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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第4章 ウィステリア領帰郷と7人目のスキルマスター編
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93話 LVアップと冒険者ギルド

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 雪華たちが魔核から出て第三門の結界の状況を再確認し、付近に湧き出たランク3の魔物を始末して第二門に戻ってきた。


「姉貴!」

「よぉ~ピート」

「帰ってきたか」

「お館様!」

「ただいまぁ~~」


 それぞれがそれぞれの答えを返してきた、二人はある意味溜息混じりに戻ってきたのだった。


「どうしたんだ?珍しいな雪華が溜息なんて」

「あぁ~~悪魔に乗っ取られてキメラになった魔物が出ていてねランク8だったわ」

「ランク8!! そんなのいたのか?」

「でぇ倒したんだろうな!」

「当然だ、二人で取りあえず倒したけど……」

「じゃさっきのメガフレアはお前か!! ピート!」

「違げぇ~よ! あれは雪華だ! それにメガフレアじゃねぇ~、それ以上だ!!」

「えっ……? じゃギガフレア?」

「ギガフレアにしてもデカい気がしたぞ!」

「ギガフレアってラスボスがよく使っていた気がするなぁ~」


 そう言った天神将の霧島廉がピートに言った、それを聞いたピートは雪華を睨みつけ、その雪華は舌を出して誤魔化していた。


「………直接攻撃して倒したのは雪華だよ!」

「雪華? あのギガフレアは雪華なのか?」

「最初は人語を話す魔物だったから魂を探ってくれって頼んだのに、こいつ魂に触れてそのまま消滅させた、ついでに残った死骸をそのままにしておけないからって、その場でデカいギガフレア擬きを討ち放ったんだよ、マジで止めたぞ俺は、あれを普通に放ったらこの惑星崩壊していたからな」

「魂を消滅!?」

「ギガフレアを放つと惑星崩壊って……」

「おい、ピート擬きって何だ、意味不明な単語が並んだんだぞ?」

「俺も不明だ、雪華が言うにはヤツの魂は悪魔だったから、妖怪退治と対して変わらんとかホザいていた」

「妖怪退治……」

「だって妖力感じたし、私を狙ってくる妖怪と同じ気配だったからね、だから術で魂を壊したのよ」

「でも死骸にギガフレアは過剰じゃないのか?」

「元悪魔が憑依していたからね、放置したらまた悪用されかねないから消し炭がいいと思ったのよ」

「いやいやいや、あのデカさ普通じゃなかったぞ!」

「そりゃ普通じゃねぇ、俺から見ても、あれは現実の太陽フレア以上だったからな」

「「「「現実の太陽フレア以上!!!」」」


 ピートの言葉でその場にいるスキルマスター全員が驚き声を上げて雪華を見た。


「はははぁ~、最大級のつもりだったんだけど、その上もあったのね」

「あったのねぇ~~って姉貴!!!」

「っかそんなの、メガフレアやギガフレアの威力じゃねぇ~よ」

「いやいやそれ以前に、ギガフレアの上ってあったのかよ! 太陽フレア以上って聞いたことないぞ!!!」

「……少なくともゲームには無かったよねぇ~」

「プレイヤーが使える最高級の火属性っていやぁ~メガフレアだ、魔物がまれにギガフレアを使えるがそれでもラスボスくらいだぞ、何で雪華がそれ以上の火属性が使えるんだよ!」

「よくこの惑星崩壊しなかったな」

「一応結界の中で対応していた様だからな、事なきを得たって感じだ、俺も開いた口が塞がらなかった」

「ピート、お前が呆れるようじゃ、この先色々不味くねぇ」

「ギガフレアの上って……太陽フレア以上って何だよ、何て名付けるんだ??」

「俺から見てもあれは太陽をそのまま叩きつけたって感じに見えたぜ、エネルギーが半端ねぇ~、あんなの喰らったら地下に隠れても無意味だな」

「他のゲームではテラフレアってのがあったな、それは地下に潜っても通用せず破壊をしていた筈だ、それと同じか?」

「テラって言えばメガの上位か……なるほど」

「そこで納得しないでくださいよ先輩達、こんな魔法使える事が世間に知られたらある意味不味いですって!!」

「……確かに、夏椰の言う通りだな」

「だな、不味い!!」

「雪華、その魔法封印しろ!!」

「えぇぇ~~」

「まぁこいつの監視は必要だな、それはこっちで対処する事にする」


 天神将と夏椰達が話すのを聞いていた小花衣と篠崎は開いた口が塞がらず、話に入ることが出来なかった。


「取りあえず、このまま狩った魔物を冒険者ギルドで換金してそれぞれの資金にしよう、そしてピートの冒険者登録をすませようよ」

「……おまえ……」

「まぁ仕方ない、そうするか」

「小花衣は暫くここの監督として残りなさい!」

「私はお館様の執事です! 共に参ります」

「ダメよ、月宮にお灸を据えてから、ここの監督を誰にするかを決めるまであなたが此処にいなさい。スキルマスターがいないとランク3は対処出来ないでしょ、篠崎は屋敷に戻りなさい、手負いなんだし対処できないでしょ」

「しかし……」

「命令よ、従いなさい」


 雪華の威圧に負けそうになりながらも命令に従うことにした。一行はそれぞれの馬車に乗り目的地に向かった。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 元榊島と言う『火龍の島』を出て途中で篠崎たち怪我人の術者を乗せた馬車が領主家へと進路を変え、雪華一行のスキルマスターは冒険者ギルドに向かった。

 当然中には天神将ギルドのメンバー4人と元情報武術団ギルドの団長だった夏椰が乗っていた。当然島の話が話題に出てあれこれと話し合われ、ステータスを少しイジられている事もこのメンバーにならとピートが話した。


「マジか……」

「らしいわよぉ~、私もLVあがってるもん」

「俺、限界突破の可能性があるって事??」

「あくまでも個人差だけど、お前は神崎家直系の血筋で雪華と同じスキルマスターだし、それに子供の頃は見えていたんだろう?」

「えっと……見えていたっていうのは妖怪とか?」

「そう」

「小学校の頃までだったけど、高学年になると段々見えなくなってましたよ」

「神崎家の直系は始祖の直系でもあるからな、完全には消えることは無い、精々力が薄まる、弱まる程度だ、でもお前はゲーム内でスキルマスターにまでなっている、だから上は素質ありと見込んで廉と兼吾と同じように耐えられるようにされているはずだ」

「マジで……」

「あぁ、神崎家の直系筋で雪華の弟だから神界はお前を守ったけど、少なくともスキルマスターでいることは出来なかっただろうよ。でも現状スキルマスターの力を持っている、ということは廉達と同じだと思うぜ」

「じゃ他のスキルマスターたちは?」

「神崎家の使用人はただの使用人だ、始祖の血族ではないが雪華の為に守ったってだけだろう、もしレベルがアップ出来たとしても限界突破は出来ん、出来る可能性があるのは夏椰だけだろうな」

「じゃ冒険者は一応限界値まで上げられる可能性はあるって事か?」

「一応建前ではあるけど、限界値に到達できるだけの体にはなれないだろうな、喩え目指したとしても体の崩壊を招くだけだろう」

「体の崩壊?」

「簡単に言えば魔素過壊病だ」


 ピートの言葉を聞いて思い出した、魔素過病がどんなものか、こっちで目覚めて始めてみた病である、そしてその結末は体の崩壊だった。多くの魔素を取り込んだ事により体が持たなかったのだ。


「魔素過壊病……」

「魔素を多く取り込んでしまってなる病気だったな」

「次元移動のきっかけになった元凶魔王を作り出したヤツか」

「スキルマスターや限界突破って言う意味はお前達なら解るだろう、魔法を使うときの魔素量を考えても見ろ」

「あぁ~~なるほど、そう言う意味か」

「使用する魔法の魔素量って種類によっては多いからな」

「その量を維持できると思うか? 普通の人間が……」

「……無理だね」

「もし出来てしまったら、次元移動のきっかけになった魔王になって精神を病むって事だ、当時の魔王になったヤツは途中で精神を病んでしまったからな、敵味方関係なく見境もなかった、だから始祖姫が怒ったんだよ」


 ピートの話を色々聞いて想う所が色々ある面々、そしてこの話は此処だけの話で他言無用を言い渡された、話して良いことは雪華の口から出た言葉だけという事を徹底した。そんな話を終えた時冒険者ギルドに到着したのだった。


「へぇ~冒険者ギルドは変わらないんだな」

「……あんた余計なことは言わないでよ」

「えぇだって気になるじゃねかぁ~、細かい所までは手を出してなかったんだから」

「だからって事情を知らない人の前では口を閉ざせ!」


 この二人のやりとりを聞きながら、同じ天神将の二人はなだめることに費やし、夏椰は受付に行ってギルマスに直ぐにでも会わせて欲しいと頼み込んでいた。

 受付嬢はなにやら急ぎの様子であると感じ直ぐに取り次ぎの準備にかかった。暫くしてギルマスの部屋まで案内されたのだ。


「これは領主様にスキルマスター様方、今日は如何なされましたか?」

「早速で悪いんだけど、このバカの冒険者登録の更新をして欲しいのよ」

「こちらは?」

「ピート・ルゥ・パート、もう1人のSLクラスよ」

「ではもう1人の『至高の存在』のお方ですね、初めましてこの冒険者ギルドのギルドマスターをしています松永と申します、よろしくお願いします」

「へぇ~松永さんですか、よろしくお願いします、これ俺の冒険者カードだけど、使えるよな?」

「はい、使用可能でございます、更新手続きをさせて頂きますが宜しいでしょうか?」

「あぁ、そのつもりで 来た」

「では、お預かりいたします、暫くお待ち下さいませ」

「あぁ、その前に少し頼みたいことがあるんだ」

「頼みたいこと?」

「あぁ、更新の前に俺たち天神将のメンバーを追加したい」

「追加、ですか?」

「あぁ、本来天神将ギルドは10人だったが、次元移動で現状俺たち4人だけだ、他のメンバーは恐らく次元移動に耐えられず生きてはいない状態だ」

「やはり、そうでしたか」

「解るのか?」

「はい、少しお待ちいただけますか」


 ギルマスはそう言って、自身の机に向かって引き出しからある物を取り出し戻ってくる、その間にギルド職員がお茶を持って入ってきて皆に配り終えてから再び退出していった。


「実は冒険者ギルドでは一応スキルマスターの迷宮の存在は確認できます、ですが誰がどの迷宮を管理しているか迄は確認がとれません、何故なら迷宮の印だけしか解らないからです」

「迷宮の印……、あぁ~なるほどあれかぁ~」

「そうよ、名前を公表するつもりはないからって理由で迷宮には印で判別することにしたじゃない」

「そうだったな、思い出した、でぇ起動しているかどうかも解るのか?」

「はい、それはこれをご覧下さい、これで迷宮が起動しているかどうかを確認しています、よってスキルマスターがいるのかどうかの確認が出来ます」


 見ると丸い円盤型の石版の様な物に迷宮の印が刻まれており、起動している物は明るく見える、起動していない物は暗くなっているのだ。


「ですが、領主様が現状の冒険者が入れば危険だからと、それぞれの迷宮を起動して封鎖されると言われておりました」

「なるほど正論だな、今の冒険者が入ると死にに行くようなものだ」

「はい、だた迷宮の半分以上は天神将ギルドのメンバーの物です、故に天神将メンバーの誰がいらっしゃるか迄は解りかねるのです」

「そうか、じゃパーティーギルドの登録はどうなっている?」

「それは通常通り、申請があれば規定通りになっております」

「って事は夏椰が団長を務めていた情報武術団のメンバーはいないのか?」

「仰るとおりです、冒険者登録名には死亡と表示されております」

「って事は、300年前までいたパーティーギルドの殆どは死亡と表示されていると言うことか?」


 ゲーム時代もそうだったが、登録されているパーティーギルドのメンバーが死亡あるいは抜けると申請が合った場合は、ギルド登録名簿から自然と死亡または脱退と表示される。ただしゲーム時代の場合は死亡しても再ログインしてパーティーの誰かと話すと自動的に名簿復活となる。しかし現状はそうではない。蘇生魔法が禁術扱いであり、現時代では存在をしていない状況では復活はありえないのだ。


「ピート様の仰るとおりです」

「じゃ私たちのギルドの表示もそうなっているのよね? 確認しているんじゃないの?」

「天神将ギルドは特別なのです」

「特別?」

「はい、天神将ギルドは全員が『レジェンドマスター冒険者』であり、内お二人は『至高の存在』です。おいそれて確認するのは不敬と言われております。故に確認はしておりません」

「えっ、不敬って何でそうなるんだ?」

「先代からの王命なのですよ、それ以降は代々王命で確認をしておりません、それまでのギルドマスターは確認をしていたようですが、これはずっと暗いままだったと伝えられております」

「先代の王命って……事はアイツかぁ~」

「姉貴ぇ~、いくらなんでもアイツはないんじゃない?」

「アイツで十分よ! ふんっ!」


 どうやら300年前の事を思い出して不機嫌になったようだと、ピート以外のスキルマスター全員が思った。


「まぁ~とにかく話は分かった、でぇ取りあえずだな、夏椰のギルドメンバーが居ないとなると、ギルドは成立しないわけだから、夏椰を俺たちのギルドに入れたいと俺は思っているんだが、お前達はどうだ?」

「お待ち下さい、天神将ギルドは特別でございます。『レジェンドマスター』ではない夏椰様には申し訳ないのですが、条件を満たしていないと判断致します」

「その件だが、夏椰は間違いなくそのレジェンドマスターになれる素質があるし、絶対になれると俺と雪華は考えている」

「えっ……あぁ~~そうだねぇ、まぁピートが言うのなら間違いはないか、それに私の弟だしなれるとは思う」

「なるほど、さっきの話はそれ前提だったって事か、ならば俺も認める」

「右に同じ……」

「天神将ギルドの皆様が全員お認めになられる」

「だって夏椰のレベルあがっているしねぇ~」

「えっ、おれもレベル上がっているの?」

「あんた確認していないの、島で魔物だいぶ倒しているでしょ、確認してみなさい」


 雪華に言われて、夏椰は自分のステータスを開いて確認した。LV880だったのに、LV950になっていた。


「………何これ……、上がりすぎじゃねぇ?」

「あぁ~それな、お前高レベルの魔物を討伐したときに稀少アイテムドロップしただろう」

「稀少アイテム?」

「あぁ手に入れることでレベルアップ出来る『賢者の宝玉』の事だよ」

「あぁあのアイテムまだ在るんだ」

「『賢者の宝玉』は天神将メンバーみんなが持ってたからな、強い魔物しか持っていないアイテムだった」

「夏椰がそのアイテムをドロップしたことでレベルアップ出来たんだと思うぜ、きっとそれが要因だよ」

「えぇぇ~~~このアイテムってそういうもんなの??」

「あぁ~そう言えばいたなぁ、そのアイテム持っていた魔物」

「いたんですか! 先輩!!」

「あぁいたな、俺たちは天神将メンバーは限界突破した時には全員それを持っていたぜ」

「あぁ、なるほど、そういう事ですか……、流石天神将ギルドメンバーだ」


 天神将ギルドメンバーと夏椰の話を聞いていたギルドマスターはふと思ったことを口に出して聞いた。


「あの『火龍の島』にはそんな強い魔物が居るのですか?」

「そうなのよ、気になって私初めて行ったんだけどね、魔物ランク8がいたの」

「……つまり魔物LV800台って事ですか?」

「そう、雪華に呼び出されていったら、いきなり魔物LV600を3匹とか、まぁその程度は雑魚に過ぎないんだけど、その後はもう700とかもいたな」

「そうそう、そんなの街に出せないから結界を張ってきたけれど、冒険者レベル向上を目指すなら、LV300台の魔物程度は倒して貰わないとって事で300台迄は結界を通れるようにしてある」

「まぁ3桁レベルの冒険者が出てきたら討伐して貰えるようになるでしょ、それまではこっちで対処するから心配しないで良いわよ」


 とんでもない話を聞いたギルマス松永は目眩がしそうだった。いかに『火龍の島』がウィステリア家の私有地とはいえ、討伐はいつか冒険者が対応することになると、公然と言われた様なものである。今の状況ではとても無理だった。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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