あっ!女神様?
いろいろあるけどまずはこの世界について説明しますかね。
この世界、実は神も悪魔もみんな地球人の転生らしい。
創造主がはじめに宇宙を作り…ぶっちゃけた話が、シ○シティ、シ○アース。
あんなゲームみたいなもんだ。
そして神と悪魔が創造主によって連れてこられた。
が、この創造主も現代日本人の転生じゃないかと俺はにらんでる。
いろいろ怪しい点がある。
初期の神と悪魔は基本的に創造主のサポートでしかなく、色々と大変だったらしい。
一つ目の星がようやく人類誕生、文明発展とある程度軌道に乗ったところで
「ちょっと他のことやるわ。しばらく好きにしていいよ。」
と創造主は放置気味なんだそうだ。
まあ大変だったとは思う。
そこに行き着くまでに神と悪魔のグループをそれぞれ10以上作り上げたのだから。
創造主は神も悪魔も会社として組織を作った。
大雑把にいえば社長、中間管理職、平社員として。
ちなみに大魔王様もうちの会社の社長です。
本名は言ってはならないらしいので色々とメンドくさい。
業務として人の幸福を利益とする神、人の不幸を利益とする悪魔、それぞれの利益を受ける創造主。
この関係さえ崩れなかったらいいらしい。
そして創造主の上にもまだまだ沢山の上位世界が続く、というのだから気の遠くなる話だ。
我々は上位世界に干渉できないからまったくわからないけどもこの世界は一番最下層という。
さて、頭が痛くなる話はここまでにして、俺の転生についてはもう一度きちんと話しておこうか。
タクシーに飛び込んだという話から行こう。
あのときの俺はフリーターだったんだけど働いていたのはR18指定な商品を扱っていたところだ。
○×書店とか$¥書店とかそんな感じ。童貞だったけど。
そんな中で同人、ラノベ、アニメ系なんかを担当していた。
当然のように長時間労働、おまけに給料は安いと。
それでも自分の推してる作品や作家さんのブースを作ったりと、色々と好きにやらせてもらった仕事だった。
コスプレフロア担当の腐女子ちゃんとの仲も良かったしな!
それでも俺の心は荒んでいった。
それからの俺はいつの間にか、どんどんおかしくなっていった。
仕事を押しつけられた。自分の世界に逃げた。
痴漢に間違われた。自分の世界に逃げた。
親が死んだ。自分の世界に逃げた。
眠れない。自分の世界に逃げた。
常に自分の世界に逃げていた。
「トラックに撥ねられれば異世界転生」
あのときの最後の希望だった。異世界に逃げたかった。童貞なのは変わらないけど。
そしてあの日のことだった。
即売会後の同人誌大量入荷、徹夜でブースを組んでそのまま開店。
とにかく押し寄せるお客さんの熱気に当てられまともな思考を奪われ、ちょっと休憩に出たところでトラックの前を走るタクシーに飛び込んだのだ。
目が覚めたときには女神様がいた。
いや、それが大魔王様だったのだがこのときはまだわからなかった。
そして悪魔転生についてこう言った。
[あぁ…あなたの望んでるチート、っていうんですか。あのようなものはございませんので]
当然である。そもそも転生先が人間社会ではないのだ。
[でもちょっとした願いなら聞いてあげますけどどうしましょう?]
このときはほんとうに困った。
なにしろ悪魔だ。
悪魔の常識なんて何も知らないしこの現代世界の常識、考えが通用するわけがない。
でも一つだけ言えることがあった。
「あなたとずっと一緒にいたいです!」と。
見た目、声にしぐさと何をとってもこのときの大魔王様はどストライク!
俺にとっての女神様だった。
[ウヒャヒャヒャヒャ!ヒーッヒーッヒー!!!]
爆笑だった。
[お前なにいってんのー?ウェーッヒャッハハー]
気がつけば大魔王様の格好がどう見てもサキュバスに変わっていた。
[ヒーヒー…まあいっか、とりあえずあんたの臭いは我慢できないわ。童貞臭プンプンさせてもう!あたしにとって童貞はこれ以上ないご馳走よ!]
そして俺は大魔王様に精を吸い尽くされ、何度も何度も殺されたのだった。
大魔王様の見た目はベ○ダンディだと思っていただけたら幸いです。