アドベント
秋高田ノブ菜
女の子みたいな名前であるが俺は男なのだ
生まれてかれこれ17年、彼女は未だにいない、絶賛募集中、イケメンではない、頭脳明晰でもない
さらに夢はない、昔はJリーグを目指していたが、思ってたより面倒くさそうだったのでやめたことがあった
そんな俺でも結構人生は楽しくやれているのだ
友達や仲間がいる、家に帰れば少々騒がしいが愛しい家族が迎えてくれる、なにも不自由に感じていない
なんやワイは幸福者やったんやな
ー2014年12月31日ー
年末年始は一人でひっそり祝う、それは自分との約束
寂寥感などない、むしろ暖かい
男は1人になった時に真の姿が現れると言われている、だから真の姿で新年を迎えることに意義を感じていたりする
おっとそんなこと考えてる間にカウントダウン始まる
3…2…1…
-その刹那、時は止まった-
目の前に鎮座するアナログ時計は23:59:59を指して微動だにしなかった
ラストセカンドというところで時計が壊れたのか
こりゃ新年早々笑い話が一つ増えたな
しかしそういった獲得感はあまり実感できない
何かがおかしいのだ、日本は2015年を迎えてるのか?
まさか30日にカウントダウンしていたのか…
焦燥感が背筋を駆ける
今はいつなのだ…
時が分からないとはもどかしいものである
「やぁ青年」
「ふもっふ!?」
背後には杖をついた老人………いや、こいつはただの老人ではない…俺は直感した、こいつは神様だと…
「あ、アンタ…神様か?」
「いかにも私が全知全能の神ゼウスだ」
「HAHA」
ダマサレタ大賞2015が俺に何の用があるというのだ
「それで愚民の俺に何か?」
「手短に言おう、日本が2015年を迎えた瞬間、この世界はもろとも消える、それを防いでくれ」
荒唐無稽な要求に俺は「あ」という声も出やしなかった
よし、冷静沈着に話を進めることにしよう
質問タイムの幕開けや
「神が人類を滅するんじゃないのか?」
「確かに我々はお前たちを創造した、しかしそれは命令に従ったが故にとった行動だ」
「命令…?神を統べる者の命じということか?」
「それが誰かは分からないのだ、突然その声が聞こえてきて強制的に命令通り我々は動く」
「神の神…いや、そういった感じでもないな」
「我々はその者を『管理者』と呼ぶ」
「ほーん、でソイツが人類を滅ぼすのか?」
「実はおかしい話なのだ、そのエドュは我々神に2015年を迎えた瞬間この世界消えると教えてきたのだ」
「ん?わざわざおしえてきたのか?」
「そうだ、しかもそれを回避しろと命じてきた」
「…管理者達には止められないということか?」
「おそらく、そうであろう
そして彼らはこう付け足した」
「まだなんかあるのか」
「『1975年に回避する方法を知った人間がいる』と」
「1975年………?39年前!?」
「詳しいことはよく分かっていない」
「それで俺はどうすればいい」
「1975年に飛んで、回避の方法を聞き出す」
「タイムスリップするってことか?、そんなこと…実際にできるのか?」
「我々は人類にとって絶対的に超越している存在だ、よって時間溯行等たやすいことだ」
「しかし、俺がわざわざ聞きにいくよりも
アンタ達神々が直接聞けばいいんじゃないのか?」
「いい質問だ、我々はある特権を持った人間としか対話できない、その人物はその権利がないのだ」
「俺にそんな特権があるのか…」
「日本にも昔"ヒミコ"ってヤツがいたよ」
「ヒミコは本当に神の声を聞いていたのかよ…」
「なんだ信じてなかったのか」
「俺たちにとって神はそんなもんなんだよ」
「かなしいなぁ…」
「で、回避の方法に気づいたヤツは誰なんだ」
「名前はジャック・サマーソルトJr.」
「なんか強そうな名前だな」
「彼は1975年にタイムマシンを作ることに成功する」
「は!?、もうできてたの!?」
「そうだ、しかし彼はタイムスリップはしようとしなかった、別のものに興味が湧いたのだ、」
「別のもの?」
「この世界の仕組みだよ、おそらく彼はタイムマシンを作る過程で気づいたんだ」
「それで?」
「追及してる内に消えた」
「消えた?、行方不明ってことか?」
「それが…何が起こったのか分かっていないのだ」
「全知全能が聞いて呆れるぜ…」
「我々にも分からないことは結構あるのだよ」
「で、俺は何をすればいいんだっけ」
「私は君を1975年、彼が消える前に送る、そして君は聞き出して解決というわけだ」
「簡単に聞こえるな」
「まぁ簡単だな、しかし何が起こるか分からん、用心せねばならん」
「まぁ、俺しかいないならやるしかないか…」
「よし、じゃあ早速飛ぶぞ」
「ちょ、心の準備……!」
がまだできてねえ!!
といい終える前に、視界は暗転した。