116話 魔王からの手紙と神殿襲撃
※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)
神殿での騒動から二日後、雪華達は動物園迷宮でノワールからの情報で雪華が怒り心頭になりピートも危機感を感じた、
そして同時に王宮でもイルレイア大陸の魔王からの手紙で宰相が雪華を呼びに宿屋に使者を送り、動物園前で出会って王宮に急遽行く事になり、現在国王の執務室で雪華が魔王からの親書を読んでいた。
「はぁ~~やっぱりこうなったか……」
「あの雪華様?」
「悪いなレイモンド、こっちの失態だ」
「失態とは?」
「このデーモンが失態を侵した、よって主の私の責任だ」
「あの詳しくお聞かせ頂けますか?」
レイモンド・フェスリアナ国王に言われて雪華は事の次第を説明、冥界二大デーモンの一柱が、もう一人の一柱に会った結果招いた親書であると告げたのだ。
「冥界の二大デーモン……」
「レイモンド、雪華はその魔王に会ったことはない、俺は300年前にコイツと共に会っているから知っている。だから取りあえず、今回の件は雪華の判断に任せた方が国のためだ」
「ピート様……」
「レイモンド、魔王ルージュを今この国に来させるのは危険きわまりない」
「そんなに危険な者なのですか?」
「魔王ルージュが危険というわけではない、とはいえ間違いなく人間は勝てる見込みはないが、今回危険と言ったのは、もし魔王がこの国の土を踏んだ場合、ハルシェット辺境伯側の動きが更に怪しくなる。……最悪獣王が出てくる可能性も視野に入れておけ」
「獣王!!」
「獣王ですって!! 何故そうなるのですか?」
「ハルシェット辺境伯はイルレイア大陸の者の協力でこっちに戻っている可能性がある、というか私と夏椰が襲われた時にハグレ魔族が出てきた時点で既に繋がりを持っていると確信を持っていたからな、獣王との接点がなくても、こちらの情報は獣王側に筒抜けの可能性がある」
「……こちらの情報が……」
「確証はない、でもここで魔王がフェスリアナ王国召喚となると不味い状況が更に悪化する未来にしか見えない」
「……それは」
「それにまだ王宮にはハルシェット辺境伯側にいる貴族が居るのだろうし王妃も存在も無視は出来ない」
「確かに……」
「今回は私がこのデーモンロードの配下ノワールに貴族側の細かな詳細を教えてなかった事が原因でもあるから、悪いけど少し協力をしてほしい」
「はい、解りました」
雪華はレイモンドにそう言うと、溜息を付いて今度は背後に緊張の面もちで立っているノワールに向かって命令した。
「ノワール!」
「はい!」
「今度はルージュに私自らの親書を持って行って貰いたい、そして余計な事は絶対に言わない事、親書を渡し無言を貫き返事を持って帰ってくる事、出来るな」
「はい、仰せのままに」
「今度失態を侵したらお前の魂を消す」
「承知いたしました」
雪華はノワールに命じてから、再度国王に向き合った、当然今後の話し合いをするためである。
「陛下、申し訳ないのだが、陛下より先に魔王に会うことを許して貰えないだろうか?」
「それは……構いませんが、こちらに来させないのでは?」
「私が直接会いに行くことにする、当然ピートも同行させる」
「しかし、どうやって……」
「それはピートの神族の力をかりるまで、私はまだ人族だからな、陛下より先に他国の王と会う事になる、正直貴族共はうるさいだろうから極秘に行動する事になる」
「雪華、それは不味くないか?」
「何で?」
「俺の力を借りるっていうのは解る、しかしお前自分の立場を解っているか?」
「解っているけど」
「人族としての公爵という前にお前は俺たち神族の主だ、それを上が許すか? 魔王の所に行くなんて」
「それはどうでも良い、あんたの上司共はこっちにこれら無いだろうが、それに今回私が魔王に会うのは、獣王を見極めるためという理由もある、イルレイア大陸に行けば自ずと解るからな」
「って事は獣王に会うのか?」
「会う必要などない、大陸に行きさえすれば何とでもなる……」
「しかし……」
「私はねピート、許せないのだよ、マクディナルをね、ヤツの行動は300年前から私のモノを手に入れようとしただけではなく殺そうと大統領を利用した」
「それは知っているが……その時点で記憶は戻っていないと言っていただろう?」
「その時点ではな、だがあの末期、ヤツはハディ・クランを殺している、ヤツは素人相手に殺されるような半端な殺し屋ではなかった、なのにマクディナルに殺されていたと、あんたの上司は報告してきたのだろう、あり得ないんだよ本来なら! ハディはあの世界でトップに君臨できるだけのスナイパーだ、しかも絶対に捕まるようなヘマもしない、裏社会では畏れられ、尊敬もされていた人物だった、そんなヤツがマクディナルの様な欲深い司祭なんぞに殺されるはずはない、となれば本当にヤツが元凶魔王の魂を持っていて記憶を取り戻していたと判断する方が妥当だ、たとえ全力でなくてもな」
「……始祖姫様……かなりご立腹の様ですね」
「そうだな、腹立たしいよ、本当にヤツの魂が元凶魔王だったと確証が取れた場合は、しかもそうとは知らずにマクディナルと言う人格のまま私の高祖母の魔法秘術を我がモノにしようとしたのだからな、もしその遺産をヤツが手にしていたら、あの世界でヤツはもっと早く記憶を取り戻し力を回復させて世界を牛耳っていただろうという事が目に見えて解る」
「あの物理世界を……ですか?」
「あぁ、この世界を崩壊させた上、初代始祖を怒らせて異次元に弾き飛ばされながら、なおもその魂を持って存在していたら、そして何食わぬ顔で司祭なんぞやって表と裏の顔を持った。時を見てあの世界に君臨する気だったのだろうよ、だから確証を得るためにイルレイア大陸に行く、元凶魔王の魂は知らなくてもお前が知っているだろう。私が知っているのはマクディナルとハディ・クランの魂だけだからな」
雪華はピートに対して怒りの感情を吐き出しながらも、強いプレッシャーのある霊気を放っていた、これはノワールやピート達に対しても畏れをもってひれ伏すには十分すぎるオーラである。
故に二人は既に跪き頭を垂れていた。その強すぎる魔素とオーラに耐えられなかったのだ。
当然人族である国王も宰相も畏怖し体が動かず息が止まる思いだった。
「……外が騒がしいな」
「えっ?」
「ピート神族結界を解除しろ、そしてここからは私のことは人として扱え」
「畏まりました……」
雪華はピートにそう命じると、強すぎるオーラ、霊気を収めた、その時点で漸く国王と宰相も解放された様に大きな息を吸い込むように溜息を付いた。
結界が解除された事で執務室のドアを叩く使用人の数名の声が聞こえた、そこで漸く動くことができた宰相が扉を開いた。
「どうした騒々しい」
「大変です、神殿が襲われました!」
「なにっ!」
「今なんと言った神殿が襲われただと!!」
「はい陛下」
報告を聞いた瞬間に雪華とピートが表情を歪めた、そして部屋のドアに向かった。
「結界が破られた……」
「あぁ俺の結界まで破られてるぞ」
「陛下、直ぐに神殿に行きますよ、我々の結界が破られた、例のモノが恐らく……」
「なっ!!」
「直ぐに参りましょう陛下」
宰相が言う前に既に行動に起こした人物は当然ピートと雪華、そしてそれに着いていくノワールである。それを見送りながら二人も急いで後を追う。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
神殿に到着すると、そこかしこに死体が転がっている。神殿が既に封鎖されていた為、一般人に犠牲者はいないが、扉が壊され中に残っていた神官たちが皆殺されていた。
「酷い……」
「これは一体どういう事だ!」
「これはハグレデーモンの気配が残っていますね」
「奥に行くぞ」
「陛下! 公爵様!」
「ゴラン隊長! これは何が合ったのですか?」
「公爵様、何者かが突然襲撃してきた様なのです」
「襲撃? まだ夕方にもなっていないのに?」
雪華たちが動物園に行ったのは午前中、昼食も食べず王宮からの迎えでそのまま王宮で陛下と話をしていた。その後の出来事だった、故にまだ夕暮れには時間がある頃である。
その為か神殿の襲撃は平民も知る所となり王都は騒然としていた。
「ゴラン!」
「はい陛下!」
「憲兵に命じて神殿周囲の警備に当たらせ民の混乱を防げ、決して武力による鎮圧は許さぬ、またそしてお前達親衛隊は神殿内の捜索と生きている神官を探して医官に治療をさせるのだ!」
「はっ!」
国王が指示を出している間だ、雪華はノワールに命じて別館の神官達の住まいにいる神官を全て神殿に運ぶよう命じた、そしてピートと共に向かったのは秘物が安置されていた部屋へ向かった。
国王と宰相も指示を出した後、雪華達の後を追った。部屋にはいると神殿長と神官長が倒れていた。
「神殿長、神官長!」
「陛下、まだ息があります」
「……しかし傷が深い」
二人の様子を見ていた国王は、秘物の前に佇む雪華とピートを目で追った。二人は何やら溜息を付いている。そして二人は踵を返して国王達の所へやってきた。
「生きているわね」
「はい、ですがかなり重傷です」
「雪華、このままでは命がないぞ」
「やれやれ、全く何をしてくれるのよ」
雪華はそう言いながら治癒魔法を二人に掛けた、しかし完治ではなく意識を取り戻させ止血する程度の治癒魔法である。つまり傷などは自力で治すか医者に治して貰う以外にない程度である。
「……雪華、その程度で良いのか?」
「えぇ、これで良い、魔法を頼れば医者の質が落ちる。また人間には治癒力がある、それを低下させるわけにはいかないからな」
「そっか……」
「雪華様?」
「本来なら完治させても良かったが、それでは人の可能性を閉ざすことになる、この程度で倒れるようなら神殿長としては失格だろう、神殿長は魔法が使える神官の一人なのだから治癒魔法も使えるはずだ、今私が使った程度ならな、それも出来なかったという事は相手が悪すぎただけだ」
雪華の説明を受け国王は生き残った二人を医官に預けて治療を続行するよう命じた。
そこに神官達の住まいを探索していたノワールが戻ってきた、沢山の死体を持って。それをみた国王と宰相は驚き声を上げた。だが雪華とピートは平然としていた。既に全員の命は無かった。
「なっ、なんだ……」
「ノワール、それで全員?」
「はい雪華様」
「そこに副神殿長も居るわね」
「ノワール、ゆっくりと床に寝かせろ、雑に扱うなよ」
「畏まりました」
ノワールは言われたとおり、一人一人ゆっくりと床に寝かせていった、その中には副神殿長もいた。
「………何か変ね」
「雪華様、全ての魂がございません」
「そうね、無いわよね、どう言うこと?」
「恐らく襲撃者の仕業かと」
「っと言うことはハグレ魔族だったって事か?」
「ハグレ魔族だけでは有りません、獣族の臭いも微かに残されていました」
「獣族!!」
「……やはりか、でぇノワール魂はどこに行ったか検討がつているの?」
「確証はございませんが、ハグレ魔族が食事として食べたのかと」
「魂を食べる!!!」
「そうだろうねぇ~魔族は人の魂を好む、でも変ね神官は神に仕える者、そこらの一般の者よりは魂は綺麗なはずよ、魔族を満足させるだけのモノでは無いはず」
「なぁ~雪華……副神殿長の魂の残滓だけはちょっと変じゃねぇ~」
ピートの言葉を聞いて雪華は副神殿長の遺体を見直して、手をかざした、既に魂は抜かれていて無い、本来なら死んだ魂は最低でも1週間現世に留まっているはず、自身の体や身内の近くに居るはずである、しかし神官達の魂はその場にいっさい痕跡がない、そして副神殿長の魂は壊されず、そのまま抜かれた感じがしたのだ。
「雪華様、副神殿長だけでは有りません、他に魔力の強いものは壊されず持ち去られています、何故かわかりませんが……」
「そうねぇ~そんな感じよね……」
「ちょっと待て雪華、じゃ何で神殿長と神官長の魂は残った?」
「あぁ~それは私が庇護したからよ」
「えっ?」
「あの日、秘物に関して話した日神殿長は私たちのことを知った、そのときに庇護した、そして神官長もこの部屋に入る権利を有していたからね、庇護魔法をかけておいたのよ」
「マジかぁ~~」
雪華達の話を聞いていた国王達は、話がよくわからなかった、魂とは輪廻をするものだと知識で知っている。悪魔は人の魂を好むモノが居ることも知っているが全てではない。食べないモノもいる事があるのだ。そして何より何故ウィステリア公爵は魂を見ることが出来るのかと言うことだった。
「あの雪華様は魂を見ることが出来るのですか?」
「えっ……」
「そりゃあ雪華は見ることが出来るだろうぉ~」
「あのそれはどういう意味ですか、ピート様」
「マルク雪華様なら当然ではないのか?」
「しかし雪華様はまだ人であると仰ったのですよ陛下」
「ふむ、確かに」
「雪華の一族は300年以上前から、そういう一族だぜ」
「300年以上前とは、あの次元移動前からという意味ですか?」
「あぁ」
「ですが、魔法のない世界と伺っていますが……」
「物理世界でも魔法を使わずに力を使う方法は合ったのよ、それが神崎家、今のウィステリア家よ、あとは多少の魔術を使える魔術師くらいね、そんなに多くはいない人数だけど」
「それは魔物がいたからですか? 末期には魔物が出ていたと窺っています」
「違うわ、あの飛ばされた物理世界に魔物は存在しない、代わりに妖怪とか幽鬼みたいなモノはいたわね、こっちで言えばアンデット系の事をいうんだけど」
「アンデット系??」
「そうだ、こっちでは目に見えるけど、あの物理世界では目に見えない精神生命体みたいなものと思えばいい」
二人の説明に二人は混乱している。それを見た雪華が更に説明を続けた。
「あのねぇ、あっちの世界では自分の霊気というもの、こっちでは魔素というものを使って術を発動しているのだけど、全ての人間が出来るわけではないのよ」
「それはどういう、……魔法が使えない魔素が無いはずなのに?」
「本当はね霊気というのはみんな持っているのだけど自覚できないのよ、それを自覚できる人は希でね、自覚できても扱い方を知らなかったり、見えてしまう幽霊に悩まされて病気になったり、色々居たわ、そういう困っている人を助けていたのが霊能力者とか陰陽師とかいう私たちの様な一族だったのよ」
「雪華様の一族以外にも居たのですか?」
「まぁいたわね、派閥みたいなモノもあったし、担当地域というのもあった。それにね術者の力量は個々で違っていたし、強い者はそう多くはいない、殆どが今で言えば初級魔法が使える程度と思った方が良いかなぁ~」
「それで魂が見えるのですか?」
「魂が見える術者の多くはそれなりの力を持っているけど、対処が出来るかどうかは、また別の話だったわね、対処の出来る術師は魂を見て浄化するか祓う術を使うのよ、でも決して魂に干渉してそれ以上の事をすることは出来ない」
「浄化とか祓うという意味は?」
「つまり人が死んで本来行くべき場所に魂を送るという事をいうの、ただ送るだけ」
「でも、陰陽師やエクソシスト何かは魂を縛ったり使役したり出来るだろう、ちなみにお前も大妖怪を使役していた」
「まぁね、私はこっちに移動する前に契約解除したけど、出来なかった妖怪達は苦しんで人に害を及ぼす存在になるからね、そう言うのは祓うしかない」
等と300年以上前の術師の説明をした雪華とピート、この世界の者達がそれについてどこまで理解が出来るかは不透明であるが、少しは知っていて貰わねばならないと思ったのだった。
「取りあえず昔話はこの辺にして、今後のことを考えましょう」
「あぁ~~そうだなぁ~……」
そういう二人を見ながら、国王と宰相は思い出した、例の秘物の事を、真っ先に向かったこの二人からまだ何も聞いていなかった事を思い出したのだ。
「そういえば、秘物はやはり無かったのですか?」
「あぁ~綺麗さっぱり無かったな」
「っとはいえっ結界を破って奪い返してくるとはねぇ~」
「お前の結界はともかく俺の結界まで破るなんざ相当の手練れだな」
「では今はどこに?」
「それは決まっているわよ、イルレイア大陸に向かっているみたいね」
「解るのですか?」
「もし敵の手に落ちたら……」
「俺はそれを誰が持ち出し何のために使うかが気になるんだが……」
「そんなの分かり切っているでしょうが、あれは元凶魔王復活の鍵となるモノなんだから、間違いなく獣王の所よ、襲撃者の中に獣族の臭いがあったってデーモンロードであるノワールが言ったのよ、間違いないでしょう」
「それが本当なら不味いなぁ~」
「そうねぇ~、でも直ぐには復活できないとは思うけど、確証は無いわね」
「直ぐに復活できない?」
「えぇ、私最初に結界を張ったとき、同時に秘伝の術を施したのよ」
「……何だよそれ?」
「神崎家直系当主にだけ伝えられる秘伝よ」
「お前分家が直系として生きていたのに、秘伝なんてどうやって……」
「あれピート忘れたわけじゃないわよね、ずっと監視していたんでしょ?」
雪華の言葉でピートは一瞬不可思議な顔をした、ただ神崎家の直系と分家の監視をしていたのは事実だが、秘伝の話は知らなかった。
「私たち家族の側には怨霊と幽鬼が居たのよ」
「……あぁ~~思い出した信之介と璃桜か!」
「そうそう、死んだ直系先祖の二人から直接伝授されたからねぇ~しかもスパルタ教育で……マジ死ぬかと思ったわ」
「怨霊と幽鬼から秘伝を授けられたヤツってお前くらいじゃねぇ?」
「そうでしょうねぇ~、他の陰陽師にはい無いでしょうねぇ、それにお二人とも『分家になんぞ伝授せん』と豪語していたし、特に信之介様がとっても怒り混じりだったからね」
「なるほど、怨霊になった割には菊の血筋以外に害を及ぼさないなんてのは希だがな」
「璃桜様が来てから恨みの念が薄れていったのは事実よ、だから恨み以外の自我も保っていたしねぇ」
「でぇその秘伝とやらで何とかなるって事か?」
「確証は無いけど、『当主の証』を封じたものと同じよ」
「って事はお前が認めた者以外が触れると弾かれるってヤツか?」
「えぇ、それ! 但し元凶魔王が力を取り戻しておらず、マクディナルの力だけならって限定付きだけどねぇ」
「限定付きかぁ~」
「だって仕方ないでしょ、私元凶魔王の魔素は知らないもん、それにどの程度の魔力を持っているかも解らないからね、マクディナル程度の魔力以上の力なら、もしかしたら解除されかねないわね」
「それって解除されたら、術師に返ってくるって事か?」
「まぁ~そうなる」
「おい、それって大丈夫なのか?」
「ん~解らないわね、今まで解除された事無いものだって聞いてるから、未知数だわ」
とんでもない発言をしたこの主で友人の雪華の顔をみて呆れていた、術返しを喰らったら術内容によっては命の危険もある、そんな事は陰陽師なら誰でも知っていることだ。
稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。
ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。