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疑惑

お久しぶりです!!エタってないですよ!!これからもじゃんじゃん投稿していきます!まだまだ文章が幼稚ですが、感想やブクマをして頂いたら泣いて喜びます!!よろしくお願いします!

「ずいぶんと楽しんでたようやな兄ちゃん?」

「おかげさまで」


風呂から上がると服部さんがニタニタしながら出迎えてくれた。


「おにーちゃん!気持ちよかったね!」


いや、俺は別のほうが気持ちよくなってしまったんだが・・・。


「まあ、服部さんもお風呂行ってきてください、そのままだと臭いですよ?」

「そ、そうやな!すまんやで」


その場でパンツ一丁になりはじめた。おじさんの裸は結衣の教育に悪いのでやめてください。


--------


服部さんが戻ってくると同時に石沢さんが料理を運んできてくれた。


「うお!鍋か!!ええな!」

「ウチの山で取れたんですよ、沢山食べてください」


ええな!といってる割には服部さんが寂しそうな顔をしている。なにかあるのだろうか?


「酒・・・なんてないやろか?」

「申し訳ありません、そこまでは・・・」

「すまんすまん!さあさあ食べようで!」


仕方ないだろう、こんな非常事態にこんな食事を取れるだけ奇跡だと思う。俺たちがここまで生き延びていれているのは運がよかったからだし、誰かが死ぬ可能性もあった。


「おにーちゃん!早く食べよ!」

「ほらほら、焦りすぎてのどに詰まらせるなよ」

「はーい!!」


それに俺と結衣だけだったら、避難所で死んでいたかもしれない。ここの村に猟友会が無かったらゾンビ化した村人に噛まれていたかもしれない。


「本当、皆さんありがとうございます」

「兄ちゃん!礼は生き残ったときにすればええ!あと死ぬ時や!」

「そうですね・・・!はい!」


-------


さて、問題の時間となってしまった。


「お兄ちゃん?そっちは違う部屋だよ?」

「いや、こっちであってるよ結衣」


結衣がヤンデレの如く迫ってくる。


「一緒じゃないとやだ」

「一人のほうがゆっくり寝れるだろ?」

「お兄ちゃんと離れると死ぬ」

「ここは安全だぞ」

「結衣寂しい」


あーあ、どうしようか。ここでは夜襲われる可能性は少ないし、結衣と寝たら別のほうで襲われそうだし。


「ええやろ、寝てあげな!」


服部さんもグルか!服部さん絶対分かって言ってるだろ・・・。


「で、でも」


バン!!!と遠くから短い銃声。多分猟友会の人が村に迫るゾンビを撃ったのだろう。


「三人で寝るか」


結衣は残念そうだったが服部さんの意見に従うことにした。


---------


翌日、結衣と何気なく外に出ると他にこの村に逃げてきた家族を見つけた。お年寄りのおじいちゃんと夫婦と五歳くらいの子供。


「おねえちゃん!あそぼ!」


結衣を見つけると小さい子供が寄ってきた。男の子だ。結衣が嬉しそうに男の子の頭を撫でる。手に包帯をしているようだけど転んだのかな?


「すみませーーん!うちの子が!」


母親が走って迎えに来た。30代くらいの優しそうな人だ。


「こら!俊一!勝手に動き回るなって言ったじゃない!」

「ごめんなさい・・・」


昔のことを思い出すな。俺も結衣と遊びまわって母さんに怒られたっけ?


「かわいい子ですね!ここに避難されてきたんですか?」

「はい!たまたま家族で旅行してたので・・。運よくここに逃げ込んだんです」


旅行か・・。楽しいはずなのにこんなことになって最悪だろうな。


「おばあちゃんは家で留守番なんだよ!」


男の子が放った言葉で場の空気が凍りついた。今頃おばあちゃんがどうなっているか簡単に想像がつく。


「母は足が悪くて・・・。無事ならいいのですが」


母親が悲しそうな目をする。この人だって分かっているだろう、生きてる可能性が低い事は。


その家族が去った後、結衣が辛そうな顔で言った。


「神様っているのかな」

「いるんじゃないか?大丈夫、きっと助かる」


すこしくらい気分のまま家に戻ると服部さんがなにやら作っていた。


「なに作ってるんですか?」

「ハンマーや!」


たまたま家の中にあったレンガを使ってハンマーを作っているらしい。シャベルと包丁だけではちょっと安心できないみたいだ。そういえば結衣はなにも攻撃手段を持っていないな。


「結衣の身を守るものないんですけど、結衣のハンマーって・・・」

「結衣ちゃんにはこれや!」


服部さんが取り出したのはガスバーナーだった。


「これなら力なくてもいけるやろ?」

「でも私・・・怖くて」

「大丈夫や、俺と兄ちゃんで結衣ちゃんには極力戦わせない、いざって時だけや」


結衣に戦わせる場面がくるのだけは勘弁したい。もし結衣が噛まれたら俺は結衣を殺せない。


「結衣、ちゃんと守るから、お守りとして持っていてくれ」

「うん・・・」


だが今のところこの村が安全な限りは戦う必要はない。だが時折聞こえる猟友会の発砲音もだんだん多くなっている気がする。気を抜くのは厳禁だ。


自分のせいでこの人たちを殺させたくない。








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