3話 「あれはね、悪魔ですよ。」
おはよ、こんちゃ、ばんは〜。
ちなみに、コンマ1秒は0.1秒だぞ!流石に知ってるだろうけどな!
Q.現在のチームメイトでもあるお二人から見た彼は、どのような印象ですか?
A.彼?あー、あいつね。あれはね、悪魔ですよ。
だっておかしくないですか?あいつ、未経験の僕達をいきなりコートに引きずりこんだんですよ?
まあ、そのおかげでここに立ててるってのはあるんで、感謝はしてますけど……なぁ?
A.ああ!あいつは正真正銘の悪魔だったさ。味方でもおっかねえったらありゃしねえ。あー、違うぞ?怒るのが怖いとかじゃねえんだ。あいつは、なんだろうな。言葉に出来ないような「炎」があいつの内にはある気がしてよ。あいつのメニューには逆らう気になれねえし、あいつの思惑は外れた試しがねえ。もち、まじでこんなことになるとは思ってなかったけどよ。間近で見てる時間がなげえと、「まああいつならやっちまうかもな」とも思えちまうわけよ。
Q.昨年の大会には姿も形もなかった神城台高校ですが、やはり彼が起爆剤となったのでしょうか?私には正直、目立つプレーをしてるわけでもない彼がこうも話題に上がるというのがよく分からなくてですね……お二人のほうが、目立った強みがある気がするのですが。
A.そうですか。お言葉はありがたいですが、彼を超える人間なんて、多分この日本には居ませんよ。僕達はただ、彼を信じて跳んでるだけですから。極端な話、目をつぶって跳んで適当に手を振ったとしても、彼ならそれに合わせて、ちゃんと決まるような玉をあげますよ。
A.ああそうだぜ。俺たちは、あいつの駒だ。
あいつ一人じゃゲームは成立しない。あと5人居なけりゃ、コートに立つことも叶わない。だから、あいつは自分の手足のように俺らを使ってんだ。俺があいつの言う通りにしようがしなかろうが、それも全部あいつの手のひらの上なんだよ。
味方なのにこええってのは、こういうのもな。
あいつが起爆剤になったかどうかってとこは、俺らなんかよりイマサキ先輩に聞くといいぞ。おもしれえ話が聞けるはずだ。ついでに意気込みもな。俺らはあいつの言う通り、楽しむだけだからよ。
入学当初から同じクラスで、彼が誘ったことで才能を開いた二人に話を聞いた。二人とも巧みな打ち分けと鉄壁のブロックが武器の選手で、素人の私から見ると、この二人が一番活躍していたような感じがしていた。でも、違うらしい。
二人とも声を揃えて言ったのは、自分たちは彼の駒であるということ。謙遜やその類ではない、本当にそうなんだという真実を語る口で発せられたその言葉の本当の凄さを、私はまだ知らないのだった。




