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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第4章 ウィステリア領帰郷と7人目のスキルマスター編
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88話 帰宅とピートの紹介

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 執務室で国王からの手紙を読んで盛大なため息をついた雪華、それを見ていた家令の月宮と執事の小花衣は、どうしたのかと二人で顔を見合わせていた。


「あの良くない手紙ですか?」

「あぁ~別に良くないわけではないんだけどねぇ~」

「ん~~まぁ良いか、ピートに聞けば解るかもな、でぇ後何か報告はある?」

「いえ、特別に何かと言うことはございません、先だって気にされておりました避難誘導の件も一切在りませんでしたので」

「あぁそう……それは、よかった」


 あんな戦いをしていたのだが、場所が迷い家である、領地に異変が起こるわけがない。

 一応雪華は二人の労を労った。それから暫くは、暁のファルコンの様子を聞いた、鍛錬をして今ではレベルも上がり3桁を越えたと報告があった。そしてスキルもいくつか習得しスキルレベルも少しずつでは上がってきているとの事、魔素の流れも掴めたと言っていた。

 その後家族が全員揃ったと報告が来た事で、皆で1階の大広間に向かった。既に家族が揃い、旅仲間も全員揃っていた。


「お帰り雪華、1ヶ月とは長かったな」

「お帰りなさい雪華」

「どうやらお前の気にしていた人物には会えたようだな」


 等と祖父母に父が声をかけてきた、それに続いて残った兄妹も声をかけ夏椰や浅井達にも挨拶をしていた。そして最後に注目を浴びたのは当然ピートである。


「あぁ~雪華、その人が天神将のもう1人の規格外の人か?」

「えぇそうです春兄ぃ、ピート・ルゥ・パートと言います」

「初めまして今紹介に預かったピート・ルゥ・パートいう、宜しく」

「あなたがあの天神将のスキルマスターNo.1のピートさん?」

「あの『破壊神の知将』と言われていた方ですね」

「……その異名はまだ通じるのか?」

「今ここに居るのは元プレイヤーと神崎家だけよ、NPCは居ないから……でも念のために遮断結界張るけど、良いわよねピート・ルゥ・パート」

「あぁ構わん、でぇお前にフルネームで呼ばれるのは気持ち悪い」

「………それ私が覚醒しても言う?」

「それはまた別だ!」

「あっそう……」


 この二人の会話に驚いた者、呆れた者それぞれの感想をもって見ていた。


「さて、何から話そうかね?」

「姉貴、取り敢えずピートさんに会うまでの事を話してから、質問に応じた方が良くない?」

「そうだよなぁ、コイツを探すのにどれだけ大変だったか」

「何よあんた達に被害は無かったでしょう? しんどかったのは私よ!!」

「それはいきなり二人で喧嘩を始めたからだろうが!」

「俺はあの喧嘩に巻き込まれなかっただけでも奇跡だと思っているぞ」

「結界張っていたじゃない!」

「その結界に関しても不思議が多すぎる、そっちの説明も俺たちはまだ聞いてないからな、ピートなら説明が出来るんだろうけど」

「まぁ~当然だ」


 平気な顔で当然と言い切ったピートに対して、旅を共にした4人が睨みつけていた。そして雪華を除いた3人の男がピートに会うまでの説明を行った。


「ではピート様の迷宮は精霊達が守っていたと?」

「そうしかもゲーム時代の精霊ではなく、現実のここの精霊が取って代わっていた」

「俺たちは確信が無く、疑惑を持ってそこに行ったんだけど、雪華が『人じゃない』ってはっきり言ったからな」

「この現状、次元移動の原因を知っていて、俺たちがここにいる要因を知っており、更にこの状況を造った張本人がピートだと、それから雪華がピートの隠れている場所を見つけて入ったんだ」

「隠れている場所?」

「遠野物語を知ってる者なら聞いたことあるでしょ。迷い家って所」

「迷い家!! この世界にもあるんですか?」


 ここで反応したのは神崎家の術師達である、彼らとて迷い家を実際に見たことはないし入ったことはない、だが彼ら術師や霊能力者なら在るかも知れないとされていたのだ。


「あの物理世界の迷い家じゃ無いわよ、こっちでコイツがまねて造った迷い家だったのよ、時差もあったけど、居るはずの子供が居なかったからね」

「子供?」

「本来物理世界にある迷い家は主のような者がいるのよ、私が知っているのは子供だったんだけど……コイツが造った迷い家はそれに似せただけで子供だけ居ない状態ってわけ」

「お館様はあの物理世界で迷い家に入った事があると?」

「在るわよ、おかっぱ頭の子供がいて、昔話に出てくるように神隠し的なものだけど、私の魂のことに感づいたのね、出してくれたわよ」

「姉貴はその時三日間留まってして食事までして出てきたらしいぜ、しかも出てきたら1週間経っていたらしい」

「何ですって!! 本当ですか? 出てきて何も起こらなかったのですか?」

「無いわよ! それより続きを話して」


 雪華の誘導でその後の話が続いた、迷い家で出会った人物とその奥にいたピート、そして彼らが人ではなく神族だった事も話した、当然魔法が使えなかった事、雪華の結界で守られた為二人の喧嘩に巻き込まれなかったこと、そして迷い家にいた者達に勝てる気がしなかった事や雪華の手に突然現れた剣の事など全部話した。


「いったいどう言うことだ?」

「天神将のスキルマスターNo.1の規格外が人じゃなかった?」

「その件については、ピート自分から全て話しなさい」

「俺が??」

「当然よ! あんたがしたことでしょう、例え上層部の命令だったとは言え、こんな手の込んだ事をしたんだから、私たちは知る権利が在るわよ!」

「えぇ~~またするのか? あれを……」

「して貰うって私言ったわよ」

「そうだけど……お前家族からの質問に答えさせるって言ってなかったか?」

「あんたの説明の後よ、私たちは本来のここの歴史を知らない状態で目覚めているのよ、知らなきゃ今後色んな事をどう対処して良いか解らないでしょうが!」

「……わかった」


 それから雪華に言われたとおり、ピートはこの世界の歴史の初めから話した、当然魔王誕生の話しも含めてだ、雪華達が迷い家で聞いた話を全て話したのだ。


「……じゃ雪姉ぇが書いたシナリオが、そのままこの世界の現実だったって事?」

「そうらしい……でも姉貴のシナリオに始祖って者は出てこなかったから、そこはピートさんが修正したらしいけどね」

「じゃ君は光臨って事かい?」

「あぁそうだ光臨だな」

「お待ち下さい、神々の光臨はそう簡単ではない筈、我々人間の目に見えるはずがないと伝えられています」

「そうだな、家令の月宮とか言ったか? そうだお前の言うとおりだ、だが俺は人としての体も持っているんでな、こうして降臨して実体化が出来るし、下界に降りる許可は初めから得ているが神族としての力はかなり制限をされていてほぼ人と変わらん。ただ今回は始祖の魂を持つ雪華を守り覚醒をした後は神界に導く必要がある。というかそれが俺の仕事だ、正式名は神界十二神魔筆頭というのが俺の神界での立場だ」

「神界十二神魔筆頭……」

「……どっかで聞いたこと在るわね、それ」

「雪華……お前知っているのか?」

「えっあぁ~~~知っている、という訳じゃないと思う。たぶんだけど魂が知っているって感覚なんだと思うんだけど……、最近自信がないんだよね」

「自信がない?」

「うん、ピートを含めて迷い家であった連中、前にもあったこと在るって感覚があったのよ、何て言うか懐かしいっていうの?」

「なるほど、やはりお館様は神崎家の興りである始祖フェリアナ様の生まれ変わりなのでしょう」


 雪華の言葉で神崎家及び神崎家の陰陽師や雪華のクラスメート2人は、もうこれは確定したなと断定した。

 雪華はいつか覚醒して人ではなくなる、いつか神界に行くことになるのだと思ったのだ。


「……何だかかぐや姫みたいね」

「かぐや姫?」

「そう月じゃないけれど、神界からのお迎えみたいなもんでしょ、ピートさんの立場って」

「言われてみればそうだな」

「何、それ冗談でしょう」


 春菜のかぐや姫発言から春樹が同意している、それに対して雪華は反論した。


「申し訳ないけどお迎えが来たから、ハイそうですかって返事して行く気は在りませんから」

「でも迎えが来てるじゃない」

「コイツはタダの導き手って意味合いで言われているんですよ私は、始祖の残滓とやらからはね」

「あぁ~そうだったな、それで良いさ、無理矢理神界に戻そうとは俺も思ってない、初代は言ったんじゃないのか? 雪華が決めればいいって」

「えぇそうよ確かにそう言っていた」

「じゃ問題ねぇよ」

「おいピート、お前たち神族はそれでいいのか? 特にお前のいう上層部って神々はそれを許すのか?」

「正直に言って直ぐにでも戻ってきて欲しいって思っているだろうな、そうじゃなきゃ困る事も正直在るんだが………」

「じゃぁ無理なんじゃ」

「……でも、無理強いをするのを好まない方がお一人だけいらっしゃる」


 兼吾や廉の質問に答えながらピートは雪華の顔を見て言った、そして一度ため息をついてから、他の者達に向けた。


「実際まだ覚醒していないし、こっちで色々やり残して戻るのは嫌だろうからな、雪華の性格だったら。だから俺たちは待つ」

「あのさピート、私が覚醒して記憶が戻っても戻らないって言ったらどうするの?」

「………正直困るが、仕方ないだろうな、直接下界に干渉出来るのは始祖だけだ、俺たちは何も出来ないし拒めない、だから俺が居るんだ、俺だけはお前の護衛として下界に降りる許可が出ているからな」

「何でピートだけなんだ? 他はだめなのか?」

「そうだよ、迷い家にいたお前の部下って連中もさ」

「俺の部下は現時点で光臨の許可は出ていない、現状出ているのはあの迷い家までだ」

「私を守る……なんで?」

「俺たち十二神魔は始祖の直属の親衛隊だからだ、だから守る義務がある」

「守る義務って何? 何で守られる必要があるの神界なのに……」

「何でって……、そうだなそれはお前が覚醒して記憶が戻れば解るだろうよ」


 言い切ったピートを見て雪華は何かを感じていた、何かある、守られるだけの理由が何かある、でもそれは覚醒しないと解らない事だって事が何故か確信して解った。


「わかった、これ以上神界については聞かないわ、じゃ次の問題に入りましょう、みんなはピートが何者か解った所で今は彼を1人の人間として対応して、とはいえ神族であることには変わりないから失礼の無いように、ウィステリア家事態が大昔から存在していた貴族である事も判明した、ウィステリア家の当主は代々神々が決めていた、これは神崎家の当主選定を変わらないわ、そうでしょ」

「はい、当主の証はフェリアナ様が持参された神界の物であると言うことは代々神崎家に伝わっている事です」


 雪華の言った神崎家の当主の証はそっくりそのまま、この世界でも通用すると言うのだ。ならば何も問題はない、今まで通りで良いと言うことである。そして雪華は更に指示を出した。


「月宮、ピートの迷宮は富士山のテッペンだから今後はこの屋敷で寝食を共にすることになる、部屋の準備を頼む、とはいえピートもまだ神界の仕事やらが残っているようだし、イルレイア大陸の調査というか迷宮の件を頼んだので、ずっと居ると言うわけではないだろうが、部屋だけは準備をしておいて」

「畏まりました」

「なぁ雪華ちょっと良いか?」

「えぇ何?」

「ピートにまだ聞いてないことがある」

「何だ?」

「お前さ迷い家で説明するっていってそのままになってただろう」

「えっと何だっけ?」

「魔法の件ですね」

「そう! それ夏椰の言うとおり」

「あぁ~~それ私も聞きたい!! 何なのあれ」

「あぁ~あれか、あの建物には結界を張ってはいたんだけど、神界の領域だから魔素は使えないんだよ」

「「「はぁぁ~~~~???」」」

「私使えたわよ?」

「おまえが使ったのは魔素を使った魔法じゃねぇよ」

「じゃ何?」

「あの時、お前神剣持てただろう?」

「あぁそう言えば持ってたね」

「つまりお前は無意識に神力しんりょくを使ってたんだよ」

「………何て言った? 神力????」

「そう、神力、魔素を使った魔法の結界はあの建物に入った瞬間に弾けた筈だ、でもお前は一瞬で魔素を神力に変換させちまったのさ、だから結界で3人を守れたわけだ、3人とも結果内で魔素が霧散したのは、雪華の結界が神力による物だったからだ」

「でも姉貴の魔素は感じましたよ」

「まだ覚醒をした訳じゃないし、魔素から神力に変換をしたからな、多少魔素が残ってそれを感じていたんだろう、本来ならそんなことは起こらないんだが」

「………ちょっと待った、ピート私変換する方法何て知らないわよ」

「だから言っただろう覚醒が近いんじゃないかって、無意識にそれが出来るって事はそういう事だよ」


 ピートの言葉でそこにいる全員が唖然とした顔をしていた、特に雪華はそんな力知らんと思っていたのだ。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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