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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第4章 ウィステリア領帰郷と7人目のスキルマスター編
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80話 二つの世界の迷い家

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 ピートの迷宮『天魔の城』の内部にて復活した守護者である火の精霊の話を聞いた後、部屋の中で全員が車座になって陰陽師に付いて色々な、新たな話も聞いていた。


「雪華の魂がそれほど重要なのは何か解ったけど……それよりお前さっきから気配を気にしてるよな?」

「そうだ、それだ何だ?」

「力のある陰陽師にしか感じられないとか言ってたけど、姉貴危険な物なのか?

「あぁ~別に危険じゃないわよ、とりあえず」

「んじゃ何で気になっているんだ?」

「ん~~まぁそれはねぇ、この世界にもあったのかって所に、在る意味驚きも合ったんだけど……」

「それって前の物理世界にはあった事か?」

「そうねぇ、在ったわね、昔話によく登場していたし」

「昔話?」

「そう日本昔話、他の国にもあったんじゃないかな……TVとかでも」

「テレビでやってたあれ?」

「他の国にもあったもの?」

「うん、あのね、よく神隠しっていう話在ったのを覚えている?」

「あぁ」

「そういえばあったな、確か遠野物語に出てくるんじゃなかったっけ?」

「あぁ~そういえば」

「そうその遠野物語の迷い家は、こんな感じだったでしょ、『迷い家とは訪れた者に富貴を授ける不思議な家であり、訪れた者はその家から何か物品を持ち出してよいことになっている。しかし誰もがその恩恵に与れるわけではなく、「六三」は無欲ゆえに富を授かった三浦家の妻の成功譚となり、「六四」は欲をもった村人を案内したせいで富を授かれなかった若者の失敗譚を描いている』って感じの話」

「そうそう、そんな話」

「何でそんな話するんだ? 姉貴」

「私行ったことがあるのよ、一度迷ってね」

「はぁ!」

「行ったことがある??」

「そんな話初耳なんだけど、姉貴が行方不明なんて聞いたことないんだけど!!!」

「そりゃ、解らない様にしていたんだもの、長期休暇の時に私メルリアに行くでしょ、その時期だったから言う必要もないし」

「マジか!!」

「うん、でもね伝承とは違うのよね」

「違う?」

「物理世界のあの迷い家は、そうね田舎のとても古い古民家って感じだったけど、とても綺麗に掃除もされていたわ、時間がゆったり流れていて、春のような感じね、青々と茂った木々があって花が咲いてあって平和そのもの、家にあがると何故かお茶の用意がされている、子供がいたわね」

「子供!?」

「そう、その子がその迷い家の主って所かな、見た目は子供だけどたぶん違う、ただその子は言葉が話せなかった、庭で鞠を付いて遊んでいたり、やってくる動物と戯れたり、にこにこ笑顔を見せてくれて、私にお茶やお菓子をくれる、時がゆっくり進むので実際の時間で考えると夜になる頃、私が眠気を感じた頃にはお布団を用意してくれて寝るように示していたわね」

「でぇ寝たのか?」

「えぇ別に敵意は無かったし他意もなさそうだったから、そのまま寝たわよ」

「……お前勇気あるなぁ~」

「さすが、妖怪相手に殺し合いをするくらいだからな姉貴は、その辺普通じゃない」

「翌日も朝食を用意してくれていたわね、昔ながらのご飯とお味噌汁におかずが一品に漬け物って感じのやつ、結構美味しかったわよ」

「食べたんだ……」

「でもやはり気になるからね、周辺を散策してみたのよ、特に問題はない、ただ出られないだけって感じ」

「つまり閉じこめられた?」

「そうね、閉じこめられたという意味で良いと思うんだけど……あの子私が出るのを拒まなかったわね、ただ私の手を握って危険と言っている様な気がしたのよ」

「危険?」

「うん、再度出ようと考えていた方向を見据えると、更に強く意志を伝えてきた、だからもう少しだけ残ることにしたのよ」

「姉貴を帰したくなかったんじゃないの? ひとりぼっちで寂しいからさ」

「……そういう感じでは無かったわね、とても丁寧に私をもてなしてくれていたし、多分だけど私の魂の本質を知っていたのかもしれないわね」

「その子供人間だったのか?」

「そうねぇ~人間の様なものだわね、大昔って口減らしみたいな風習があったでしょ?」

「あぁあったなぁ、話を聞くだけだったけど」

「租税が払えないから子供を山に捨てたとか」

「姥捨てって話しもあったな」

「そう、たぶんそんな感じなんだと思うんだけど、迷い家に長くいたせいもあって時を止め言葉を失ったって感じかな、あそこから出ないというか出られないのは、外に出ても自分の居場所が無いからだと解っていたのだと思う、だからあの迷い家の主になった、でぇ久しぶりに人が入ってきて会った」

「それが姉貴って訳か」

「そう、でも多分私の正体に気づいて無理強いはしなかったわね、本当は残って欲しそうだったけど」

「でぇ結局何日くらい居たんだ?」

「3日程だったけど、外に出たら1週間は過ぎていた」

「1週間!!! 何その時間差!」

「時間の流れが全然違うってそういう事?」

「浦島太郎だな……」

「でねぇ、出てから危険って言ってた意味が解ったのよ」

「何かあった?」

「妖怪が居た、菊の痕跡も残っていた、それだけじゃなく、政府筋に雇われたのか拳銃持った危ない人間が徘徊していた気配もあった」

「マジか……」

「私が出た時には皆居なかったけどね」


 つくづく雪華は人生波瀾万丈だと思ったのはクラスメイトである、そして弟夏椰は何で何も言わなかったのかと、問いつめていたが、言った所でどうにか出来きる事じゃないと諭していた。


「兎に角その、迷い家と似たような気配を感じるのよね、ここ」

「ここに?」

「このフロア全体がか?」

「まさかと思うけど、俺たちも閉じこめられたって事か?」

「違うわよ! 全体じゃない、在る一点の場所が入り口である気配に似た感じがするだけ、だいたいこの世界に存在するのかすら怪しんでいるんだから!」


 雪華がそう言いながら、ある一点を集中してみていた。それは部屋の奥、その寝台らしき物の後ろと雪華は説明した。


「ねぇ守護者。あそこじゃない?ピートが居る場所」

『はい、そうです』

「やっぱりね」

「おい、そこって……」

「恐らく物理世界で私が行った迷い家と同じ類だと思うけど、行ってみないと分からないわね」

「行くのか?」

「当然よ、ピートをブン殴るんでしょ?」

「そうだけど、無事に出られるのかょ」

「大丈夫でしょ」


 雪華はあっけらかんとした態度で皆を見ている、そして守護者に対して止めないでよねと言うと、守護者は平伏している。それを見て他の男3人も諦めた様子でついて行くことにした。


 寝台の裏に回ると他と同じで壁である。雪華は皆に手を繋ぐよう命じ夏椰には雪華の肩に手を置くよう指示した、そして雪華はその壁に向かって片手を当ててもう一つの手で印を結んでいる、そしてなにやら呪文も様なものを唱えている。

 男達にはさっぱり分からなかった。暫くすると雪華が手を当てている場所が少しずつ光を放ち始め周囲を光で埋め尽くしていき、その光の中で雪華が『入るわよ』と声をかけ全員で一歩前に踏み出した。


 光の収縮で周囲の様子が見えるようになり、全員が手を離して様子を見た。そこは雪華が言った様な風景が見えている。広い敷地に大きな古民家の様な家、青々と茂った木々がある。ただ子供は居なかった


「……なるほどねぇ~~私が入った迷い家を再現したか?」

「えっ、姉貴が入った迷い家って事?」

「違うわ、再現しているのよ。あっちは物理世界の迷い家よ。こっちは違うわ、見てなさい」


 雪華はそう言うと、近くにあった木々に咲いている花を一本折って持ってきた、そしてみんなの前で花をぐしゃっと潰して見せた、すると花は光の粒子に変わって空に上っていく。


「……これって光の粒子?」

「魔素か?」

「そう、これも魔素で出来ている、この世界の人は死ねば肉体は朽ち果て、そして魔素に還元される。物理世界のように火葬の必要はない、魂もそのまま霧散するわ、この花と同じようにね」

「じゃ、ここは雪華の行った迷い家ではない?」

「えぇ、それを真似た物ね」


 そこに2人の人物が姿を見せた。当然全員が警戒をした。青い瞳にオレンジの髪を持った男が言った『なぜ人間が居るのか』とそれを制したのはもう一人の男、水色の瞳を持ちオレンジの髪をした者である。雪華の前で片膝をつき非礼を謝罪する言葉口にした。


「弟が失礼を申しました。こちらにお越しになれるのは雪華様のみと伺っていたものですから、それ以外の者が入れるとは思っておりませんでした」

「私が来ることを初めから知っていたって事は、お前はピートの仲間か?」

「仲間と言うよりも部下でございます」

「って事はここにいるのか、あのバカ! あんた、ピートの部下だと言ったわね、案内しなさい」

「それは、全員でございますか?」

「全員よ! 一人残らず全員ピートに会わせなさい! さもなくばこの迷い家を破壊するわよ」


 怒り心頭の雪華を見て2人は、たじろいだ、そしてご案内しますと言い、古民家に入っていった。


「行くのか?」

「当然よ! あのバカをシメる」

「っていうか、さっきの2人強そうだったけど」

「だなぁ、俺たちですら負けるんじゃねぇか」

「それでもあんた達も殴るって言ったわよね!」

「そりゃな、話によっちゃ殴られて当たり前だし」

「じゃ問題ないわね」


 雪華の決断で、全員が男2人について古民家に入っていく。当然日本の古民家である靴を脱ぐ、先導する2人も靴を脱いでいた。


「あの2人日本人じゃねぇよな」

「あんな髪の色した日本人はいねぇよ」

「毛染めしてたら居るだろうけど、この世界ではあり得んな」


 男三人の言葉を聞きながら雪華は、ピートに会ったら最初に一発殴ってから話を聞くことを決めていた、その為力を込めていた。そんな彼女を感じて居るのか先導する2人は冷や汗を垂らしていたが、見られないように注意をしていた。


 暫く長い廊下を曲がったり真っ直ぐ歩いたりしていた、ただ雪華にはそれが時間稼ぎの術にしか見えなかった為、威圧の術で2人を威嚇した。

 すると2人は「もうすぐです」と恐る恐る言ってきた。それから3分程歩くと屋敷を出るが渡り廊下で別棟に続いていた、その廊下の端に別棟の大きな扉があり、ピートはそこにいると言ってきた。


「またご大層な扉ね。何なのこれ」

「あのお方が、雪華様をご案内する場合はこちらにと命じられておりましたので、中にお入り下さい」

「……そう、分かったわ、あんた達は危ないから外にいなさい、私たち4人で入るわ」

「いえ、我らも入ります」

「……悪いけど出ていなさい、部下にみっともない姿なんて見られたくないでしょうよ!」

「しかし……」

「叱られるというなら、大丈夫よ、私がそうならないようにしてあげるわ」


 そこまで言う雪華に対して、2人は暫くの沈黙の後一つの鍵を雪華に渡した。


「これは?」

「この扉の鍵でございます」

「……あいつ鍵を閉めてるの?」

「理由は分かりかねます、今まではそのような事は無かったのですが、こちらに雪華様が入ったのを知った時にそうされました」

「ほぉ~~~なるほど、ねぇ聞いたみんな、あいつ閉じこもっているわよ、遠慮はいらない死なない程度で攻撃しても大丈夫みたいよ」

「いいのか? 雪華」

「あいつ人間じゃないんだろう?」

「姉貴、もし考えている通りなら不味くねぇ?」

「大丈夫よ、この建物結構強い結界張られてるわよ、在る程度覚悟をしているんでしょうね、スキルマスター4人相手に喧嘩するつもりのようだから」

「喧嘩で済むのか?」

「俺はお前等2人の喧嘩に巻き添えはごめんだから、最初に一発殴れたらそれでいい!!」

「俺も右に同じ!!」

「そう、いいけど……じゃ行くわよ」


 雪華はそう言いながら、預かった鍵を鍵穴に入れて回した、カチッと鍵が開く音がして、全員に対して防御魔法で身を守るよう伝えた、そして扉を開いた。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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