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9話 惨敗と

おはよ、こんちゃ、ばんは〜。

この回だけは。

ただただ圧倒的だった。



全日本中学大会決勝。

相手は宮城県代表、鳥山中学校。

俺たちの海島中学も、鳥山中学も、今までにないほどレベルの高いメンバーが集結し、誰もが歴史に残る名勝負を期待した。

だが蓋を開けてみると、それは蹂躪だった。


絶対的エースの白羽トビを中心とした速攻中心の戦略を前に、海島中学は一セットも取ることなく敗北した。


それでも、ここまではまだ良かった。ここまでなら、今までにも無かった話ではない。負けのないチームなんてものは無い。どんなに強くてもミスはするし、時の運なんてこともある。実力差だって、試合当日にはもうどうしようもないことだ。だから、ここまでなら良かったんだ。


「なんだ、この程度か。」


白羽トビが、まるで音頭を取るように大きな声で発したその言葉は、誰がどう聞いても侮辱だった。場内がザワつく中、言葉は続く。


「どうしたってんだよ海島は。2年連続の優勝校、しかも今季が最強って聞いてたから楽しみにしてたのによ!やる気あんのかって感じだぜ。」


鳥山の他の選手が静止しても、白羽トビは止まらず、罵声を高らかにあげ続けた。

結局、両脇を抱えられて退場となるまで声が止むことはなかった。


その声に、チームメイトは肩を震わせたり、血筋を浮かび上がらせたり。その反応はバラバラだったけど、思っていることは一つだった。


「悔しい」


そしてその感情を一番強く持ったのが、コートに立ってすらいなかった、俺だった。

許せなかった。あんな熱を持った仲間を、こんなふうに侮辱されて。今までにない激情がこみ上げてきて、目の前がほのかに赤く染まる。立っていられないほどの怒りからくる震えが、視界を揺らす。

それでも俺は、白羽トビが退場していった方を見続けた。必ず、必ずや負かしてみせると。倒して、訂正させてみせると。


その時のこの思いが俺を突き動かしてるなんて、多分誰も思わないだろうけど。


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