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フェザーの奇跡  作者: ユキア


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天使の降る夜

 夜空を駆ける彗星の如く、空を飛ぶものがあった。少女は背中と靴に翼を付けて屋根から屋根へと飛んでゆく。それを追うものあり。弓で彼女を追う彼等は裏切り者の処刑を言い渡されていた。弓が彼女に命中する。彼女は夜の闇の中へ消えていった。


「さてと、仕事も終わったしちょっと外の空気でも……」



 家の扉を開けた石工のマルク・ハードは驚愕した。空から天使が降ってくる。白い翼を持った彼女は力なく落ちてゆく。マルクはそれを抱きとめた。


 ☆☆☆☆


「ん……」


 目が覚めるとそこはベッドの上、傷の手当をされていた。


「ここは?一体?」


 天使事、フェナーサ・リングは戸惑った。何故自分は手当されてベッドの上にいるのだろうかと。本来なら組織に殺されていてもおかしくなかったからだ。そこにマルクが戻ってきた。


「おっ!起きてる!怪我は大丈夫か?」


「あ、あの、貴方は、”組織”の人間ではない、ですよね?」


「”組織”?」


「あ、いえ、なんでもないです。助けていただいてありがとうございました!」


 そう言って部屋から出ようとするが、傷が思いのほか深くて痛みが走った。


「まだ、寝てないと!」


「いえ、そういうわけには…」


「そうだよ!フェナーサ!休まないと!ずっと飛んできたでしょ?!」


 フェナーサと呼ばれる少女のスカートからウサギが飛び出してきた。しかも、

「しゃ、喋った?!」


「ムーンは私が人間の言葉を教えたのではなせるんです。」


「ムーンていうのか、俺はマルク・ハード!石工だ!」


「ムーンだよ!よろしく!」


「私はフェナーサ・リングと申します。助けていただいてありがとうございます。では、…うっ」


「だからまだ寝てないと…」


「わかりました。」


「それにしても羽根のついた人間が落ちてきた時は天使が降ってきたのかと思ったぜ!」


「はい、私は能力者なんです。」


「能力者?」


「え?ご存知ないんですか?」


「おう。」


「この世界には能力者と呼ばれる人間がいて、私は羽根を操る事ができるんです。こんなふうに。」


 フェナーサは羽根を使って剣を作ってみた。


「すっげー!」


「マルク能力者知らないなんて田舎者だね!」


「こら、ムーン、失礼でしょ?」


「はーい!」


「じゃ、俺は仕事しなきゃだから…」


 マルクが去った後、フェナーサは注射器を出すとそれを腕にうった。すると傷は見る見るうちに塞がってゆく。


「さっすが、フェナ!すごいね!」


「薬の力ですよ。」


 ☆☆☆☆


「マルクさん!」


 フェナーサがマルクを追って外に出るとそこにはマルクが石をわろうとしていた。


「お仕事、お手伝いします!」


「まだ寝てないと…」


「いえ、もう治ったので」


「手伝うってもなぁ。」


「石を砕くぐらいなら私にもできます!」


「うーん、じゃあ見本見せるからやってみてくれ!」


「はい!」


 するとマルクはいきなり岩を殴った。岩はパッカーンと割れる。


「「?!」」


 フェナーサもムーンも唖然とした。道具なしで岩を拳出割ったのだ。


「マルクさんも能力者なんですね?!」


「ん?俺はただ頑丈なだけだぞ?」


「それが能力なんです!きっと体の硬さを変えることができる能力だと思います!」


「へー!」


 フェナーサも石を砕こうと羽根を使う。


「羽根なんて柔らかいので割れるのか?」


「はい!」


 羽根はすごい硬さになって石へと降り注ぐ。石は見事に割れた。


「おっ!サンキュ!」


 こうして夜になるまでマルクの仕事は続いた。


「マルクさん。お礼に料理作ってみました。どうぞ。」


「すっげー!うめー!」


 マルクは一気に食事を食べる。うまいうまいといって平らげた。


「ムーンの分は!?」

「あ、わりー、全部食っちまった!」


「大丈夫ですよ!おかわりありますから!」


「「わーい」」


 ムーンもマルクも喜んだ。


 そして夜である。フェナーサは何も言わずに出ていこうとしていた。

「本当にいいの?マルクに言わなくて。」


「はい。このままでは巻き込んでしまいますから。」


 2人は何も言わずにマルク家を後にした。すると追ってに見つかってしまった。


「フェナーサ・リング!ここで死ね!!」


 相手は弓を引く。フェナーサは能力を使って羽根で攻撃した。ただの羽根ではない。硬さを変える事ができる羽根である。


「くっ!」


 追っては少し怯んだが更に弓をうってくる。


「フェナーサ!!ムーン!!」

 そこにマルクがおって来てしまった。

「マルクさん!」


「うぉおおっ!」


 マルクは弓を引いていた追ってを殴る。


「ぐはっ!」


 追ってを倒してしまったのだ。


「マルクさん、どうして……」


「俺も行く!」


「へ?」


「怪我してるフェナーサをほっとけないからさ。俺もいくよ!」


「!マルクさん。でも……」


「俺達もう仲間だろ!?」


 その言葉がフェナーサを射抜いた。


「…はい!」



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