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5話 「あの人はただの人」

おはよ、こんちゃ、ばんは〜。

シュッッバンッッズドォン……

Q.あの、今崎選手にインタビューしたいんですが、今はどちらにいらっしゃいますか?


A.インタビューですか!?嫌だ私選手でも無いのに!それに今日メイク薄いし……


Q.いえ、あの……今崎選手はどちらに……


A.でもいいわ!答えてあげる!ドンと来なさい!


Q.いまさk…


A.どうせ部長のことでしょ?賑わうよね〜。あんなことしちゃ。あれが部長の力だって分かって取材してんのがどれだけいるのかは知らないけどさ。ところでさ、私、部長の裏の顔たくさん知ってるけど、聞いてかない?


次に私がインタビューをすることになったのは、今崎選手……ではなく、マネージャーの麻木湊さん。インタビューの予定は全く無かった彼女だったが、そのおかげで、私は彼への理解を少しだけ深めることができるかもしれないと、心が踊った。


「彼はね、ただの人間よ。」


チームメイトにすら悪魔だと呼ばれていた彼を、第一声から人間だと言い否定する物言いに、私は心底驚いた。と同時に、心を踊らせておいて正解だったとも思った。

そして、続く言葉を息を呑んで待った。

今ならどんな言葉が飛んできても期待を裏切らないような、そんな絶対無敵な空気だった。


「彼はね……ん……うん……ん〜…………」



「んー……えっとね……ほら……いや……」


……ためが長い。この子、何で葛藤してるのかは知らないけど、異常に葛藤が長い。


「やっぱだめだわ。忘れて。」


このときの私の落胆の大きさと言ったら、それはもう凄まじいものだった。もしかすると、人生で一番だったかもしれない。いや、それは言い過ぎか。

ともあれ彼女は、今崎選手の居場所を伝えるだけして、そそくさと去っていってしまった。

あんなフリをしておいて、本当に何も話さないでいなくなるんかい。

その態度から「彼女は将来大物になるかもしれない」と思ったが、私はその言葉をぐっと自分の中にとどめておくことにした。

なんでかって?それは、負けた気がするからよ。


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