6話 そして、本当のスタートへ
おはよ、こんちゃ、ばんは〜。
このあいさつ、元ネタがわかる人は同年代説ある。
「俺たちはよくやってきた。去年を捨ててまで、この大会に賭けた。そして今、俺たちは最高の状態でここにいる。なら、地に伏すことがあるか?いや、ないだろ。」
ここだけは、部長ヅラでちゃんとしたことを言おうと決めていた。それが、これからの俺のスタートに必要だと思ったから。
「あとは勝つだけだ!もう、俺から言うことはなにもない!決勝までは、好き勝手やろうぜ!」
楽しむってのは、強い。俺はずっとそう言ってきたし、本当にそうなんだと思う。
最高級のジャンプでも、超精度のトスでも、楽しいと感じる気持ちを砕くことはできない。
結局、なんでも楽しめる奴が一番強くて、一番幸せなんだ。そして、楽しむっていうのは、熱だ。
勝とうぜキャプテン!
過ぎし日に感じてた熱とはまた違う、でも確実なあつさをはらんだ皆の目が、語りかける。その目の熱からは、たとえ一人になったとしても燃え続けるような、そんな力を感じた。
だから俺は、それらの目に同じ熱量の目で返す。
もちろんだ。勝って俺らは、全国に行く。
決意を同じくして、志高く。同じ目をして、それぞれの力を出しきる。もう言葉は必要ない。俺たちは、一つだ。
そう確信して、俺たちはコートに入る。
初めてのコートは、思ったよりも緊張しなかった。こいつらがいるから?それとも、相手がアイツじゃないから?この際、そんなことはどうでも良かった。俺はこれで、やっと。
スタートラインに立った。
適当なメンバーではここにさえ立てなかった。
ここに立つための予選があるとかないとか、そういうことじゃない。
こいつらと立つから、ここがスタートラインになり得るんだ。
やる。やれる。やってやる。
全身が、自信で満ちあふれていく。
「おっしゃぁぁぁぁぁぁやるぞぉぉぉ!!」
試合開始のホイッスルよりもなによりも、俺の咆哮がコート上を盛り上げる。
さあ、スタートだ。




