「神崎当主……これはいったい」

「あぁ上陸兵の捕虜ですよ、華国人もいれば宋国人もいるしインドネシア系も居るわね、あとはソルア国かな、北海道を攻めていたわね」

「本当に一人で、するとは……」

「ここは式神に見張らせるので、今後のことを話しましょう」


 雪華はそういうと総理を含めた関係者を連れて官邸に向かった。そこの一角の部屋で他の執行部と各大臣が揃っており、総理達を待っていた。


「さて、総理さっき私が言った宣言覚えていますか?」

「あぁ『攻撃宣告もなしにいきなり夜明けの強襲に遺憾思う、しかも軍事施設もない民間領に対しての攻撃は許せるものではない、直ちに攻撃を停止するように願う、但し神崎家当主より伝言を伝える。神崎領とその周辺を中心に攻撃していることに対して神崎雪華は反撃すると言っている、この攻撃から逃れたいものは直ぐに退避するように、さもなくば一切容赦せず攻撃する』って事だったが……」

「えぇ、もう通達しました?」

「いやさっき漸く通達準備が整った所だが……」

「ではもう少し別の言葉に代えてください」

「っというと?」

「既に敵機も艦隊も撃沈させましたし、捕虜も居ますしね。ついでに日本全体に物理攻撃無効と、反撃魔法をかけてきたので、もう日本は攻撃をされても被害は出ないですし、逆に日本に攻撃したら、した方に被害が向くようにしました」

「えっ、攻撃されない魔法?」

「えぇ、とはいえ防衛は必要なので沿岸防衛は続けてください、相手への警戒は必要ですから、排他的領海あたりまでしっかり結界を張っているので安心していいですよ」

「しかし魚雷や潜水艦で攻めてきたら……」

「それも大丈夫水中も含めての結界ですし、海の精霊の力も借りました攻撃するなら反撃しろと伝えていますから」


 雪華の言葉に政治家達は唖然とした様子で聞いていた、話している内容に頭がついてこないと言うより理解不能と言った方が正解か。


「でぇ、国際的に通達するに当たって言う言葉はなんと……」

「あぁそれですが『攻撃宣告もなしにいきなり夜明けの強襲に遺憾思う、しかも軍事施設もない民間領に対しての攻撃は許せるものではない、直ちに攻撃を停止するように警告する。但し、もし攻撃を続けるならば神崎当主の張った結界により被害を受けることになる』っという事でいいんじゃないでしょうか」

「相手が被害を受ける?」

「さっきも言いましたが、反撃魔法をかけたと、あれは言葉通りなんですよ」


 っと、雪華は言いながら部屋にあるホワイトボードに図で示して説明をした。それは国土全体に結界を張った円形状のものにミサイルが飛んできたとすると、結界にふれた途端そのまま飛んできた方向に変転して飛んでいくと言う図を書いていた。


「こんな事が……」

「私はね、最後の日まで平和で暮らしたいんですよ」

「最後の日って……それは」

「みなさんもご存じのように地球の自転や軌道がズレているでしょ、それに太陽の黒点が増えている、異常気象に地殻変動による地震の多発に、戦争まで起こっている。地球の自転や軌道がズレた時点で人が生きていけるだけの環境は崩れてしまっているんですよ」


 雪華の説明で皆がそこで思い出した、そういえばと異常気象が顕著なこんな時に戦争で混乱していたのだ。戦争だの何だのやっている時では無かったのを思い出したのだ。

 たが各国は違う、それも含めての行動なのかそれすら解らない状況に陥っているのだ、しかも人工衛星は確実に降下してきているし、既に落下している物もある、今残っているのはメルリアと日本、ギリスなどだブルゴとソルアも既に落下途中と言っていい。各国との連絡も既に少なくなっている現状は否めないのだ。


「……日本は、被害がない、そう思っていいと言うことかね?」

「えぇ、捕虜に関してはみなさんで考えてください、送り帰すならお力になりますよ、送り返すつもりがないなら魔物の餌にでもすればいい、食糧事情を考えれば捕虜に食べさせる食料は無いですしね」

「魔物に食べさせる……」


雪華の発言で嫌悪した表情をする者が何人もいたが、実際問題捕虜を養うほどの食糧など無いしのは事実である。


「解った、少し我々で議論をさせてもらいたい、そして君が言った国際向けの通告もしなければならない」

「そうだな、悪いが少しばかり首都圏にいてもらってもかまわないだろうか?」

「かまいませんよ、その間富士樹海で魔物退治でもしてきます」


 雪華はそういって官邸を出て富士樹海に向かっていった。残された政府関係者は、頭を抱えた。今後どうするかと、通告を出すという事は攻撃を確実に受けると言うことになる。

 たとえ結界で守られていると言われても、どこまで信じていいのやら。メルリア国との通信は出来るが駐留軍を見捨てた状況もあり、どう返事をしてくるかも解らないのだ。


「とりあえず、各国へのさっきの通告とやらはした方が言いと思います総理」

「そうだな、ただ捕虜に関しては……」

「どうしたいか攻撃してきた国に答えさせるのはどうか?」

「というと?」

「食糧事情もあるし、こちらの情報などあまり知られていないのであれば、帰せばこちらの負担はない」

「そうですね、魔物の餌にするという神崎領主の話よりは、まだ良心的だと思う」

「だが、見捨てた場合は?」

「メルリアのようにか」

「その時は、神崎当主が言ったような方法でも……」

「人道に反する」

「ならば帰すかね?」

「まず、メルリア国に現状を報告しよう、そしてメルリア兵も帰すと言えば、他の捕虜も帰せば良いだろう」


 議論を重ねて結論は出た、総理は国際的に通告を行った後、メルリア国に現状報告とメルリア軍兵に関しては帰してほしいと言ってきた為了承した。

 捕虜に関しても雪華の言った通り強制送還をした。タイミングはメルリア国以外に関しては、総理が国際的に通告をしている最中であった、捕虜は当然拘束したままである。帰国した場所は攻撃命令を出したトップの前である。

 

 そして事の真相を聞こうと質問をした時に、全ての拘束が解かれたと同意時に日本からの通告が発せられた。メルリア軍兵に関しては基地内に入ることを大統領から許可を得て雪華と医師団のみ入り、怪我の治療にあたった。

 そして雪害は通信機で大統領と話をしながら、メルリア軍兵を帰還させたのだ、いわゆるテレポートである。捕虜に関しても同じ要領で送還させた。全ての作業が終わったのはもう8月末になっていた。

稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ