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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第4章 ウィステリア領帰郷と7人目のスキルマスター編
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99話 ボードゲームと藤華の話

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 漸く部屋から出てきた雪華と、魔族や悪魔、神族との関係性についてピートから色々な事を聞いた。


「じゃイルレイア大陸の、『パンダの館』は大丈夫って事ね、サスレイア大陸の『白亜の城』は?あれはうちのメンバーよね?」

「あぁドラゴイドだったジェノだな、現世では確かギリス人の男性だったはずだ」

「そういやぁジェノってチェスが好きだったよな?」

「そうそう、俺対戦して負けたことがある」

「えっ兼吾負けたの?」

「そういやプロ級の腕を持っているとか何とか言ってたな」

「そう言えば昔、父さんとやったこと合ったわね?」

「あぁ覚えていたか雪華、私は将棋よりもチェスが好きだったがね、お爺ちゃんは将棋が好きだったから相手にはなれなかったが、お前は両方できたよな」

「えっ! マジ 雪華お前将棋もチェスも出来るのか?」

「まぁ~一応囲碁も嗜む程度だけど、あれって結構頭使うのよ、チェスは国際的に有名な競技会合ったはよね」

「チェスオリンピヤードだな」

「あぁそうそう、ジェノはそれにも出た事が合ったって言ってたな、なんだっけ……称号は……」

「インターナショナルマスター (IM)だ、その競技会を一度見たことがあった、そこにジェノがいた、直接会ったのはその時だった、確か名前はジェラール・スミスだ」

「よく会えたわね、ピート?」

「ゲーム内でチェスの話をしていた時に、たまたま大会会場の近くに行く用事があったんだ、その時に会おうって言われてな」

「……会ったんだ……」

「あぁ大会の話が中心だったけどな、ただ迷宮づくりにチェスの駒を使った理由を聞いたら、好きだからだって答えていた」

「なるほどぉ~それは月宮と同じよねぇ~、軍人将棋の駒だし」

「あれ、将棋と軍人将棋って違うものじゃなかったのか?姉貴」

「違うわよ、駒も違うしルールもちょっと違うわね、軍人将棋は陣地取りで、将棋は王を取られ無いようにするゲームだから、ただ駒の形は将棋の駒と同じ形なのよ、但し駒の名前は違うけどね、将棋好きなら軍人将棋も出来るわよ」

「姉貴のボードゲームの先生って、お爺ちゃんから将棋、父さんからチェス、月宮さんから軍人将棋って感じなのか?」

「ん~まぁ、そんなもんかな、でも三人にはあまり勝てた試しはないわね、何でかな三人とも強いからねぇ」

「そうだな、お爺ちゃんはアマチュア将棋の優勝者だからな、月宮さんも将棋のアマチュア界では上位に居たはずだよ」

「えっそうなの?」

「はは、そのような大旦那様にはかないません、正直軍人将棋が廃れて将棋が主流になっていましたから、逆に軍人将棋を知るの者方が少なかったのです、なので将棋をメインにしていただけです」

「でも将棋を知って入れは軍人将棋は割とやりやすいのも確かよね」

「えぇ雪華様の仰るとおりです、将棋は何の駒か分かりますが、軍人将棋は相手の駒は全く分かりませんからね」

「分からないのか?」

「えぇ大昔は対戦者の間に見えないようボードが立てられて、審判が居て対戦するボードゲームでした、ネットが盛んになってからは簡単に見えないように出来ますので、軍人将棋のサイトはありましたが、やはり人口的には将棋に負けてしまいます」

「そうね、将棋をする人の方が圧倒的に多いのは確かよね、でも軍人将棋の方が面白かったけどね、私は」


 ボードゲームの話に夢中になって迷宮の話はどこへやらっという感じではあるが、ある意味これも大事だった。


「このゲームボードの知識を学校で教えられれば、『スポーツジム』の迷宮攻略に役に立つのになぁ~」

「そうだな、この世界娯楽が少ない」

「ウィステリア領は、元神崎領にほぼ近いので、だいぶ浸透してきているようです」

「そうなの?」

「はい、藤華の学生だけではなく冒険者予備校や冒険者や家庭内でもゲームボードをする者が少しずつ増えております」

「ギルマスが遊んでいるのを見て真似ている者も多いわね」

「秋枝はそれを見たことあるんですか?」

「えぇ休日に暇なお年寄りが家の前でやっているんを見た事あるわよ。お爺ちゃんたちからしたら、まだまだ初歩って言われる程度だと思うけど……」

「へぇ~そうなんだ」


 それを聞いて雪華は在ることを思いついた、そしてそれを実行しようと思ったのだ。さらに察した天神将メンバーは雪華を睨みつけた。


「おい雪華、お前何を考えている!」

「そうだぞ、その怪しげな顔は悪巧み考えている顔だ!」

「酷いわね!」

「姉貴が悪巧みを考える時ってこんな表情をするんですか先輩?」

「まぁ~クラスでも似たような事が合ったしなぁ」

「私をなんだと思ってんのよ! 藤華でみんなが不利益になることなんてしてないわよ!」

「まぁ~確かにないとは思うけど、巻き込まれることは多かった!」

「何、その、巻き込まれるって!」

「クラスの出し物なんかで良い案だとはみんなも納得したが、その過程が……」

「その過程が?」

「地獄過程だった」

「そうそう、めんどくさい事が多い、計算地獄、複雑な設計図とかな、地味に長い実験とか……」

「それでも評価されたでしょ!!」

「まぁ~確かにBクラスには毎回勝てたけどね!」

「はははっ……、なるほど理解した」

「どういう事よ夏椰?」

「Sクラスって、時々AクラスとBクラスで対抗戦をしてたんだよ、同じSクラスだからね、ほら成績の結果でクラス落ちってが在るくらいだから……」

「まさかクラス毎で成績競ってクラス落ちってあるの?」

「あぁ~それはAクラスだけはあるけど……、それとは別に実験棟の使用時間とかを競っていたりもするわけで……」

「……実験棟って……あの実験棟かぁ~私たち一般クラスは使用できない棟だわね」

「どう言うことだ秋枝、藤華は実験棟の使用に差別があるのか?」

「いやぁ差別っていうよりも、実験内容が違いすぎるのよ、私たち一般進学クラスとSクラスじゃね、普通の科学や物理などの実験なら、春兄ぃ達の学校の科学室とかと変わりはないと思うんだけど、Sクラスが使う実験棟っていうのは、大学以上の設備が整っているのよ」

「大学以上の設備?」

「そう1年生の夏休み前にはその実験棟の見学会があるんだけど、『Sクラスを目指す者はこの実験棟を使う権利を有する』みたいな説明をされてね、正直プロの科学者が使うような設備が詰まった科学棟だったわね」

「学園祭でさ、Sクラスの実験棟が解放されて、一般の人も見ることが出来るんだけど、ガラス越しとか危険のない場所からって感じだっただろう? 俺たちSクラスは、あの実験棟で大学や実際の有名な科学者から講義を受けることもあったから、ないと不便なほど困るんだよ」


 有名な科学者達からの講義を受けることができる実験棟って一体どんな実験なんかをしていたんだと藤華組ではない兄姉や祖父母と父は思った。


「えっとちょっと聞くけど、どんな実験?」

「いろいろだよ、基本大学で出来る実験は全部できたよね」

「そうだぁ~できたな、化学実験も結構やったし物理実験や観測なんかは重力試験と落下速度の実験とか、分子や粒子の実験とか核反応実験も合ったよな」

「核反応実験!!」

「高校生がするような実験じゃないぞ!」

「ん~でもSクラスではまぁ普通だったからねぇ~」

「普通の一般の科学や物理なんかは1年生で全部殆ど終えてたね、2年でほぼ全部終わった感じかな、3年生で高校の2年程度を修了してた。4年生で大学実験だったよね」

「そっからはもう自主的実験に切り替わって自分で研究テーマ決めてやってた感じだな、但しルールがあった」

「ルール?」

「当然危険が付き物だから、グループを作って実験することってそして必ず教員を付けること、実験結果はレポート提出をする事、だったかな?」

「クラスで統一テーマなんて無理なのは分かっているからみんなのテーマをグループ毎に助け合って一緒にするってのが、俺たちの時代のAクラスだったな」

「テーマと統一するのが無理だったのか?」

「俺たちのクラスって結構、我が儘も多いし唯我独尊も居るしね、実験したい事が多く在りすぎたって事なんですよ」

「そうそうだから期間を区切ってグループ毎に実験して報告会をして情報共有して質疑応答に答えて……みたいな事多かったな」

「あった、あった。分からないことが出てきたら、再度考察して実験しての繰り返しもしてたよね、それも合って実験棟の使用時間が多く必要で絶対にBクラスよりも多く時間をとるって頑張ったのよね」

「その反対にBクラスはクラスで協議してテーマを一つに絞ってクラス単位で実験してたね」

「でもそんなグループが複数あったら教員も複数居るんじゃ無いのか?」

「そこは大学教授や科学者が手を貸してくれたわよ、勿論交渉も生徒で行って了承を得てしていたわね」

「了承を得るためにクラス全員で試験もされたしね」

「だなぁ~さすがにプロの科学者と思うような難しい問題もあったな、試験は全員が受けて及第点を取らないと協力しないって条件だった、一発合格したけどね」

「俺たちの場合唯一クラスで統一のテーマは、何と言っても天体観測だったな、長期休みを使って天文台に行っていた」

「そう言えばそうねぇ、雪華はいつも天文台に行った後甲子園に行くか、その後メルリアに行っていたわねぇ」

「実験棟は夏休みも使えたので、天体観測後に教授の都合などが合えばグループで実験してたわよね」

「なんだか藤華のSAクラスはずっと実験やら勉強やらをしている様に見えるが、ちゃんと遊んでいたのか?」

「ん~~遊びかぁ~適度にはやってたような気がするなぁ~」

「まぁ~実験が遊びって奴が多かったのは事実ですよ春樹さん」

「そうだね、ちゃんと部活にも参加していたからね」

「部活は強制だったからなぁ~あの学校」

「藤華のSクラスは一般科とは時間割もちょっと違うし8時間目が、外部から教育学部の大学生が、本来の一学年上の授業をしてくれていたからねぇ」

「つまりそれは?」

「後期生4年生の時には5年生の勉強をしていたって事ですよ」

「当時の世間ではというかあの国では飛び級なんて存在してなかったでしょ、だからその変わりに放課後にプロではなくて将来教員を目指す大学生が俺たちを教えていたんです」

「だからボランティア授業ね、彼らにとっては一応教育実習前の予備練習となるから丁度良いって、利害関係が一致してSクラスは8時間目が合ったのよ」

「じゃその8時間目が終わってから部活に行っていたって事か?」

「そういう事、学校自体が勉強だけではダメって事で部活は強制だったのよ、だから将棋部なんかにもプロの棋士が通っていたりしたし、芸術科には俳優とかも、音楽家のプロを目指す者もいたわね」

「しっかりプロ活動している者もいたな、それでもちゃんと学業両立して卒業している、当然授業量は変わらないから補習とかで便宜は図ってくれる学校だったから、彼らも通いやすかったんじゃないかな」

「そうよね芸術科の音楽部の子はコンクールにでるため海外に行くこともあったから春休みなんかに補習を受けていたわよね」


 Sクラスのことや藤華の事は知っていたつもりでいた祖父母と父親、そして神崎の使用人たち、ここで藤華の事実を知って開いた口が塞がらなかった、だが実際現在もその状況は変わらずウィステリア領では存在し運営されている、但し入学人数は圧倒的に少ない。


「ねぇ~これで分かったでしょ、私がSクラスを目指さなかった理由が、あんなクラスにいったら遊べないわ、それどころか授業に付いていけなくなる、だからよく思ったものよ、よく夏椰ついて行けているわねって」

「えぇ~面白かったですよ秋枝」

「それはもう実験バカに勉強バカって言うのよ!!!雪姉ぇ!!」

「そんなぁ~~酷い言い方ですねぇ~」

「いやいや酷くは無いわよ、うちら一般科からみたら『変人の集まり』って言ってたから」

「変人の集まりって酷くない?秋姉ぇ!」

「だったあんたの教科書見て呆れたもん、内のクラス全員が開いた口塞がらないって言ってたわよ」

「夏椰、秋枝に教科書を見せたの?」

「あぁ~そうだな合ったかなそんなの?」

「クラブにSAクラスの子がいるクラスメートがいたのよ、その子も同じ感想を持ってたわよ、物理の教科書とか英語の教科書見て『わけわからん』って言ってた」

「そんなに難しいのか?」

「一般科の英語の教科書って他の学校の教科書と変わらないけれど、Sクラスの教科書は英語で書かれていて英語で答えるのよ」

「……普通じゃないのか」

「そうじゃなくて質問も問題も英語で書かれているの、日本語が一切無い!」

「……マジで?」

「マジよ! 私たち一般科は試験の時だけ英語の問題で英語で答えるんだけど、雪姉ぇや夏椰達のテストは英語の問題文で英語で書くの、リスニングやリーディングは全て英語だけど内容は歴史問題から社会情勢まで幅広く、私たち一般科は教科書からかこの新聞からですって言われて範囲が決まっているのよ、でもあっちは範囲が決まってないの、それだけじゃないわよ思い出してよ! 私たち一般科は日本語O.K.だったけど、Sクラスは日常的に英語のみの日本語禁止のクラスだったのよ!!」

「………高度すぎるなぁ~Sクラスって………」

「……オレの時代に藤華がなくてよかった……」

「何で?」

「夏椰……俺一応これでもクラスでトップ成績だったからな、もし藤華が合ったら推薦されてた」

「可能性は大いにあったかも知れませんね春兄ぃは」

「でも藤華って初等科からでしょ?」

「春姉ぇ、初等科ができたのはもう少し後よ、雪姉ぇが入学したのは中等科からで、確か1期生だったわよね?」

「えぇ、私達が入学したのは新設だったわね、でも入学試験は小学校レベルじゃ無かった気がするけど……」

「あぁ~確かに算数なんて数1に毛が生えた様な問題が合ったよね」

「そうそう、私雪姉ぇが作った問題を受験前に解いたんだけど、ダメだし喰らったわ」

「あの問題確か藤ノ宮小学校の教科書レベルで作ったんだけど」

「90点はあったのよ、なのに合格できませんよって言われたのよ、覚えている??」

「だって無理ですからねあの程度で90点なんて、せめて95点以上は取って貰わないと」

「あははは、秋枝ちゃん過去問とかしたの?」

「しましたよ! 何なのあの試験問題、本当に小学校レベルとは思わなかったですよ」

「あれで100点取ったら問題なかったけどね、でもまぁ一応合格してちゃんと卒業しているから良いんじゃない?」

「藤華対策の為の塾に行ってなかったら絶対に受からなかったわ」

「うんうんそうだよね、俺たちも行ったよ、その塾」

「行かなかったのは雪華だけじゃなかったか?」

「そうそう、確かにそうだ!」

「おまえよく合格したよな」

「子供の頃は本が友達たっだからねぇ~、野球が無いときは図書館の本を片っ端から読んでたし、父さんの医学書も絵本代わりだった気がする」

「………普通医学書を絵本代わりにするか?」

「コイツだけだよ、そんな事するの」

「まぁ~雪姉ぇの部屋無かったからね、父さんの書斎が部屋だったから医学書だけしかないもんね」

「もうぉ~~春兄ぃも秋姉ぇも、そんな昔話しなくて良いよ!! 少しは雪姉ぇの事考えて話してよ!」

「あっ……」

「……ごめん」

「いいよ別に、もう子供じゃないからね」


 そんな事を言った雪華だが笑ってはいなかった、少し目を細めていただけだった、思い出したくない昔の記憶であり心が痛む話だったのだ。言った家族は少し後悔した。雪華にとっては辛い時期だったからだ。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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