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狂気の始まり

少し間が空いてしまってすみません。ブックマークついに50突破しました!!!本当にありがとうございます!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!

避難所を脱出してから2日間がたった、今俺たちは車の中にあった地図帳で見つけた人の少ない農村に避難するためずっと車を走らせている。食料は幸い服部さんが車の中に隠し持っていた大量のおかしのおかげでなんとかなっているが、水はもう残り少なくなってきた。


「服部さん、あとどのくらいで着きそうですか?」

「今日中には着くと思うんやけど、どうした?」

「いや、服部さんずっと運転しっぱなしだから心配で」

「お!兄ちゃんワイの心配してくれてたんか!すまんなあ」

「寝る時の見張りもずっとお任せしっぱなしですみません」

「ええんや、兄ちゃんにはいざとなった時に助けてもらわないといけないから体力残しておいてもらわへんと」


避難所を脱出して今に至るまでずっと服部さんにお世話になりっぱなしなのだ。寝るときの見張りや、運転も全部だ、きっと俺と結衣がまだ子供だから大人としてやってくれているんだろうと思う。


「そういえば今から行く農村は山の中にあるらしいんやけど・・・」

「どうしました?」

「なんか村に近づくにつれてゾンビ減っている気はせんか?」

「ええ、まあたしかに」


たしかに変だ。つい数時間前まで車の窓からちらほら見えていたゾンビが今は全く見えない。


「きっと今から行く農村には人が少なすぎてゾンビが少ないんじゃないんですかね」

「そうやな!がはは!」


服部さんと話していると俺の膝の上で寝ていた結衣が突然飛び起きた。


「お、お兄ちゃん!うう・・・・」

「ど、どうした結衣?」

「お兄ちゃんが死んじゃったかと・・・うう・・」

「大丈夫、夢だぞ結衣。俺は死なないから大丈夫だ」

「うん・・・うん・・・」


きっと悪夢を見たんだ、ここ最近まともなところで寝てないし疲れが取れないせいだろう。


「おにーちゃん!ぎゅーして」

「はいはい、ぎゅーーー」


つい最近から結衣の俺に対するスキンシップが異常どころではない。なにをするにもずっと引っ付いてきて、昨晩なんかトイレをしようとすこし結衣から離れただけでギャン泣きだった。


「結衣ちゃんは本当に兄ちゃんのことが大好きなんやな!!!がはは!」

「うん!!!大好きだよ!!!」

「ゆ、結衣・・・」

「がはは!おい兄ちゃん!村に着くまでまだかかるし、結衣ちゃんと一緒に寝てやったらどうだ?」

「ええ?でも・・・」

「お兄ちゃん寝よー!」


結衣は俺に抱きついて押し倒してきた。


「まあいいか・・・、おやすみ」

「うん!!おやすみ!」




数時間後


「おい!兄ちゃん結衣ちゃん!起きろ!ついたで!」

「う・・・はい・・・」


ゆっくりまぶたをあけ起き上がると車は止まっており。どうやら本当に着いたみたいだった。


「おい結衣ついたぞ!おきて!」

「うにゅー・・・うん・・・」


車から降り、ゆいとしっかり手をつないだあと服部さんはシャベルを構え俺は包丁を握り締める。


「不気味やな・・・何もいないみたいや・・」

「どこから襲って来るかわかりません、気を抜かずにいきましょう」

「そうやな」


山道を慎重に登っていくと立ち入り禁止の看板がたってある所についた。


「立ち入り禁止ってかいてあるんやが・・」

「でもここを通らないと村にはいけませんし、行きましょう」

「そ、そうやな」


慎重に進んでいく、だがその瞬間足元から網が飛び出してきた。


「トラップ!?」

「嘘やろ!?」


気づいたときにはもう遅かった。周りから猟銃をもった男たち数人が飛び出してきてこちらに銃口を向けている。しばらくにらみ合ったあと安心したように


「おい!全員銃をおろせ!こいつらはゾンビじゃない!」


ハチマキを巻いたリーダーのような男がこちらに近づいてくる。


「あの、お兄さん大丈夫ですか、私滝本猟友会の石沢 勇司いしざわゆうしといいます。」

「は、はい・・・」

「すみませんいきなり網で引っ掛けたりして、ゾンビかと思って・・・」

「あの・・・ここに避難させてもらいたくてきたんですけど・・」

「ああ、受け入れてますよ」


受け入れているという言葉をきいて俺たちはホッと息をつく。


「あの・・・あなたたちは村を守ってる方たちですよね?ここは安全なんですか?」

「はい!安全ですよ、混乱が起きたとき村長から村の警備を猟友会に頼まれて、なんとか村の中の安全は確保できています。」

「そうですか!」

「でもまず避難者は村役場に登録してから通す決まりなのでちょっと付いてきてください」


そう言われ、石沢さんについていくとだんだん村が見えてきた、村の中はまるでゾンビなど発生していなかったかのようにいつもどうり生活している。子供たちは駆け回り、大人たちは農作業をしている。


「うわあ!すごいですね・・・!まるで別世界ですよ!」

「そうやな!」

「ええ、村の周りは猟友会が24時間警備してるので安全です。たぶん日本で一番安全なんじゃないでしょうか、あはは」


しばらく歩いていると村で一番大きな建物についた


「中に入って、どうぞ」

「どうも」


中に入ると石沢さんが横長の四角がたくさん書いてある紙を渡してきた、何個か名前が書いてあるし他にも避難してきた人はいるみたいだ。


「ここの欄に3人のお名前を書いてくれたら登録は完了です。」

「ああ・・・、こんなかんじで大丈夫ですか」

「はい、大丈夫です」


名前を書き終えると石沢さんは俺たちをあるところに案内してくれた。


「ここの家を使ってください!」

「こんな大きな家丸々つかっていいんですか!?」

「やったねおにーちゃん!」

「ほんまありがたいなあ」


石沢さんは「空き家ばっかりだから」といって鍵を渡してくれた。ほんとうにありがたい。


「本当にお世話になっちゃってすみません」

「いえいえ」


本当にここは別世界みたいだ。なにもなかったかのように・・・

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