プロローグ
あーあ。何かいい事ないかなー。
例えば、急にアニメの世界に飛ばされたり、天井から100万円が降ってきたり……。
最近は不運なことばかりだ。
ゲームに1万円課金したのにガチャで爆死し、気晴らしに映画を見に行けば、真ん中のいい席が全部とられていて、端っこの微妙な席ばかりが残っている。
「はあ、なんで俺ばっかりこんなことに……。」
いや、多分俺以外にも同じ目に合っている人は、たくさんいるだろう。でも、いざ自分が合ってみると自分だけみたいな感じに思ってしまう。あー、この現象、どうにか出来ないのかね。
さらにため息がこぼれる。
「どうしたの〜?ため息ついちゃって。何かあったんに?」
同級生の柳原だ。
独特な語尾、茶髪のツインテールのほのぼの系のやつ。
俺は今までにあったことを全て柳原に話した。
「いやいや〜、きっと光鶴くん以外にも同じ現象にあってる人は、少なく見積もっても世界に1億人はいるんじゃないんに?」
それは俺が十分わかってるから言うなよ。
こいつも考えることは同じか。
「はあ……。」
さらにため息がこぼれる。
「あら?私のアドバイスは納得いかなかったんに?まあいつまでもため息をついててはしょうがない。切り替えも大事んに!」
ガッツポーズをしながらドヤ顔で言われた。
「まあ、そうだな。」
柳原はたまにむかつく事を言うけど、中身は良い人だから何かあったらこいつに相談するのが1番いい。俺は、相談した後にいつも思う。
そんなこんなで、今日も不運だった俺はまたゲームのガチャを引き、爆死した。