2話 スタート
おはよ、こんちゃ、ばんは〜。
スポーツで一番強いのって結局、場を見る力ダヨネ。
俺の朝は、多分どこの同い年よりも早い。
3時半に起床し、日の出る前からストレッチ、ランニング。4時半に朝食を食べたら、またストレッチをしてから、今度は学校に向かってランニングを始める。家から学校までの距離は、大体自転車で1時間くらい。それをランニングで毎日。
学校に着いたら、まず朝練の準備をしてから自主練。朝練が始まるまでの間は、去年を思い出しながら壁を相手にトスを繰り返す。
「おは〜。やっぱはえぇなぁ〜。」
「真面目ちゃんだよねほんとっ。おはよ。」
「おーい誰だくつ箱間違えてんの!」
そうしてるうちに、続々と部員が集まってくる。
3年生1人、2年生8人、そして1年生0人の、かなり小規模な部活。ただでさえ小規模だったこの部活の士気を上げたのは、入学初日だったかな。
あー、当時はもっと少なくて大変だったわ。そういえば。
「部長をやらせてください」
入学初日、俺は部室を訪ねるやいなや、開口一番にこんなことを申し出た。
もちろん先輩はドン引きだ。
当時は2年だった今崎先輩を始め、今はもういない2つ上の先輩たちも、揃って金魚のように口をパクパクさせてた。
正直、結構面白かった。例えるなら……ああ、違う違う。悪いね。ついつい話がそれちゃうんだ。えーと、ああそうだ。
とりあえずひとしきり驚いたあとに、先輩はこう言った。
「入部すらしてない一年に、部長なんてやらせられるか。」
そりゃ、そうだよね。彼らだって彼らなりの熱を持ってやってるわけだし。でも、昔の俺ならまだしも、今の俺には引けない理由があったからさ。
3対3で、俺のチームが勝ったら部長をやらせてください。って言ったんだ。
まあ勝てるわけもないだろってことで試合が始まるんだけど、そこで問題が一つ。こっちのチームメイトがいないと。
だから、君を誘いに行ったんだよね。
そう。俺は君と梓希君を誘って、上級生に挑んだ。そして、勝った。君と梓希君はもちろん初心者だったから、悪いことをしたなとは思ったけどさ。二人とも思ったとおりよく動けるし、付け焼き刃とはとても思えなかったよ。結果的には入部してくれたし、楽しかったってことでいいよね?
そう、それで俺は、晴れて部長になった。
ある一つの目標を掲げてね。




