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ホロ暮らし  作者: 御影 夕介
28/42

5-1 Hajime’s Room, ???, ???, ???

「フン。そりゃそうだろ」


 初はEODだけでなく、バトルロイヤルの対戦ゲームも得意だ。この人気ゲームはもともと好きだし、引退してからは配信のメインにしている。夜の早い時間帯に集まるプレイヤーにはまず負けるわけがない。


「ああ、その話な……」


 コメント欄では、さっきまで行われていたアイルの配信が話題になっていた。特に、ラストイレイザーの持ち主はやめぐらが何のために作ったかを理解していない、という意見が中心になっている。


「大事なことは伝わってるはずだし、わかってる奴なら自分から気づく。あれで何をしなくちゃいけないのかってことは」


 さすがやめぐら、と持ち上げるコメントが多いので、初はあまり良い気がしなかった。好きになってくれるのはうれしいが、ファンというより気安い友達感覚でいてほしい。ただ、渾身のアバター「やめぐらちゃん」にならファン感覚でも歓迎する。


 引退してこれからどうするつもりなのか、という質問が目に入って、初は答えるのをやめた。今はほかのゲームが楽しいし、EODの運営のことは考えたくない。あいつらは「自由」だなんて言って、本当は俺を操ろうとしていただけだ。そう思うと苦々しい気持ちになる。


 大人は平気で俺たちを裏切る。わかっていたはずなのに、と初は思う。


 晶公園のときもそうだった。初と友達は公園にある大きなカメの像がとても強そうで好きだった。小さいころは冒険ごっこをして、空想の世界でよくカメと戦っていた。そのとき、初が持っていたお気に入りの木の棒の名前が、すべてを消し飛ばす最強の剣、ラストイレイザーだ。


 しかし八年前、中学に入る直前のことだったが、思い出の公園は改修工事が行われて、カメの像は老朽化のため撤去されてしまった。初は、公園は新しくなっても、俺たちの遊び場は永遠に帰らない。あのカメとはもう二度と戦えない。大切なものを奪われた、と思った。


 初は、大人がそういう風に、子供には絶対にかなわないとてつもない力で勝手に物事を決めていくのが許せなかった。そんなときに出会ったEODは、勢いづくMR技術で自由にいろんなものを作れる楽しいゲームだった。とにかく時間を費やして遊んだ。配信で有名にもなれた。


 でも、八戸とあのクソみたいな柱が全部ぶち壊した。もう嫌だ。初は悲しかった。


「うざいな……」


 混戦で劣勢になったがなんとか立て直す。初は苛立ちを反撃に乗せた。


 ――思い知らせてやる。それが俺の使命だ。

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