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6. かくれんぼ

長い間サボってしまいました…またゆっくりと更新していこうと思っています。ブックマークしてくださっている方、お待たせしてしまい申し訳ございません。


完結まで全然まだかかるし、ストーリーも書きながら考えているのでグダグダになると思いますが、それでもよければこれからもよろしくお願いいたします。




ワープさせられた場所は、恐らく書庫でしょうか。しかし書庫というにはあまりにも広すぎます。図書館、たというほうがしっくりきますね。


そういえばこの皇宮では、部屋と庭へいく道までしか見たことがありません。何せまだ小さいゆえ、基本は部屋の中をアンナと過ごしていることが多いです。

しかしまさかこんな広い図書館があるだなんて、流石はバルシア帝国の皇家というべきでしょうか。


まだ暫く見つからないことを祈り、床を這いながら見える範囲の本をゆっくりと見ていきました。


『政治』『歴史』『魔法学』と様々な本があり、どれも惹かれて仕方がないです。日中は本当に暇を持て余しているので、どうせならこの本たちを読みたいのですが、1歳児が本を読む光景は奇妙でしかないでしょう。あまり目立ちたくないので、すぐ断念しました。



『ぅ?』



とある1冊の本が目について、思わず止まりました。


本のタイトルは『聖女の誕生』


聖女については聞いたことがあります。バルシア帝国初代皇帝の妻であり、当時戦乱の時代で大いに活躍された、女神の使いと呼ばれた方。

前世では、聖女の逸話が沢山あり、どれが本当かは不明でしたが、バルシア帝国の書物であれば真の歴史が記されているのかもしれない。


気になった私はその本を取り出しました。



《聖女 ルシアンナ・イルナール 。その偉大なる聖の力は戦乱の時代を治め、炎に焼かれた大地の緑を癒し、人々の心に宿る邪のものを払い除けた。》



本は、まるで子供への読み聞かせに作られたような挿絵があるものだった。文も1ページに、1文、2文あるくらいで、語りかけるような物語作品だった。


1ページ目に描かれた聖女は、まさに女神のようなお姿だった。そんな女神の周りには、丸い物体が何個かうかんでいる様子が描かれている。恐らく、これが聖の力というものだろう。


続きが気になった私は、次のページを捲った。




と、その時、背後から高い声が聞こえた。




_______皇女様みーつけたぁ!!!



『っ!?!?!?』



突然のことに本が手から落ち、驚きのあまり涙が出てしまった。かくれんぼしていたことを完全に忘れていました。ああ、心臓が飛び出そうとはこういうことなのですね…っ!



『(本当にびっくりしました…見つけるの早かったですね?)』



_______ふふん〜でしょ〜!!めっちゃ速いスピードであちこち飛び回ったんだよぉ〜!!



想像が容易くついてしまう光景に、思わず笑いが零れました。



_______ねえねえ何見てたの〜??面白い本〜??



『(ああ…そうですね。聖女の誕生について描かれた本を見つけまして。)』



ルークは聖女について知っているのでしょうか。そう思い問いかけようとしたら、ふわふわと浮いていた丸い光はその動きをとめていました。


ルーク?と呼びかけても、反応がありません。心配になりもう一度声をかけようとしたら、弾けるようにぱっと明るい声が響きました。



_______あ〜!ひどいよ皇女様〜!!僕とのかくれんぼそっちのけに本読んじゃってぇ〜!!



人間の姿であれば、ぽかぽかと叩かれていたであろう。光の玉が数回ぶつかってきます。綿のような感触で全く痛くはありませんが。


先程のルークの反応が少し気がかりですが、存在自体がまだ謎なのに、深く聞くことは避けた方がいいのかもしれませんね。



『(ごめんなさい、許してくれますか?次は集中して遊びますね。)』



_______もう〜仕方ないなぁ!明日もかくれんぼしてくれたら許すよぉ〜!!



『(ふふ、ありがとうございます。明日こそ負けませんよ。)』



_______あー!言ったねぇ〜!!絶対僕が勝つもん!!負けないよぉー!!



まあ、この本はもう少し大きくなったら自分で読みに来たらいい話です。

今は拗ねかけているルークのご機嫌をとらなければいけませんからね。


このままルークにお部屋までワープしてもらい、いつもより少し長い一日の幕を閉じました。


ああ、そういえば忘れてました。


もう瞼が重くてあと数秒で寝落ちるので、また明日ルークに伝えたいと思います。


皇女様じゃなくて、ルティーと呼んでもらえたらと。
















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