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12. スチュワード公爵家

すみません、魔法を使えるようになったお話を飛ばしてしまいました。急に魔法が出てきて、混乱させてしまって申し訳ございません……


また改めてお話を載せたいとおもいます。

僕はルカージュ・スチュワード。

バルシア大帝国の中でも、スチュワード公爵家といえば皇家の次に高貴な家と言われている。はるか昔、当時の皇帝の妹が降嫁したことによってスチュワード公爵家は皇家と深い繋がりを持っている。


つまり、薄いが、僕の中にも確かに皇家の血は入っているということ。


スチュワード公爵家は代々、最も皇家に忠実であるとされており、それは今でも変わらない。

僕が目指すは、次期皇帝であるエドリック皇太子殿下様の忠実な臣下になり、そして皇家をお守りすること。


偶然にも、僕と皇太子殿下は同じ歳のため、4歳の頃から親交を始めた。恐れ多くも、友人という立場にも立たせてもらっている。表では勿論殿下と臣下という立場でお話をさせてもらっているが、監視の目がない空間では、彼のことをエド、そして彼も僕のことをルカと呼んでくれている。


そんなエドは、なんといおう。6年前にお生まれになった皇女殿下様__ルティシア様を大層可愛がっているよう。

僕との時間は基本、皇女殿下様のお話。それはもう、台本を考えてきたのではないかと疑うほどに細かく、一語一句丁寧に伝えてくれる。


彼が皇女殿下様のことが大好きなのは十二分伝わった。唯一の友人である彼が幸せそうならそれでいい。皇女殿下様ともに皇家を守るのが僕の使命。



「坊っちゃま…申し訳ございません…っ」


「一体何を……なっ!?」



あろうかと、寝室という気の緩んだ空間にて、信用していた執事の1人が裏切った。目眩が酷く、世界が回り、意識が朦朧とした。


そして、目が覚めると、両手を縛られたまま馬車の上に乗せられていた。雑に運ばれたのだろう、擦り傷が所々目立つ。



(スチュワード公爵家の一員として、なんて情けない…っ)



どうにか逃げる方法を考えてみるも、この拘束には魔力抑制がかかっている。自力じゃ解けそうにない。

馬車がおよそ約1-2時間ほど走った感覚だった。


突然目の前が光だしたかと思えば、天使が舞い降りた。



「あれ、ここは…」



艶やかで波打つ銀色の美しい髪の毛にサファイアのような宝石の瞳。

いや、そんなはずはない。だが、友人が常に口にしているあの方の姿のまんまだし、平民が着れるドレスでもない。僕は、一瞬にして彼女の正体を知ってしまった。


なぜ彼女がこんな所へ?そもそもどうってこんな深夜に森の奥へ…?何がなんでも彼女を元の場所へ送り届かなければいけない。彼女の身に何かあってはいけない。


「あなた、怪我が…!」


その方は僕の怪我を見ると、慌てて駆け寄ってくれた。まるで小鳥の歌声のような可愛らしい声……いや、そんな場合じゃないはず。


何も言えない僕に、彼女は目を細め、優しく微笑んだ。


「しー。大丈夫ですよ。私がかならずお助けするので。」


……やはり天使なのかもしれない。いや、天使で間違いない。こんな天使と巡り会えて、僕は今世の運を使い果たしたのだろうか。


彼女の行動は素早かった。ひとりじゃ解けなかった紐も、彼女の手によって解かれ、馬車から降りる問題も、彼女の繊細な魔法のコントロールによって難なく解決した。


彼女は自分のことを身分を隠してルティと名乗ってくれた。今年で6つのはずが、頭の切れているところはやはり友人の妹だと思わざるを得なかった。


馬車からおりてからは、不敬は置いといて、彼女のことを運ばせてもらった。見た感じ、さっきの魔法で体力がだいぶ削られているようで、本人は隠しているつもりだけど、ここはどうか僕にもかっこつけさせてほしい。



「少し危ないですが、木々の中を通りましょう。少しは見つかりにくいと思います。」


「はい。賛成です。」



せっかく馬車から降りれたんだ。一刻も早く逃げきれなければいけない。


音をなるべく立てないように移動をしていれば、少し遠くから人の声が聞こえた。



「もう、気づかれたのですか…っ」



ぎゅっと、僕の首に回した手に力が入った。まだ小さいのに、怖くないわけない。それも、きっと外へ出たことがない彼女のことだ……


親友のことも脳内に浮かび、この命にかえてもこの方を守らなければ。



「ルティ、大丈夫だよ。君のことは必ず僕が守るから。それに多分、もうすぐ助けが来ると思う。」


「ルカ様……はい。ありがとうございます。私も、ルカ様のことまもりますね」



ああ、やっぱりこの方は天からの使いに違いない。

尊きお方、あの方が溺愛している理由も十分わかった。



「ふふ、ありがとうございます。ですがそれでは僕の首が飛びます。さ、急ぎますので捕まっててくださいね。」



僕の言葉に首を傾げる彼女の姿、それもまた可愛らしかった。


助けが来るまで、君の騎士役は僕に任せてね。





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