表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

マイナー邪神

また関西弁です

 邪神アペプは協会所属だ。

 なんというか存在感の無いというか、影が薄い、な。

 あ”あ”あ”~~~~!!!


 取り乱してすまん。俺は阿礼素太黒瓜(あれいすたくろうり)だ。みんな知ってのとおり大魔術師だ。

 わけあって新人悪魔ダックィの仕事に関わらせてもらっている。

 今日は協会のことを中心にお話させていただこうと思う。

 そもそも、漆原(るしはら)の野郎が

 「お前は来なくていい」なんて言うもんやからのぉぉ~!ハァハァ

 あのボケだけはいつかいわしたんねん!!!フンッ


 あぁ、個人的なことだ、気にしないでくれ。話を元に戻そう。


 まず手っ取り早いところから紹介をはじめようと思ったんだ。

 で、目に付いたのがアペプだったというわけだ。

 アペプはエジプト神話の悪の代表とでも言うかな、太陽神ラーに対するものだ。知らんか?知らんわな。

 アポフィスとも呼ばれている闇と混沌の象徴。ラー以前の太陽神でもあり、太陽神の座をラーに奪われてから悪に走ったとされる。

 簡単に言えばエリートコースを踏み外した奴ってこっちゃ。

 見た目は大蛇。読者の皆さんにはヤマタノオロチさんのほうが馴染みがあるか?

 ここまでは設定な? 設定やで! 大事なのはここから!!

 転移前の人生がここでの役割に影響するんで、ちょうどいいのがアペプだったというわけ。

 どんな人生かって? 気になるよな、気にならん言うほうがおかしいわな。

 まあまあええとこの会社の社長やってたらしいわ。競合がほとんどおらん業界、らしいわ。

 でもな、あるとき社員の一派が離反して会社立ち上げた。

 そいつらいとも簡単に業績上げよって、あれよあれよいう間に業界トップ取ったんやて。

 そらあ社長としてはムナクソ悪い話やで。御伽噺やったらこっから復活やろけど、そんな矢先にこの世界に引っ張られたらしいわ。

 せやからはじめはうらみつらみでひどいもんやったらしいで。

 創造主も普通の悪魔になってもらおう思ったら、「気に入らん」って逆ギレされて邪神枠に収めようとしてもこれまた、そんでいろいろ調べてこうなったいう話や。

 でもな、アペプやで。知名度全然無しはキッツいで。後から来たクトゥルフ勢に押されて今や協会でひっそり余生をおくっとる。この世界につれてこられたときの選択肢を間違えた、とでも言えばいいか。


 肩こってかなわんな。今日の仕事はこれくらいにしとくわ、はぁ……だっるいわ~


「おい、ちゃんと仕事しろよ」


 アペプさんはダンディな声で突っ込んだ。


「なんや、起きとったん?途中で入ってこいや」


「お前、割り込まれたらブチ切れるタイプだろうが」


「仕事やからかめへんて、そんなんやから後輩にナメられるんやで! いっぺんシメたったらええのに!」


「……そういうタイプじゃないから」


「邪神やけど中身はエエおっさんやもんな、嫌いちゃうで。なぁ……今日も行くか?」


 黒瓜さんはコップを傾けるしぐさをする


「いつものとこか?」


 そうして二人は歓楽街へ繰り出していくのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ