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崩壊

投稿が丸一日空いてしまってすみません!見てくださっている方々本当にありがとうございます!感想やご指摘があったらぜひ教えてください!ドンドン取り入れていきます!ブクマも増えてきて嬉しいばかりです。これからも頑張っていくのでよろしくお願いします!

俺と結衣が避難所に来てから1週間が経ったがあれから状況はますます悪くなるばかりだ。助けに来るはずの自衛隊が壊滅したとか首相が感染したとか戦術核兵器がおとされるかもとかそんな話ばっかりだ。


「兄ちゃん、最近全然良いニュースねえなあ」

「そうですねえ・・・そのせいでここにいる人たちほとんど生きる希望を失ってます」


唯一救いなのがまだテレビがつながっていて、ここを警備している人たちがなんとか死んでいないことだ。


「ここに備蓄している食料も危ないらしいしなあ、ここも限界かな」


服部さんの言うとおりだ、食料の削減のために1日3食配給されていた食料が2食になったりしている。避難所の中の雰囲気は最悪だ。


「おい兄ちゃんあそこ見てみろ、またバカが出たみたいだぞ」


服部さんの指差す方向を見てみると若い男性が何やら叫けびながら玄関の方に走っていく。


「またお決まりのパターンですか」


お決まりのパターンというのはここでの生活に耐えられなくなった人が外に出て、外で警備している警察官に捕まるというきまったパターンである。



だが、今日は違った・・・・。



「うわああああああああああああああ!!!!」


突然の悲鳴に首を振り向けると、そこにはさっきの若い男性が誰かに押し倒されて悲鳴をあげている。


「ゾ、ゾンビ・・・・!?」

「な、なんで中に入ってきとるんや!警備している人たちはどうしたんや!」


バン!!!!バン!!!!


鋭い銃声が鳴り響く。


〈皆さん!!!!!落ち着いてください!!!!〉


声をあげているのはたまたま中にいた工藤さんだった、その手には拳銃が握られている。


「ダメだ!!!!!!俺たちはもう死ぬんだ!!!!!!!」


誰かがヤケを起こして叫んでいる。


〈大丈夫です!!!〉


工藤さんがうまくこの場を収めようとしているが・・・・・もう遅かった。


ガブッ!!!!!!!グチャ・・・・


さっき撃たれたはずのゾンビが背後から工藤さんに噛み付いている。


〈うああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!〉


もうその場はパニックだった、外からもゾンビは流れ込んでくる。


「おい!!!兄ちゃん逃げるで!!!」

「は、はい!!!!行くぞ結衣!!!」


隣で爆睡していた結衣を叩き起こして背負う。


「玄関口はもうダメや!!!!裏口からいくで!!!」

「ど、どこか逃げるあてがあるんですか?」

「裏に避難してくるときに乗ってきたわいの車がある!!!!」


服部さんと息を合わせて裏口のドアをぶち破る。


「あった!!!この車や!!!」


服部さんが走っていく方向には白い軽自動車があった。


「二人とも!!!早く乗り込め!!!」

「は、はい!!!!!」


結衣と俺は後部座席に乗り込む。


「よ、よし!!!いくで!!!」


服部さんがエンジンをかけようとするが・・・・かからない。


「服部さん!!!エンジンが!!」

「わかってる!!!くそ!このぼろ車が!」


ブルル・・・・ブルル


「くそ!!!かかりやがれ!!!」

「ゾンビがこっちにきます!!!」

「くそおおおおおお!!!」


ブルルルルルルルル!!!!!!!


「よし!!かかった!!いくで!!シートベルトしめときや!」


服部さんはそういうと急発進させる。


「あの!前にゾンビの群れが!」

「いっくでええええ!」


バコ!バコ!バコ!


ゾンビの群れを力ずくで薙ぎ払っていく。数分後、俺たちは無事に避難所を脱出することができていた。


「はあ・・・はあ・・・」

「おにーちゃん?なんでこんなことになっているの?」


まだねぼけている結衣には状況が理解できていないようだった。


「避難所が襲われて・・・まあいい、あとでちゃんと説明する」

「うん・・・」


服部さんのほうを見ると青い顔をしながら運転している。


「あの・・・大丈夫ですか服部さん」

「大丈夫やで、でもゾンビといえども人を轢く感触は気持ち悪いな」

「服部さん・・・」

「そんなことよりどこに行けばええんやろうか」

「そうですね、とりあえず人の少ないところに行きましょう。たとえば・・・農村とか」

「わかったで!!」


なぜ人の少ないところに行こうとしたのか、それは人が少ないところだったら必然的にゾンビの数も減るからである。離島とか無人島とかそういうところに逃げたほうが安全なのだろうがいまはそんな贅沢は言ってられない。


「・・・そういえば、服部さんってこうなる前はなにしてたんですか?」

「お、わいか?わいは漁師やってた。」

「そうなんですか!他にご家族は?」

「両親はとっくに死んだ。嫁はゾンビになったから・・・・わいが殺した、この手で。息子は・・・一人暮らししてるはずだが連絡が取れん」

「ご、ごめんなさい、立ち入ったことを聞いて・・」

「ええんやで」


なんで気づかずにきいてしまったのだろう、こんな状況じゃ死んでることぐらいわかってたはずなのに。


「それよりも兄ちゃん、今は生き残ることを考えようで」

「は、はい!!!」


そうだ、今は何としてでも生き残らないと、どんな手を使ってでも。

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