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俺だけレベルがない世界  作者: 橋真和高
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アンガス地下大迷宮(2)

 パラメーターポイントが五百もあるのだ。これはつまり先程倒した鶏型のモンスターはそれだけ強かったということか? あいつはもらった魔法の力で倒したから正直どの程度かわからない。だがこの与えられたポイント数を見るとその考えは正しいように見える。



 パラメーターには四つの項目が存在する。それは筋力、防御力、敏捷性、知力この四つがパラメーターとなっている。上の三つはまあ大体わかるだろう。知力に至っては、これはほぼ魔力の総量だ。知力を上げれば上げるほど魔力の量は膨大になり、魔法に威力は上がり、何度も使用が可能となる。



 先の戦いを得て俺が得た結果は取り敢えず筋力と敏捷性の向上が優先だ。もちろん偏った割り振り方はもちろんしないが、やや筋力と敏捷性重視でポイントを割り振った。



 割り振りが完了したところに文字が浮かび上がった。《知力のパラメーターが五百を超えたことで鑑定眼を取得しました》ん? なんだこれ、まるでゲームみたいだな。



 どうやらこのパラメーターシステムは規定値を超えると何かしらのスキルが授けられるのかもしれない。だから俺にはスキルも与えられなかったのか。



 まだまだ俺の知らないことが無数に存在することがわかった今、この場所で経験と知恵を身に付けよう。



 それから何日が経過したかはわからない。



 今も同じ階層に留まり続け、モンスターと戦う毎日。ここで一つわかったことがある。それは俺が得られるパラメーターポイントは倒したモンスターによって比例する。だが一度倒したモンスターと同等レベルのモンスターを倒してもパラメーターポイントは増えることが無い。一見レベルがあった方が良いのではないかと思ったがそれは大きな勘違いである。何故なら、強いモンスターを倒した時の報酬は計り知れないからだ。



 これまでの戦いを経て得たスキルは鑑定眼、隠蔽、乱刀の三つだ。



 乱刀は文字通り刀が無いと使えないのだが俺が手にしている唯一の武器は包丁みたいな短剣だ。これでも使えるかな? 



 戦いからの経験で鑑定眼を使いこなし効率よくポイントを貯めている。その成果もあって俺のパラメーターはオール八百になった。今ではこそこそと隠れもせず堂々と敵と正面切って戦いをできるまで成長していた。



 もうそろそろいいだろう。あいつにリベンジマッチといこうじゃないか。



 俺は奴を探して迷宮内を散策した。この暗闇の中でも魔力探知のお陰で昼間と変わらぬ足取りで動くことができる。



 暫く歩いていると、ようやく奴を見つけた。あの憎きチワワだ。今も可愛らしく尻尾をふりふりしながら呑気に歩いていやがる。あの可愛らしい形相に騙されて他のモンスターも奴に捕食されていたのだろう。



 奴を遠くから鑑定眼で鑑定した。なるほど、リベンジには相応しい相手ということか。奴は俺が今まで戦ってきたどのモンスターよりもステータスが高かった。いや、今の俺よりもこいつはステータスが高いのだ。おいおい、こいつ全部のステータスが千を超えてやがる。これは気合を入れないとな。



 本来なら格上との戦闘では意表を突いた攻撃が最も効果的なのだが、俺は堂々と奴の前に姿を現した。真正面からこいつを倒さなければ俺は生まれ変わった意味が無いのだから。



 俺を目にした奴もその場で硬直して見つめ合っていた。



 物音一つしない静寂の中、僅かでも集中を切らした方が死ぬと本能が感じている。まるでお互いが零距離で刀身を喉元に構えているような錯覚に陥る。



 お互いが間合いを測っている。その時、石ころが転がる音が鳴り響いた時戦いが始まった。


皆様お疲れ様です!

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