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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第5章 動き出す諸々編
141/158

114話 仕方なく神殿宿泊

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 神殿に泊まることになった雪華とピート、そして小花衣も、用意された部屋ではなく、秘物のある部屋で一夜を過ごすことに決めた。当然神殿長は危険だと忠告をしていたが、小花衣以外の二人にとっては結界が心配なため、近くにいると伝えた。そして夕食を用意してくれたがそれも秘物室で食べることにした。

 雪華は魔法陣からレイモンド宛に手紙を書いた、今回の詳細を報告するためである。本来なら直接報告するつもりであったが、ここを離れる訳にも行かなかった為である。故にもし来るのなら極秘に来るよう書いておいた。


「ねぇ~ピート」

「何だ?」

「あれ腕なの、やっぱり」

「あぁ」

「……何で秘物が存在するのか気になるんだけど」

「そうだなぁ、確かに始祖姫はダミアスの魔核を破壊した、奴が取り込んだ魔核は複数あったからな」

「複数?……あぁ~倒した神獣が守っていた魔核を奪ったんだっけ?」

「そう持って行かれたのは三つ、奴自身の魔核を含めれば四つだな」

「待って元凶魔王は元人でしょ、何で魔核があんのよ」

「魔素の取り込みすぎで心臓が魔核化した」

「うそぉ~~~マジ?」

「そんな事が起こるのですかピート様?」

「あぁ本当だ」

「でもそんな臓器が魔核化なんてするもんなの?」

「普通はしない、だが当時の人間は魔素も多く持っていたし魔法も使える、最終的には魔物化していた奴には心臓が魔核になった。魔物の心臓が魔核であるのは知っているだろう?」

「まぁ~それは知っているけど……魔物化したんだ」


 ピートの説明を聞いた雪華は以前見た夢を思い出した、何かに対して凄く怒っていて、怪物の心臓に剣を刺していた。


「どうした?」

「あぁ~いや何でもない、ただ前に見た夢を少し思い出したのよ」

「夢?」

「お館様、それは以前仰っていた悪夢ですか? 夢見が悪かったと仰っていました」

「そうそれよ、なんかよくわからないんだけど、私が凄く怒っていてね周りにピートの持っている白い羽を持った者達が魔物と戦っていて、私に向かって突っ込んできた魔物に剣で突き刺していた夢」

「……それって……」

「うん、たぶん初代始祖の記憶、過去視じゃないかな、とは思うんだけど、人族のはずが魔物化って繋がらなくてねぇ」

「あのぉ~白い羽とは一体……」

「あぁそれはね、ピートの神族としての本来の姿よ、彼白い翼を持っているのよ、どうもピートの部下達も持っているようだけど、私が会った時は、今のピートの様に羽は無かったけどね」

「力を封じているからな、下界で本来の姿なんぞ見せられるか!」


 ピートの神族としての姿をお館様は見てご存じなのかと、初めて聞いて驚いていた、現状ウィステリア家の者は誰も見たことはないのだ。


「それよりお前の夢だがな、実は奴の魔核は全て始祖姫様が破壊している。そして体も全て細かく切り刻んで最終的には消し炭にしたんだ、だが次元移動の時、戻ってきた時な、その時に奴のソーマを感じた俺たちは必死になって探した、それを見つけたのは当時のフェスリアナ王国の国王だった、だから神族が結界を張り国王には事の真相だけを伝え極秘とするようにした」

「そんな事したんだ」

「あぁだが国王は王宮に置くことは出来ないと言った為、神殿の奥深くに秘物として安置し限られた人数だけがその部屋に入り変化がないか監視するように命じた、そして同時に任を終えた神官の記憶は消すと伝えたんだ」

「でもあの程度の秘物なら神族総出で消し炭で出来なかったの?」

「試したんだがな、無理だった」

「えっ、無理だった? 何でよ!」

「強い恨みが染み込んでいた、しかも何かに守られるような恨みでこっちの攻撃を弾き返したんだ」

「………神族の力を弾き返すって何よそれ! あの化け物上司もダメだったの?」

「そのユパの攻撃もダメだったんだよ」

「……何それ……」

「だから結界で守り、始祖姫の転生を待ちわびていたって訳だ」

「ん~~~でもあの気配、恨みだからねぇ~私の知っている怨霊を上回っていたし、神族の力を弾き返す恨みってどういう事かわからん、小花衣は知っている? そんな強力な怨霊封じの術とか」

「いえ、存じません、神崎家に伝わっている術は全て人が扱うものです、ただ当主に関しては秘伝もあると聞いた事は有りますが、どのようなモノかは誰も知らないと思われます」

「恨みか……、ダミアスが死ぬときに恨みを残しているとすればあぁ~なるのかな」

「可能性は否定できないわね、あっちの世界で怨霊退治はしていたけど、殆どが恨みを残して死んだ者の成れの果てだったし、さっきピートの話を聞いて思い出したんだけど、あの秘物から強い恨みが出ていた事を思えば、元凶魔王のダミアスって魔王になってから怨霊に変化してしまったんじゃないかなぁ~」

「ダミアスが怨霊??」

「うん、だって私が見た夢に人の気配は無かった、どっちかと言うと恨みと呪いが混在した魔物の姿だったわよ、妖怪に変化って言っても良いと思う」

「……なるほど、日本には人が妖怪に変化する話は昔話でよくある話です」


 そんな事を話していた三人は結界に守られている秘物を見て暫く沈黙していた。同時に何故秘物があるのかと考えていた。


「ねぇ、今回の騒ぎで元凶魔王が気づくかな?」

「どうだろう、もし気づいたとしても直ぐには動かないんじゃねぇか?」

「何故?」

「お前の事は恐らくあっちも気づいているだろう? ウィステリア領主が戻った事は公になっているからな、そしてウィステリア領はダミアスがいた頃から神族の庇護下にあるのは知っているはずだからな」

「なるほど……」

「でも、取り返しに来るっていう可能性は無いとは言えない」

「取り返しに来る?」

「あぁ、あれだけの妖気だからな、復活のキッカケにはなるんじゃねぇか?」

「じゃ早めに消し炭にする方が良いって事よね」

「そうだけど……今は無理だな」

「……それって私次第って事よね」

「そうだな、とはいえだからといって無理矢理覚醒なんかはさせたくねぇよ、俺は……」

「ピート」

「だからもう一度結界を張り直せばいい、出来ないことはないはずだ、だた降臨する必要があるがな」

「誰が張ったの?」

神界七神仙しんかいしちしんせん

神界七神仙しんかいしちしんせん?」

「あぁ下界で言えば神殿長を含めた神官みたいなもんだな」

「そんなのがいるんだ」

「まぁ~な」


 ピートは溜息を付き現在神界にいる神界七神仙しんかいしちしんせん達を思い浮かべていた、その内一人は友人でもある。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 翌日早朝に、国王自ら極秘で神殿にやってきた、護衛はゴラン隊長のみである。調度雪華達は秘物の部屋で朝食を摂っていたいた時だった。対応はピートがすると言って扉の方に向かって行った。


「よぉ~早かったなぁ~」

「公爵からの手紙を読んで直ぐに参った次第です」

「そうか、今朝食中だ、そっちは食べたのか?」

「軽く……」

「そうか、もうすぐ終わるから待っていてくれないか」

「解りました」


 ピートが対応していたが、周りの者はピートが国王に対して軽口を叩いていることに表情を険しくしていた、だがそれを制したのは国王自身である。それから5分ほどしてから再び部屋の扉が開くとピートが三人分の食器を持って近くにいる神官に渡した。


「えっと、国王と神殿長だけ一緒に入ってくれ、後は外で待っていてくれないか?」

「待て、いくら『至高の存在』であるお方といえど、さっきから何故陛下に対してそのようなぞんざいな口調で話すなど!」

「お前誰?」

「申し訳ないピート様、護衛として来ているゴラン隊長です、お出迎えの時に側におりましたが、詳しく事情を知らぬ故、お許しを……」

「あぁ~そういえば居たな思い出した、国王の話も解った、取りあえず入ってくれ結界を張ってある、開けている時間は短い方が良い」

「解りました」


 国王レイモンドはゴラン隊長に対して後で説明すると伝え、神殿長と共に中に入っていく。それを見送る面々の複雑そうな顔をピートは横目で見て溜息を付いていた。

 中にはいると雪華が秘物の様子を窺っている。大きな変化はないが何やら結界に対して抵抗する力を感じた。


「ピート、コイツ抵抗してるわ」

「だろうな」

「あら、陛下早いわね」

「あなたの手紙を読んで早急に来たいのを我慢して、早朝まで待ったのですよ」

「そうなの、でも来てくれて良かったわ、こっちはまだ動けなくてね」

「陛下に手紙を書いていたのですか公爵?」

「まぁ~ね、直接話に行けそうに無かったから、術を使って手紙を送っておいたのよ、でぇ何で神殿長まで入れたのよピート!」

「あの状況だぜ、神殿長にも知っておく方がいいだろう」


 ピートはそう言いながら秘物を指さしながら言った、って事は正体を明かすのか?と思った。


「あぁ~~でも良いの? 陛下にだけしか話してないのに」

「……現状致し方ない、それに恐らくこの神殿長が最後になるだろうからな、もう記憶を消す必要もないんじゃねぇか?」

「……それ私に言っても良いの?」

「お前が許可を出すんだから問題ねぇだろう、上はそう判断するはずだぜ」

「……めんどくさい事は全部私って事か、全く……」


 意味深な会話に神殿長は訝しげな表情をするが、国王の方は事情を知っている為平然としている。


「昨日の事は大方神殿長から説明を受けたのですが、現状はどうなっているのですか?」

「私とピートで結界を張って取りあえず妖気を押さえているって所かなぁ~、でも気休め程度だってピートは言っているけど」

「ピート様、気休め程度と言うことは、また結界が破られる可能性があると言うことですか?」

「あぁ、実際今俺たちが張った結界に対して抵抗しているからな、早めに手を打ちたいくらいだ」

「我々に出来ることは?」

「得にはないが、暫くの間だ神殿を閉鎖してくれると助かる」

「それはどう言うことですか? ピート様」

「結界を張るためには人が居ては困るんだよ、出来たら神官達にも消えて貰いたいくらいだ」

「それは出来ない話です、神殿から神官が居なくなるなんて」

「解りましたピート様、それが必要とあらばご協力を致します」

「陛下!! なりません、この危険な秘物を放置して神官もいないなどあり得ません」

「かまわん、それに一時的だ」

「しかし……」


 国王陛下の一言には、さすがの神殿長も異を唱える、当然である、前代未聞の話を告げたのだから。だが事の重大さを理解しているレイモンド・フェスリアナ国王は即決したのだった。


「ピート様、神殿長をこの部屋に入れたと言うことは彼に話しても良いと言うことで理解しても良いのでしょうか?」

「あぁ、さっきも言ったが、その神殿長で最後になるからな」

「雪華様もご了承されておいでで?」

「ピートが致し方ないって言うのならしょうがないでしょ、それに神殿長は知っていても問題ないでしょ、とはいえ口外すれば神罰が下るだけだから、私は知らないよ」

「畏まりました、では神殿長よく聞け、ウィステリア家の興りが始祖姫であることは歴史上の事実であると理解しているな」

「はい、それは存じております、だからこそウィステリア領は神族の庇護下にあるものと」

「そうだ、そして始祖姫が再び転生しウィステリア家に生まれるという事実がある」

「えっ……?」


 突然の話に頭が混乱しそうになる神殿長は、ゆっくりと心の中で国王の言葉を反芻しながら、質問をした。

 神殿長は上級神官達を含め教会の緊急事態のため、前日の舞踏会や晩餐会などは欠席していた為ピートのとんでも発言は聴いておらず知らないのだ。


「それはどういう事ですか? ウィステリア家は確かに神族に守られし家系であることは存じていますが、転生の話は聞いておりません」

「昨日の謁見でピート様より話があり、ウィステリア領が神族の庇護下である理由等を貴族達に思い出させて下さった、そして今回の転生の話は300年前に神族直々から王室に代々伝えられている事だ」

「王室だけが知る事実と言うことですか?」

「そうだ、そして今目の前にいるウィステリア公爵がその始祖姫の魂を持つ転生者である」

「始祖姫様の魂を持つお方……」

「そうだ、そしてピート様はその始祖姫様の護衛で降臨されている神族のお方だ」


 神族が降臨、始祖姫の魂を持つものという単語を聴いて神殿長は目の前の二人を見つめた。そして絞り出すような声で言った。


「あの……それは、つまり本当なのですか?」

「あぁ本当だ、俺は始祖姫の魂を持って転生した雪華様をお守りするために降臨している神界十二神魔しんかいじゅうにしんまの筆頭だ、そして人としての名前を持ち雪華様が眠りにつく前からお側近く見守っていた」

「公爵様……」

「嘘じゃないのよ、コイツ私にバレないように同じギルドメンバーとして側にいたのよね、と言っても私は始祖姫の魂を持つだけで、ピートの知っている初代始祖姫ではないのだけど、でも魂を持っているため覚醒したら人族ではなく神族になるみたいよ」

「では、本当に……神族の方」

「私はまだ人族だけどピートは降臨しているだけだから間違いなく神族よね、私もこっちで目を覚ましてからピート以外の神族に最近数名あったことがるけど、みんな私を始祖姫としか呼ばないのよ、雪華だって言っても聞いてくれないからもう諦めてるけど」

「お前は覚醒したら神族で俺たちの主なんだよ、だからいい加減認めろ」

「自覚くらいはしてるけど、慣れないわよ!」


 そんなやり取りをしている目の前の二人を見て神殿長は呆然としている、まさか神族が目の前にいるなどとは考えても居なかったのだ、いやそれ以前に降臨などとはあり得ないと思ってきていた。なのに目の前にその事実があると言うのだ。


「……何かの間違いでは……」

「間違いじゃないわよ、事実だから」

「ヘンドリックが信じられないのも無理はない、正直な所私も最初は半信半疑だったのだ」

「えっ? 陛下にも信じられてなかったの??」

「申し訳有りません、ピート様が人のお姿なので……ですが、神界の結界を張られた時に、普通の魔素ではないと感じましたので、何とか信じられたのです」

「……そうなんだ、まぁ~仕方ないわよね、私も最初は疑ったもん」

「やれやれ、全くこれだから人間は……見なければ信じられないってのは解らんでもないが、神殿長が信じられないってのはちょっと問題が有りすぎるだろう」


 ピートはそんな事を言いながら片耳にしている封印の耳環を解いて神族としての姿を一部見せた、それは雪華も知っている二枚の羽を広げた姿である。

 それを見た国王と神殿長は目を見張ってその姿を見た、ピートにしても初めて雪華以外の人間にその姿を見せたのだ。

 神殿長はその姿を見て更にそれを自覚した瞬間、自然と両膝を付き二人に向かって叩頭礼をした。


「ちょっと神殿長???」

「今までの多大なご無礼申し訳なくお許し下さいませ、私神殿長として恥いるばかりでございます」

「待って待って、何で!」

「仮にも神々を信仰する長である私が、なんと無礼な振る舞いか、神罰に値します」

「だから待ってって、顔を上げて!!」


 雪華はそう言いながら神殿長の側に来て体を起こした、すると神殿長は涙を流している、その顔をみた雪華は驚いて困った顔をピートに向けた。そのピートは広げた羽をたたんで笑ってるだけである。


「ちょっとピート笑ってないで何とかして!!」

「そりゃ無理だって、今までずっと神族を信仰して人間に説教してきたんだぜ、なのに目の前に神族がいたら、そりゃ驚くし自身の罪を思い知ったんじゃねぇの」

「だから何の罪よ!!! 私はまだ神族じゃないっての、まだ覚醒してない人族なんだから!!」


 雪華はそう言いながら自分のハンカチで神殿長の涙を拭っていた。それを気の毒そうに見ているのは国王のレイモンド・フェスリアナである。彼も神殿長と同じ気持ちなので良く理解できるのだ。


「とにかく神殿長涙を拭いて、それから取りあえず今はこの事実を口外しないでね」

「畏まりました」

「それと、さっきピートが言った様にこの神殿を空にして閉鎖をして貰っても良い? 結界を張り直すだけだから」

「結界をですか?」

「そうピートが言うには神界七神仙しんかいしちしんせんとかいう神族が結界を張っていたらしいから、それには神族降臨って形になるため人が居ては困るのよ、今回もそれを張るつもりらしい」

「そういう事でしたら、お引き受けいたします。神殿は神族の方の為、その信仰をするための場所です。どうぞご自由にお使い下さい、ただ神官達の説得や移動には少しお時間を頂く必要がございます」

「そうねぇ~どうしよピート」

「多少の時間なら大丈夫だろう、俺とお前がいれば問題ない、取りあえずはな」

「あんた上司に連絡する暇あんの?」

「あぁ~それ必要ねぇんじゃねぇか? 間違いなく今回の騒ぎは見ているぜ」

「あぁ~~~なるほど……相手がアレじゃ見ていても不思議じゃないわねって事は降臨準備もしている可能性もある?」

「多分な、お前の許可があれば直ぐに来るだろう」

「……私まだ覚醒してないんだけどなぁ~、何でみんな動いてくれるのよ」

「お前覚醒してなくても神剣使っただろう、それでもう確定なんだよ」


 不満タラタラの雪華に対して楽しげに言うピートは耳環をはめ直して羽を消しながら、今頃上も喜んでいるに違いない等と思った、そしてそれは事実である。

 今はまだ覚醒しておらず、只の人間であっても神族としての考え方をすることもできる主だと少しずつ今の雪華という主を見守ってきたのだ。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 神界の一角に有る神殿で、男神の三聖天が下界の様子を見ていた。そして事の成り行きも確認した。


「どうやら降臨準備が必要のようだ」

「では神界七神仙しんかいしちしんせんを降臨させるのですか?」

「始祖姫様のご意向であるなら必要だ」

「そうですね、あの秘物も放置はできません」

「恐らく今回の騒ぎで遺物の妖気を感じ取っているはずだからな、私はティルヌグにご報告に行って来る、お前達二人は神界七神仙しんかいしちしんせんの降臨準備を急がせろ」

「畏まりました」


 神界は静謐でソーマに満ちてゆったりと時が流れる世界である。どこまでも広く果てがないように見える豊かな大地に、緑が多く花も沢山咲いている、空には人間界にはいない不思議な鳥も飛んでいる。

 また大地だけではなく空に島や岩が浮いている、俗に言う浮遊石とか浮島とか言っても過言ではない。


 そんな神界の有る一角にあるとても高くて大きな観音開きの扉があった、それはそこに立っていた、裏を見ても只の扉の壁だけである。

 そこに三聖天の第一席に連なる勢至天が扉の前で膝を折り叩頭令をした。


「三聖天が一席、勢至天せいしてんが謁見を願い奉ります、此度は始祖姫様がご命令をされる可能性についてご相談致したく」


 勢至天が叩頭令をしながら用向きを告げて暫くすると、目の前の観音開きの扉だけの建造物が、音を立てて開いていく。それが開ききった後、一人の女仙の声が奥から聞こえてきた。ただ一言「入られよ」と……。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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