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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第4章 ウィステリア領帰郷と7人目のスキルマスター編
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91話 第二門とワイバーン

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 小花衣達から離れた雪華とピートは走って目的地の第二門を目指していた、途中で出会う魔物は片っ端からぶっ倒して突き進んでいる。

 二人に掛かればたとえLV500越えのランク5の魔物も敵ではない。魔法と剣や体術であっさり倒してしまう、雪華の手には魔鉱石から造られた剣が握られていた。


「やっぱり俺の予想通り500越えばかりだな」

「そうねぇ……」


 ここまで来る間だ何十匹いたかわかない魔物を滅多切りにした二人は、目の前に見える第二門を見据えていた、交代要員の休息地から通常は馬車で1時間かかる所を走って魔物を倒しながら20分で到着した。


「あれだな」

「行くわよ」

「あぁ」

「ちょっと待てお前ら見かけない奴らだ、何者だ」

「あぁっ! 今気が立っているのよ、そこを退きなさい」

「だめだ、ここから先は危険だ、身元の分からない者を通すわけには行かない」

「……悪いけど時間が無いのよ、篠崎はどこ!」

「何? 篠崎様を知って居るのか?」

「……仕方ないわね、悪いけど強行突破させて貰うわ」


 雪華はそう言うと、門番の1人の鳩尾に一発入れて気絶させた、もう1人はピートの威圧に気圧されて座り込んでいた。それを見て雪華はピートを促し先を急いで門を越えた。

 第三門迄もかなりの距離があると聞いていたが、既に門は壊されていると二人は認識している。そのため更にスピードをあげて走ると途中で篠崎が血を流して術者を守っている姿が飛び込んできた、しかも深い傷である。

 周辺には何人もの術師が魔物の餌食になって命を落としている者もいる。


「ワイバーン!」

「LV600越えだなぁ~」

「……全く……喰散らかしすぎよ! コイツら!」

「おい、そんな事より仲間を見てやれ、こっちは俺が相手をしておく」

「ちょ、ちょっと5匹居るのよ!」

「だからさっさと安全な場所に移動させて手を貸せ!」

「解った」


 雪華はそう言って、篠崎達の所に向かい、ピートは600越えの空飛ぶワイバーンと対峙した。


「篠崎!」

「……雪華……様」

「何で逃げなかったのよ! バカ!」

「申しわけ、ありません、第三門が突破された為、伝令を送ってここで、くい止めなければと……」

「伝令かぁ……途中の魔物に殺されていたわよ」

「なっ……」

「とにかく、あなた達も一緒来なさい、歩ける?」

「はい、何とか……」


 雪華はそう言いながら血を流している篠崎を連れて後方に下がらせてから治癒魔法を生き残った全員にかけてから結界魔法を張った。


「良いと言うまでこの結界からはでたらだめよ」

「雪華様、なりませんあの魔物は強すぎます! それに空を飛んでいるのですよ」

「はぁ、600越えの魔物なんて私には関係ない、いい篠崎、あなたはスキルマスターじゃ無いのだから無理はだめ! アイツらの相手はこの天神将の私たちに任せておきなさい、良いわね」

「……天神将……彼も?」

「あぁアイツはピートよ、ピート・ルゥ・パート、スキルマスターNo.1よ、心配ないわ」

「天神将のスキルマスターNo.1と言えば……『破壊神の知将』……」


 篠崎の声を聞く前に雪華は既にピートの加勢に向かった、当然ピートとは別のワイバーンを相手に攻撃魔法をぶっ放して一発でしとめた、当然ピートの方も同じである。そんな彼らを見ていた篠崎達は呆気にとられている。


「おい、こっちは片づいたぞ!」

「あぁこっちもコイツで最後よ!」

「おぉ~腕は鈍ってなかったんだな、お前」

「当然でしょう!」

「長い間眠っていたから落ちたかと思っていたんだがな」

「なめるな! 元々体力には自信が在るのよ!」


 そんな事を言い合っている二人を見て、声をかけてきたのは当然結界の中にいる篠崎である。


「あの……雪華様」

「あぁごめんね、もう結界から出ても大丈夫よ」

「あぁ、えっと今のは……」

「LV600越えのワイバーンね、あれを相手によく生きていたわね、あんた達」

「はぁ、ですがそれを一発で倒すとは……」

「この程度なら敵じゃねぇよ、俺たちにとってはな、それよりこの先には第三門が在るって聞いてるけど、突破されたのか?」

「あぁはい魔物がドンドン強くなっていて、数も増えております」

「それなのにスキルマスターを配置しないってどういう了見よ!全く!!」

「あの雪華様はどうしてこちらに?」

「ここの状況を見るためにきたのよ、魔素が濃くなっているって聞いたからね、そしたら案の定よ」

「この先もあのレベルが出そうだな……」

「そうねぇ、まぁどっちにしても私たちで討伐しておけばいいでしょう」

「まぁ~ちげぇーねぇ」

「無茶です! お二人でこの先にお行きになるのは」

「心配無用よ、それより篠崎がずっといないと思ったらここに配置されてたとはね、後で仕置きだわ」

「雪華様……」

「まぁとにかく、もうすぐ小花衣が来るだろうから……」

「来たみたいだぞ、小花衣さん」

「ほぉ~そう」


 ピートの言葉で雪華はこっちに向かってくる馬車の方角を見て怒り心頭の目で睨みつけていた。


「お館様!!」

「小花衣!!!」

「はい」

「月宮はここまで来たことはあるのか!」

「いえ、ないと思われます」

「そう、なのに篠崎をここに配置したの! 良い根性してるじゃないの! 帰ったら仕置き決定だわ」

「あのいったい何が……途中の魔物達はいったい……」

「私たちが討伐したのよ、それよりもう少しで篠崎達が死ぬ所だったんだからね」

「どういう事でしょうか?」

「ワイバーンがいたんだよ、しかもLV600越えが5匹」

「600越えのワイバーンが5匹!!」

「そうよ、そこにスキルマスターを置かない理由を聞きたいわね、全く、それに第三門は突破されたそうよ」

「突破された!!! 本当なのか篠崎!」

「はい……警報がなって……暫くしたら魔物が……」

「警報って、第三門には人を配置していないって事?」

「はい、我々が行けるのは第二門迄が限界なのです。なので、この第二門と第三門には式の妖怪を配置しておりました、それ故ここに来るまでの間に、第二門の守りをしていた式が消えていくのを感じて焦っておりました、第三門が突破されたとなると恐らく月宮統括の式も同じかと」

「はぁ、なるほど……仕方ないわね、取り敢えず小花衣、あんたは犠牲になった術者をここから出せるようにして、そして私たちが倒した魔物を拾って解体してお金にして換金してなさい、その換金したお金は私とピートで貰い受ける。それとここから先は私とピートの二人で行くから、あなたはここで待機ね」

「お二人だけで行くのですか?」

「当然よ、無理でしょうLV600越えの魔物相手に、それに恐らくこの先はもっとLVの高いのがゴロゴロ出てくるだろうしね、スキルマスター1人でどうにか出来るものではないでしょ」

「ですが……」

「私たちは規格外だから、大した敵ではないから心配無用よ、ついでに結界張ってくるからねぇ~、あぁ心配だったら、天神将の後二人、廉と兼吾をこっちに来させて、私たちが戻るまでの間、第二門迄を守らせておいても良いわよ、私たちから逃げおおせた魔物討伐ならあの二人以外出来ないでしょうからね」

「あぁ~そうだな、あの二人も俺たちと同じ天神将だったな、ならランク5や6以上も対応可能だな、雪華連絡して置いたらどうだ」

「そうね、解った……」


 雪華はピートの意見を聞いてフレンド登録から連絡をしてから、雪華達は、ピートと共に奥へ歩き出していた。それを見送る面々は二人を見送りながら溜息をついていた。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 小花衣達と分かれた雪華とピートは普段ゲームで遊んでいた時と同じ様な感覚で前を進み、出てくるLV600越えの魔物を討伐していた、当然皮や肉は買い取ってもらえるし、肉は物によっては食事になる。

 また魔石を持っている物もいるため、それも回収していった。二人とも持てる力、能力全開で突き進んでいる。当然レベルの高い魔物は二人を獲物と思って襲いかかるが、二人にとっても久しぶりの魔物討伐で楽しんでいた。

 規格外二人に掛かればLV800越え程度ならあっさりと倒すことが出来る。LV900越えとなると、少ししんどい、二人で連携をすることも出てくるのだ。本来ならばという意味で、しかし今回こんなに戦っているのに、その気配を感じていない雪華が不思議に思っていると、ピートから思わぬ発言を聞いた。


「あぁ~それな、俺たち二人のステータスは少しいじってある」

「いじっている?」

「そう、既にゲームから切り離されているし、俺たち規格外にとっては基本無制限になっている」

「はぁ~~~~???、基本無制限って何それ!」


 ピートの言葉を聞いて雪華は急いで自分のステータスを開いて確認をしていた、するととんでもない数字をみた。見たというよりLV1450になっている。


「言葉通りだ、俺たちのLVに数値も限界がない、お前が覚醒すれば無限大だよ、ついでに俺も本来の力を封じているから本来なら無限大マークだ」

「……何でそうなる??」

「俺たち人間じゃないからな、それに現時点での人間が限界突破は出来ない状況だ」

「何で?」

「第一に体が持たんし、それに魔力過多に陥ると命がない」

「天神将のあの二人は限界突破なんですけど」

「あれはゲーム時代に勝ち取ったものだからな、肉体はそれに対応させたって聞いている、第一限界突破出来るのはゲーム時代のみで、あの二人は特別に思われたんだろう。だから耐えうる身体に少し変えられたんじゃねぇ~かなぁ~」

「この私のLVや数値なんて見せられないわよ、これどうするのよ!!」

「それは大丈夫、人間や鑑定魔法を含めた全てに対しては元の限界突破数値しか表示しない様にしてある」

「つまりLV1200の表示が他人や鑑定魔法には、見えるって事? このLV1450や無限大マークは見えないって事でいいの?」

「そう言うことだ」


 ピートの言葉を聞いて雪華は複雑な思いである、作り替えられた、イジってある等と言われると、そもそも神族の上層部って何だよって事である。

 こうもあっさり簡単に人間を作り替えることが出来ることの方が怖いと思ったのだ。しかも自分自身がいつかそれと同じになると思えば、さらに怖い。


「……じゃ、この世界で限界突端はないと?」

「おまえ以外、あぁまずあり得ない、一応天神将のLVの事もあるため限界値がゲーム時代のままにしてあるけど、人間がそれに近づくには相当の努力が必要じゃねぇかな、まぁ物理世界で言えばそれこそ霊能力者や悟りを開いたとか言われていた連中とかな」

「って事は神崎家で次元移動に耐えられた者なら限界値に近づける可能性があると?」

「ないとは言わない、けど限界はあるだろうな個人差とか、まぁそれ以前に体が持つかわからん」


 ピートの話を聞いて目眩がしそうである、身体を作り替えられている天神将の二人にはともかく、夏椰は神崎家の血を受け継いでいるから可能性がゼロではない。

 限界突破の可能性はあり得るのだ。それをピートに聞いてみると、可能性はあるだろうなぁとの返事が返ってきた。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 ピート達が第三門に向かって突き進んでいる頃、雪華のメッセージを受け取っていた残りの天神将二人と一緒にいた夏椰は唸っていた。


「これってどういう事?」

「つまり島にLV600の魔物が出てるから討伐協力しろって事だろうな」

「いや、島にそんな強いのがいるのか?」

「状況がわからん、取り敢えず行ってみないか?」

「夏椰、案内頼むわ、あそこはウィステリア家の私有地だからな」

「解りました」


 そう言って三人は本来の冒険者としての準備を整えて出発した、相手がランク6クラスの魔物相手となると装備もしっかりした物にが必要になる、ゲーム時代を思い出して準備を整え島に向かった。

 到着して第一門では当然身分確認を行い雪華からのメッセージを受けてきたと伝えるとすんなりと通して貰った、とはいえLV600が居るとなると悠長には出来ない、この世界の冒険者が3桁レベルがいない以上、そんな大物が街に出てきたら大惨事である。


 三人は第二門を目指して馬車を大急ぎで走らせた。暫くして建物が見えてきた時、怪我人をひっきりなしに連れて行き来している馬車があった、夏椰はこの建物の責任者であるランズ・チェリジェスに話を聞いた、どうやら強い魔物が出ていて小花衣達が第二門に向かったと話し、馬車が何台かで怪我人を運んでいるとの事、建物内では治療を、その別棟にある建物では魔物の解体をしていると説明を受けた。


「じゃ第二門がマジでヤバいって事だな、急ごう」

「そうですね」


 そういって更に馬車を走らせ第二門に着いたとき、小花衣が怪我人に応急処置を施し馬車に乗せて走らせるなどの対応に追われていた。だが突然大きな音で皆がそちらを向くと3匹の魔物が牙をむいていた。雪華達を突破したワイバーンである。


「嘘っ!」

「あれってワイバーン??」

「レベルは……っ!!! 600越え!!!」

「イベントモンスターでもラスボス並だな」

「これをやれってか?」

「仕方ない、行くか」

「ですね」

「はぁ~」


 三者三様の言葉を残してワイバーン3匹に向かっていった。当然限界突破者でもある天神将の二人にとっては敵ではない、スキルマスターNo.15でLV880の夏椰にとっては少ししんどい相手ではあるが、負けるとは思っていない。


 当然天神将の二人は一発で仕留めている、また夏椰も数回で仕留める。この戦いを見ていた面々達は呆気にとられて居るものと、なぜここにと疑問を抱いている者がいた。


「夏椰様……」

「あぁ、どうやら無事みたいだね」

「他に怪我人は出てないか?」

「っていうか何であんなのがここにいるんだよ!」

「あの皆様はなぜこちらに?」

「姉貴から先輩達にメッセージが入ったんだよ、姉貴達から逃げたランク6以上の魔物を討伐して欲しいって、でもここはウィステリア家の私有地だから、先輩達だけでは入れないだろう、だから俺が一緒に来たんだ」

「そ、そうですか、ですがあの魔物を一発で仕留めるとは、流石天神将ですね、夏椰様も割と簡単に仕留めていらっしゃいました、LVは私とあまり変わらなかったと思うのですが……」

「俺たち天神将にとっては雑魚だよ、でも夏椰には少しキツかったか?」

「ん~そうですね、でも負ける気はしませんでしたよ」

「流石だな」


 この3人のスキルマスターを見ていた術師達は唖然としていた、さっきの魔物は彼らから見たらとても太刀打ちできない程の強敵であった、それをあっさりと倒したのだから恐れをなし、これがスキルマスターかと改めて思った。


「でぇ、小花衣さん一体ここで何があったんです?」

「あぁこの島って魔物ランク5とか6とかって昔から居るんですかね?」

「俺が映像で見たときはランク3だったはずだけど……」

「私も夏椰様同様の感想です、ですが、第一門を越えてここに着いた時、お館様とピート様が何やら険しい表情をしており、私はお館様から何故スキルマスターを配置せず篠崎を配置したのかと叱られました、篠崎を殺す気かと、そしてお二人が先に向かって、我々が到着した頃には既に600越えのワイバーンが5匹倒された後でした」

「LV600越えのワイバーンが5匹いたのか?」

「はい、ですがお二人があっさり倒されましたので」

「まぁそりゃあの二人なら一発で倒して当然だけどな」

「規格外だし」

「姉貴達にとっては雑魚相手だな」


 うんうんと納得顔を三人をみて小花衣も改めて天神将メンバーの凄さを思い知った。


「取り敢えず、小花衣さんは怪我人の手当と姉貴に何か命令されているのならそれに徹してくれ、護衛は先輩達と俺がするから」

「解りました」


 応援に来たスキルマスターの3人は怪我人の手当をしながら護衛のため索敵魔法を展開、魔物が近づいたら順番に討伐するという連携をとり、魔物は小花衣を筆頭に篠崎と術者で解体業の専門家に渡す為の場所へ、怪我人も別の馬車に乗せて治療棟へと向かわせる様、仕訳をしていた。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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