102話 琴音と拓馬と元クラスメート
※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)
2月に入り、書類を全部そろえたルイス・ウィルシュタインとリリアナ・ベルフィントの二人は、ウィステリア領へ向かう準備が既に整っていた。そしてルイスにはリリアナの家で待っているようにと手紙が届けていた。
2月10日の今日はベルフィント伯爵家に早朝ウィステリア領からの迎えが来て出発する日である。
「いらっしゃいませスキルマスターの皆様方」
「どうも」
「お邪魔いたします」
「初めまして」
ウィステリア組の迎えは、ウィステリア家紋の入った馬車が2台に御者が二人とスキルマスターである浅井賢吾と霧島廉、そしてウィステリア家代表として次女の秋枝が一緒に来ていた。
男二人は既に何度か来ている屋敷であるが、秋枝は初めてである。ウィステリア家以外の貴族の家を見るのも初めてだったので物珍しい感じだった。そして通された部屋は、広い客間であった。
「いらっしゃいませ、スキルマスターの皆様」
「ご無沙汰しておりますベルフィント宰相」
「お久しぶりです」
「えっとそちらの方は……」
「お初にお目にかかります、雪華・ウィステリアの妹で秋枝・ウィステリアです、どうぞよろしくお願いします」
藤華で習った綺麗なカーテシーを披露していた。藤華出身者は必ず後期生の時に社交界マナーの一環として社交ダンスに社交マナーが必須になっていた為だ。そしてそれを披露するのが卒業パーティーである。
「そうですか、公爵様の妹姫様ですか、お初にお目にかかります、私は宰相をしておりますマルク・ベルフィントと申します、以後お見知り置き下さいませ」
「妻のマリエッタと申します」
二人はスキルマスターの二人と雪華の妹である秋枝に対して最大級の礼をして出迎えた。
「あのぉ~そちらの方々は?」
「ご紹介いたしましょう、こちらはボイド・ウィルシュタイン伯爵家の皆様です、ルイス・ウィルシュタイン君のご家族です」
「ルイス・ウィルシュタイン?」
「拓馬の事よ! 久しぶりね晩餐会以来かしら?」
父親の答えを言いながら部屋に入ってきたのは小山内琴音ことリリアナ・ベルフィントである。
「琴音!」
「久しぶりだな」
「……琴音……先輩?」
「そう、秋枝ちゃんね、久しぶり、300年ぶりって事になるのかしら?」
「えっと、本当に琴音先輩なんですか?」
「そうよ、どうして?」
「そりゃお前ぇ……なぁ~兼吾」
「そうだな、お前見た目が全然違うからな」
「そうよ! れっきとした伯爵令嬢なんだから!」
「……あのスポーツウーマンで男勝りの……琴音先輩なんだ……」
秋枝は琴音を上から下まで見て昔と大違いなのに驚いていた。昔はショートボブで筋肉質で陸上選手のホープで男女問わず人気者だったのだ、それが今はどうか、お淑やかなお姫様に見えるのだ。
「秋枝ちゃん見た目にだまされるなよ、中身は琴音だ」
「半分くらい変わっていない」
「って事は半分は違うんですか霧島先輩」
「……いいや7割琴音で3割はリリアナって感じだな」
「………何よ! その変な割合は!!!」
懐かしい級友との会話を楽しむ娘をみる親と、これが転生者と300年前を知る者同士の会話かと驚いているウィルシュタイン家の者達である。
「リリアナお客様のご紹介が先でしょ」
「あぁそうでした申し訳在りませんお母様、じゃウィステリア組に紹介するわね、拓馬の今のご両親で、ボイド・ウィルシュタイン伯爵と奥方様のエリーゼ・ウィルシュタイン婦人、そのお隣にいらっしゃるのがご長男で騎士団所属のラルク様と拓馬の妹で今は学園に在籍中のメアリー嬢よ」
「どうも始めまして、拓馬、あぁ~いや今はルイス・ウィルシュタインだったか、300年前の同級生だった浅井賢吾です」
「同じく霧島廉」
「雪華の妹の秋枝です、水原先輩には大変お世話になっておりました」
「お世話? えっと、それは300年前にと言うことですか?」
「はい、私300年前はチアリーディングっていうスポーツをしていまして、その時の怪我など先輩やお父さんの水原先生に診て貰った事が合ったんです」
「ルイスと水原先生?」
「ルイスは医者の家系でしたからね、水原拓馬っていうのが彼の300年前の名前です、そして水原整形外科医院の次男で、父親と同じ整形外科医だったんです、それにルイスとその父親はスポーツ専門の整形外科医だったので、うちの学校の生徒はほぼ全員が水原先生に診て貰っていましたよ」
「本当に300年前に医者をしていたんですね、ルイスは……」
「えぇ私の兄は総合的な外科医ですが水原先輩の整形外科医としての腕は一流に近いとよく言っていました」
「秋枝様のお兄様も医者なのですか?」
「えぇうちは父が内科医で兄が外科医です」
「ではお爺さまは?」
「祖父は剣術の師範、つまりプロの剣道の先生をしています。本当は祖父も父が継いでくれたらって思っていたようですが、父は剣道は苦手だからと医学の道に進んだんです、まぁ変わりに末の弟が祖父の跡を継ぐって言っていたので祖父は喜んでいました」
矢継ぎ早にウィルシュタイン家の伯爵と奥方そして兄が質問をしてきた為、答えてしまったウィステリア組である、ただ妹というメアリーは何も質問してこない。
「でぇその拓馬はまだか?」
「手紙は昨日渡してあるんだけどね、まだみたい」
「そうか、じゃ待つか」
「では立ち話はこの辺で、お茶をご用意いたしましょう、ルイス君が到着するまでみなごゆっくりなさって」
そう促したのはベルフィント伯爵婦人であるマリエッタである、リリアナは級友達を席に着かせる。
席についてウィステリア組、特にスキルマスター達はこのウィルッシュタイン家を観察していた、雪華から聞いていた通りの人物であると再認識した、騎士家の拘りが強い父親と兄、そしてそんな二人から色々言われる次兄を見て育った妹は父親の言うことを聞かない嫌な兄と認識している。
そして母親だけは拓馬の味方である。これでは拓馬が息苦しいだろうと容易に想像が付く、特に雪華は同様の生活をしてきたのだから。
「私たちはルイスが転生者とは知らずに今まで生きてきました。それが突然あの晩餐会が終わってから初めて知ったのです、驚きました、まさかうちの息子が先王陛下と同じとは思っていませんでしたので」
「あぁ~~、まぁ普通はそうでしょうね」
「俺たちもまさか転生者がいるなんて思っていませんでしたから」
「雪華が琴音、じゃないリリアナ嬢の事に気づいて、リリアナ嬢から拓馬、じゃないルイスの事を聞いて初めて俺たちも転生者がいることに気づいたんですから」
「雪華が気づかなければ会えない所でした」
「冗談でしょう! 私から会いに行ったわよ!! それにルイスだって、ルイスの方が初めからウィステリアに行く気満々だったんだから」
「えっルイスが? 本当なんですかリリアナ嬢」
「えぇ、記憶が戻ってからはここの学問の稚拙さに飽き飽きしていたのも合ったでしょうけど、ウィステリア領がどんな所かも歴史で知っていましたから、記憶が戻ってからは直ぐにでも行きたいと言ってました、あそこなら自由ですし、私は直ぐには無理だけど後で追いかけるって言いました」
「えっ、リリアナお前も初めからウィステリアに行く気だったのか?」
「もちろんです! ここの王都大学の講義はつまらないものです、だから男はいいなって思っていました、昔だったら自由に移動できたのに……って」
「昔というのは、300年前の事か?」
「そうですよ、300年前は男も女も関係ありませんでした」
「まぁ、多少の差別は合ったけど、ここほどではないですよねぇ~」
「そうなのよ秋枝ちゃん、分かってくれる!」
「事実の程は分かりませんけど、雪姉ぇから聞いてゾッとしましたよ琴音先輩、よく耐えてますね」
「いい子だねぇ~あんたは……」
最後に言った琴音の言葉に秋枝はウィステリア組は苦笑した、思い出したのだ、300年前の琴音の言葉や行動を……
「何よ!」
「いや、お前よく動いてたもんな」
「そうそう、まるで回遊魚」
「うるさい! 活発な女と言え!」
「ははは、そうそう、そういうの聞くとやっぱり琴音先輩って感じですね」
ウィステリア組とリリアナ嬢の掛け合いを聞きながらウィルシュタイン伯爵は気になっていたことを聞いた。
「あの、スキルマスターのお二人にお尋ねします」
「はい、何でしょう?」
「その息子は、ルイスは300年前はどんな子だったのでしょうか?」
「……どんな子?」
「う~~ん、そうだな明るい奴」
「成績も優秀で、そこのリリアナ嬢と順位を争っていたかな」
「明るい……のですか?」
「えぇ、明るいですよ、冗談もよく言っていましたし」
「人気者だったよねぇ~拓馬も」
「生物ではリリアナと物理や化学なんかでは雪華と討論もしていたよな」
「負けてなかったよねぇ~トップスリーと」
「ある意味負けず嫌いって所合ったよな」
「だな、でも仲は良かった」
「先輩達のクラスは別格以上に仲が良いクラスだったって先生達が自慢してましたよ」
「そうなの?」
「えぇ、初代はスゴすぎる、抜ける奴は誰も出ないだろうって」
「そんな事言われてたんだ、うちらのクラス……」
「そうだ、アイツ生物部に入っていたんだよな、医者の土台かねあれ?」
「そうそう本当なら生物学専門の琴音が入りそうだと思ったに、当人は陸上部、医者を目指す拓馬は生物部に入っていたな」
「何を研究していたんだ?」
「あぁ~部活では微生物を見てたっけ? でも拓馬ってさ前期生の時から短期周期でクラブをあちこち入ったり出たりしてなかった?」
「あぁ~そう言えばしてたな、何でだ?」
「それ俺聞いたことあるわ」
「そうなの? うんスポーツ専門の整形外科を目指すから全てのスポーツに携わってみたいって、職員室に許可を貰いに行ったって聞いた」
「うそぉ~~マジ?」
「うん、だからスポーツ専門でも一流って春樹さんが太鼓判押していたんだよ、ある程度の学校の部活ほぼ制覇してたと思うけど、それでも最後は生物部に落ち着いたよな」
「なるほど、アイツらしい……」
両伯爵家とウィステリア組が話をしている時、ちょうどルイスこと水原拓馬がベルフィント伯爵家に到着した、門番に入れて貰い、なにやら荷物を運んでいる一団を見つけて声を掛けた、するとリリアナ嬢の荷物だと言った為、大きな溜息を付いていた。
屋敷から執事が出てきて皆が集まる部屋に案内された。そこに集まる皆を見て、最初にベルフィント伯爵に挨拶をした後、ウィステリア組を見て声を掛けてきた。
「……迎えにきたのはおまえ達か?」
「あぁ雪華は忙しいからな、俺らで迎えに行けって言われた」
「っかお前300年ぶりの級友に対して挨拶なしか?」
「あぁ~すまん、後でたっぷりする、今は……その前にこっちが先だ」
そう言った拓馬は家族の方に向かって大きな溜息を付き、こう言ったのだ『何でここにいる?』と、この言葉を聞いたウィステリア組、特にクラスメートは拓馬の様子が変であることに気づいた。
「なぜって、お前がウィステリアに行くというので見送りにだなぁ~」
「別に見送りなんかいらない」
「そうはいかない、仮にも伯爵家の次男だ、ウィステリア領は多種族共生の地、何かあっては……」
「そんなの心配無用だ、逆に父上達が雪華を怒らせる様な事をしないか、心配なんだが」
「ルイス、父上に向かって……そのような」
「……兄上が父上達をお守り下さればいいのです、俺はウィステリアで医者になります、そして王都には二度と戻らない」
「戻らないって……お前……」
「……お父様、お兄さま、この方がここまで仰るのでしたらご自由になされば宜しいのです、私たちには関係がないと仰りたいようですから」
「メアリー!!」
「あぁ、そうだなメアリーの言うとおりだよ、俺は騎士にはならない、お前が認めるのは祖父や父上の様な騎士だけだからなメアリー」
ウィルシュタイン家の会話を聞いていたウィステリア組、特に同級生二人はこの拓馬の変わりように驚いていた。
「これが今の拓馬か?」
「変わったなぁ~」
「色々あるのよ、拓馬の家も、この話は後の方が良いわよ」
「分かった、そうする」
元クラスメート3人がヒソヒソと話している間だに、拓馬の方は母親からの質問がきた。
「ねぇルイス、手紙をくれない?」
「手紙?」
「そう、あなたが元気かどうか、私は知りたいのです、ウィステリア領には行ったことがありません、多種族共生と言われる所です、危険もあるかも知れませんし、その心配で……」
「大丈夫ですよ母上、俺は冒険者です多種族とも一緒に討伐に行くこともあるので慣れています、ですが手紙なら書けるとき送ります」
「約束ですよ」
「はい、母上」
母親に対してだけは丁寧だという印象を元クラスメートは感じた。これはやはり雪華の言うとおり母親だけは拓馬の味方であるという証拠かと思った。
「あぁ~それとリリアナ!」
「何?」
「外の大荷物あれ持って行く気か?」
「あぁ~やっぱり無理よね」
「無理に決まっているだろう、藤華の寮にあれは入らん、お前は思い出しているんだったら寮の部屋も知っているだろう」
「うん、まぁ~ねぇ~、だから最小限でって言ったんだけど……」
「お前が決め直せ、侍女に任せても向こうのことは知らないだろうが」
「あぁ~分かった見直してくるわ」
そう言って慌てて出て行く娘を眼で追いながらベルフィント伯爵はルイスに理由を聞いていた。
「300年前のままの藤華大学なら学生しか生活できないからです宰相様」
「っと言うことは侍女もダメという理由もそれか?」
「藤華は貴族のための学校じゃありませんから、侍女は不必要です。自分の事は自分でする、それが藤華の方針です、だよな廉、兼吾」
「あぁそうだ、それは変わってねぇ~、藤華は俺たちが知っていて、俺たちが通っていた大学だ、校則も全て変わっていないぜ」
「琴音もそれは知っているから、それに自分の事は自分で出来るだろうさ、記憶戻っているんだったら」
「まぁ俺もリリアナも全てを思い出している訳じゃねぇがな。それでも最低限は思い出しているよ」
「全てじゃないんだ」
「細かい所までは思い出せてねぇよ」
拓馬の言葉を聞いて兼吾と廉が顔を見合わせて、拓馬に質問した。
「お前野球部に入部していたよな、一時的に」
「あぁ思い出している」
「あのときお前が雪華の事をなんて言ったか覚えているか?」
「雪華のこと……」
「そう、お前アイツのバッティングと投球見て言った言葉だ」
「…………俺が言った……なんて言った?」
「……思い出してねぇのかよ」
「お前、雪華のバッティングと投球見て計測とか色々検証して最後に言った言葉だぞ」
「………最後に言った言葉………」
兼吾と廉に言われた言葉を反芻しながら思い出そうとする拓馬、少し長い時間を要して漸く思い出したようだ。
「あっ……化け物、変人……」
「そうだ、そう言ったんだ、よく思い出した」
「お前公爵に対してそのような事を言ったのか!」
「300年も前の話だ、貴族なんてものは存在しない、っというか思い出したわ、事実上プロからも驚かれていたからな、あれば化け物級だって」
「うんうん、俺も同意見だ、女子が150キロの球は普通投げない」
「最高160キロ出してたけどなぁ、アイツ」
「嘘!! マジ?」
「あぁ俺が計測した、しっかり数値に出ていた」
「160なんてプロでも滅多に出せないぜ、肩壊すっての」
「お前さぁ~雪華の肩診た事ねぇの?」
「あぁあるな、アイツ見た目は女性らしいけど、筋肉しっかり付いていた、それでもどこから出るんだって不思議には思ったけどねあの腕力」
「あるんですか?? 水原先輩!!」
「……えっと秋枝ちゃん?」
「はい秋枝です、ご無沙汰しています、今日は雪姉ぇの名代で迎えにきました」
「あぁそうなんだ」
「でぇ水原先輩、雪姉ぇの肩、裸みた?」
「まぁ~一応医者の卵だったからな、アイツもその変の区別は出来てた」
「見たのかよ!! お前!」
「そりゃ野球してたらどこかしらの故障は出るだろう、でもアイツ故障らしい故障ってあまり無かったぜ、シニアにいた頃からな」
「いいや、問題はそこじゃねぇ~、お前が雪華の裸を見たって事はだな、あの野球部だろう、和宮聡と穂高篤が居たよな! アイツ等にもそれ言ったのか?」
「あの二人も知っているぜ、それに俺が診たのは大学時代だが、あの二人は別の大学に行っただろうがぁ~」
「……知ってんのかよ!!」
「アイツ等何とも思わなかったのかなぁ~?」
「あぁ~~それか、二人とも気にはしてたみたいだけどな、でも当の本人である雪華は医者に見せるのに恥ずかしいも何もあるかって二人に言ってたぜ」
「………雪華って、そういう所最強だよなぁ~」
「まぁ~アイツを襲う奴は逆襲に合うだけだからなぁ」
「やめてくれ、めんどくさい事思い出した」
「何だ、めんどくさいことって」
「雪華に手を出した奴ら全員、病院送りだった」
「うそぉ!」
「マジ??」
「学校でそんな話出なかったけど」
「出ないように学校も隠していたからな、でも非は全部相手にあった、警察もそれをよく知っているから公にはならなかったがな」
「相手はどんな人達だったの、水原先輩!!」
「あぁ~~殆どが不良とヤクザだな、後は外国人もいたから……」
「マフィアか!!」
「たぶんなぁ~」
「……アイツどんだけ敵が多いんだよぉ~~」
「あのぉ~~政治家とかは居ませんでした?」
「政治家は直接手を汚さないからなぁ、おおかた暴力団関係に手を回すって場合が多いんじゃないか?」
「じゃ、雪姉ぇ300年前からそういうのと戦ってきてたんだ」
「為政者はこっちでも変わらねぇよ」
「変わらないの?」
「あぁ政治家が貴族に変わっただけだ、それを考えると雪華も用心しているはずだ」
「そうかぁ~」
ウィステリア組と自分の息子の会話を聞いていた、この世界の親達は貴族もいない魔法もない世界とは一体どんな世界なのかと不思議に思ったのだった。
稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。
ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。