ルシフェル現る
漆原さんは堕天使ルシフェルでした。今は神として働いています。
この世界では神に戻るシステムをなんというのでしょうか?
詳しいところは誰も知らないんですが、細かいことは気にしてもしょうがないんです。
ヒンドゥーの神々や邪神達もいることですし、なかなかのカオスっぷりでしょう。
「おい、そこの新人悪魔。うちの若いのが言ったことは忘れとけ」
やっぱり口外しちゃまずいんですかね?
「俺が言ったことも忘れとけ……お前んとこの社長にはよろしく言っておくから」
え、もう遅いですよ。もう投稿済みですよこれ。
「」天使のサングラスがずれ落ちる。
「兄さん、ちょっとこっち来てや」黒瓜さんが呆れ顔である。
――打ち合わせ中――
「おい、そこの新人悪魔。うちの若いのが言ったことは忘れとけ」
やっぱり口外しちゃまずいんですかね?
「俺が言ったことも忘れとけ……お前んとこの社長にはよろしく言っておくから」
社長とお知り合いですか?
「昔は俺の下で働いてたからな、アイツ」
昔ってどれぐらいですか?うちの社長も元神様だったってことですか?
「ちげーよ。俺が堕天使だったころの話だよ。で、お前はあいつの下にいつからいるの?」
もう十年になりますねえ、一向に転生者が来ないんでいつまでも新人扱いですが。
「ここじゃなんだからよ。うちの事務所で話そうぜ。あぁ黒瓜はついてこなくていいぞ」
――ところ変わって第三天宝ビル別館――
おおぅ!はじめて来たけど神様の事務所ってあれだな……雑居ビルぽいな。
入り口の側に朱色で鳥居のペイントがあるのが、いい感じに下町っぽさをだしてるな。
「このビルも創造主が作ったらしいぞ。名前込みで」
漆原さんは慣れた手つきで急須にお湯を入れる。お茶を出してくれるようだ。
「チャイしかないけどいいか?その辺の適当につまんでいいぞ」
あぁ、インドのお茶ね。芝さんとかも来るんですかね、ヒンドゥーの神々多いもんな。
「ご名答、つっても来るのはカリーぐらいだ。あぁ、カレーせんべいもあるぞ」
おお!懐かしいこの味!日本人ならお茶にせんべい、ちょっと味違うけどいいね、なつかしいね。
「気に入ってくれたか。下のコンビニで売ってるから買っていけよ。まあ俺の店だから」
え?コンビニオーナー?ちょっとちょっと、世界観が崩れるとかさっき打ち合わせしませんでした?
「あぁやっちまったな。もういいよいいよ。ぶっちゃけようぜ?」
このひと軽いな。
「で、どうなのよ?やったの?あいつとやったの?」
うわぁ、いきなり。黒瓜さんよりひどいわ。
「あいつよりまし!一緒にするな!で、どうなのよ?」
まぁ、やってますけど…毎日……
「はぁ?毎日ってうらやましいねー。俺と中身入れかわらね?アハッ」
神の威厳もないな。黒瓜さんで慣れてるから気楽でいいか。
「おっと、こんな話のために連れてきたんじゃないぞ。これだよこれ!」
漆原さんが差し出してきたのは、肌色の目立つパンフレットだった。
「ドキッ!筋肉だらけのプールサイド!女王はキミだ!」
なんですかこれ?頭沸いてますか?わけわかんないっすよ。
「ちょっと天界のイベント事業に手を出そうと思って企画してるのよ」
今まで黙っていた天使が資料を山のように積んで言った。
「これらは今までのボツ案だよ、ひどいもんだよ。頭が沸いてるってこういうのだよ」
天使も容赦ないな。漆原さん怒らないのかな。
「ひどいのはわかってる。でもな、新規事業だし!初めてだし!初めては痛いもんだし!」
頭イタイ、帰っていいですか?