4月は嘘をつかない
なんて言うんだろう、なんか鳥肌立つストーリー書きたいなーって思ってサラーっと書いた
冬の寒さが残る3月末。ふと出かけようと思い、近所を歩き回る。子供の頃に遊んでいた公園を覗き込むと、長い髪の女性が立っていた。
「こんばんは、勇さん。」
女性はそう語りかけてきた。
「こんばんは、僕はあなたの名前を知りませんが、どうして僕の名を?」
あまりの唐突な出来事だったが、脊髄反射で、率直に聞いてしまった。
「ふふっ、どうしてでしょうね?」
「信じてもらえるかはわかりませんが、私は10年前に死んだ、遥香です。」
「はい?」
その言葉を機にふと蘇る、あの頃の記憶。
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10年前、僕と遥香は小学生だった。放課後、今いる公園で一緒に遊んでいた。
「ねーねー遥香ちゃん、僕たち大人になっても一緒にいられるかなー?」
「大丈夫だよ!私はいつでも勇君と一緒にいるよ!」
「ほんとー?約束ね!」
その一連のやり取りを誰かに見られていたのか、学校中で話題になっていた。
『やーい!勇は遥香が好きなんだー!』
『ええー?ほんとー?』
「ち、ちが…」
『好きなんだろー?告白しちまえよー!笑』
「そ、そんなわけないだろ!嫌いだよ!」
今日は4月1日だ。午後になったら本当のことを遥香に話そう。そう思ったその瞬間、廊下からとても悲しそうな顔をしてこちらを見ている遥香を見てしまった。
「あっ…遥香ちゃ…「私のこと、本当は嫌いだったんだね!勇君なんかもう知らない!バカ!」
遥香は学校から飛び出し、横断歩道を渡ろうとした時、運悪く、居眠り運転中のトラックに突っ込まれ、即死した。
僕はその日から、引きこもるようになった。人を傷つけるような嘘ももう二度とつかないと、心に固く誓った。
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まさか、その遥香が、この目の前にいる…?いや、そんな馬鹿な話あるわけが
「信じてもらえるわけないよね、生まれ返るなんてファンタジーじゃあるまいし」
「でも本当なんだよ、勇君。覚えてる?大人になっても、ずっと一緒にいるって約束。」
「まぁ、うん…え?本当に遥香なの…?なんで…」
「なんで私が生まれ変わったのか、理由はわからない。でも、ここにいるのは確かだよ。」
「もしも本当なら、本当にあの遥香なら、謝らせてほしい。僕は到底許されざることを遥香に言ってしまった…遥香を傷つけ、殺してしまった…本当に…ごめん…」
「ううん、勇君は悪くないよ。嘘だったんだもんね、あれ。むしろ、私の方が謝りたいくらい。」
「なんで…」
「だって、いつでも一緒にいるって約束したのに、その約束が守れなかったから。ごめんね、勇君。ひとりぼっちにさせちゃって。」
「ううっ…遥香ぁ…」
「よしよし…」
僕は、情けないくらいに、涙が枯れるほどに泣いた。
「どう?そろそろ落ち着いた?」
「うん、ごめん。情けないところ見せちゃって。」
「ところで、今何時かわかる?」
「ちょっと待ってね…ちょうど12時回ったよ。」
「そっか。今日は何の日か、覚えてる?」
「うん。覚えてる。」
「うん、良かった。それじゃ…僕は、遥香のことが嫌いだ。一生近寄らないでくれ。」
僕はそう言って、手を差し出す。そして、遥香は僕の行動をわかっていたかのように、黙って手を取る。
そうして、僕は人生で二回目の嘘をついた。
なんか序盤はコレジャナイ感半端ないけど気にしない!w