最低最悪な奴等
「へっくし!!」
「ぶへぇっくしょい!!」
盛大に派手なくしゃみをする女と男。その一軒家には、小鳥の囀りが和やかな、旭に照らされ朝露が宝玉のように煌めく麗らかな早朝を台無しにする醜い人間の姿があった。
何だか凄く失礼なことを言われたような気がして、二人は怪訝そうな表情で汚ならしく、女は鼻をかみ、男は鼻をすすった。
女の名は久遠満里子、男の名は久遠勉。二人は夫婦である。
「……大丈夫?」
そんな二人に無表情に声を掛ける、美人で可憐な少女が一人。
儚げな印象を与えるこの美しい女の子は、久遠小夜子。何をどうひっくり返したらこんな両親からこんな子供が生まれるのかと思うくらい、整っている。
彼女は大人しい方の部類に入り、基本的に無表情で何処か影があり、読めない感じがするが、根はとても優しい子である。それこそ命を賭して自分が生まれる前に死んだ悪霊に真っ向から立ち向かい、自分が生まれる前に起きた事件に真っ向から向き合い、友人だけでなく悪霊さえ助けようとし、友人は助けられなかったがその芯の強さで悪霊により相次いでいた不審死の怪事件を解決してしまうほどに。因みに表現ではない。実はこの子、先日悪霊と闘って生還を果たしたばかりである。
小夜子は生まれつき“死者の死ぬ前の夢”を見てしまう異能力を望まずして備えており、その夢は死者の無念を晴らすまで見続けることになってしまうのだ。
例えば死者がその時“生きたい”と思っていたならば、小夜子が夢の中で当事者になって生還を果たし、死者が望む結末に導くということである。そしてそれは命の危機を伴う。あまりに死者の望む結末に導けなければ、怒った死者に殺されてしまうなどの可能性を伴うからだ。
そんな地獄のような悪夢をほぼ毎晩のように見続けて神経を、精神を磨り減らしている娘の現状を知り、この最低夫婦はあろうことか小夜子の能力を使って金儲けすることを思い付き、“成仏屋”なんてダサい名前の胡散臭い商売を始め出した。
無論、両親が勝手に請け負った仕事を命を掛けて実際に処理するのは小夜子一人である。商売を始めた張本人の二人は好き勝手小夜子を応援するだけ。貰ったお金は遊びなり生活費なりにするから、小夜子が自由に使うことはできない。しようとも思っていないが。兎に角、最悪である。
しかもそれまでは小夜子に無関心だった両親は、成仏屋を始めてから急に小夜子を大事にするようになった。現金に現金を重ねた現金のグレードアップ版、正に超絶現金な素晴らしい両親なのである!
「ふぇえっくしッ!!」
今度は二人同時に穢らしく汚ならしいくしゃみをする。
「誰か噂してるのかしら……」
「うぅ、風邪かなぁ……」
バカ二人は会話中ブシィィイ、ズビィイー、という食欲もなくなるような下品な音を立てているが、伊達に十四年間この両親の下で育っていないと言わんばかりに、小夜子は無表情に朝食を口にしていた。猛者だった。
そして小夜子と共に朝食を食べながら――ここで特記しておきたいのは朝食中、度々ズビズビィイイイッと鼻をかんでいたことであるが、それ以前に喋りながら食べているせいで口の中のものが見えているし、喋る度に唾が飛んでいるのだからそもそも今更問題になるから問題はなかったのだが――両親が話していたのは、小夜子が友人を三人も失い、自分も幾度か死に掛けた悲惨な事件を解決したことで入って来た大金でどう遊ぶかの相談だった。勿論、遊ぶのは両親だけで小夜子は少しお小遣いを貰えるがそれだけだ。
自称“小夜子の親友”であるあの収集家の奇人変人少女が「なんというか君の両親はこう問答無用で蹴り飛ばしたくなるのだね」と快活に笑っていたことがあったのだが、それはこの両親のこういうところを知っているからこそである。親は大事にしなさいという言葉があるが、この時ばかりは誰も少女に説教はできそうにない。というかしちゃ駄目である。代わりに誰かこの両親に、子は大事にしなさいと言って欲しいものだ。
「ご馳走さま」
両親の口の中のものが見えていたり唾が飛び交っている凄惨な現状をものともしない小夜子は、満里子が適当に作った、本人は気付いていないがやや味の悪い手抜き朝食を文句どころか不満の表情一つ見せず完食する。勿論、小夜子はあまり食事中に話さないし、話す時は口に手を当てて話す。
「行って来ます」
そうして、目覚ましも兼ねた食後のコーヒーを飲み終えた小夜子は、そう挨拶していつも通り学校へ向かった。
あの事件で小夜子は悪霊に軽い交通事故並の勢いで吹っ飛ばされて大木に叩き付けられたり、体が跳ね上がって地面に思い切り叩き付けられたり、友人を庇って腕に深々とナイフの刃が食い込んだりと散々死ぬ思いをしたので、適当な口実を作って何日か検査入院していた。だからその体には痛々しく湿布やガーゼが貼られていたり、瘡蓋や痣が目立っていたのだが両親はやはりバカなのか、
「行ってらっしゃーい」
と怠そうに送り出して遊びの話を再開していた。やはり“現金”な二人は金が入れば小夜子のことなどどうでも良いらしい。
このバカ親二人が虐待を疑われて、慌てて弁解するも慌てているせいで更に怪しいと児童相談所に家庭訪問された上に近所のおばちゃん達に好き勝手噂されたことで周囲から排斥されて絶望するのはまだ先の話である。
「最近、おかしいのよね。家の中のものが毎日少しずつ動いているように感じて……。気のせいだと良いんだけど……」
「そ、それアレじゃないか! 良くホラー漫画とかであるじゃないか! 留守中に家に入り込んで、ベッドの下とかクローゼットの中とかに隠れてるっていうやつ!」
「でもうちにはベッドの下にもクローゼットにも人が隠れられそうなほどのスペースはないよ」
小夜子が学校へ行ってから暫く後、満里子と勉はそんな阿呆トークを交わしていた。
この“家の中のものが毎日少しずつ動いている”現象は、満里子の言うように気のせいでも勉の言うように都市伝説のようなことでもないのだが、二人はまだそれを知らない。
「そう言えばあなた仕事は良いの?」
「ん、今日は遅出勤なんだよ。言わなかったっけ?」
「言ってなかったような気がするけど覚えてないわ。うふふ」
「あはは」
何か“恋人同士の他愛ない朝の一時”みたいな感じで二人和やかに笑っちゃっているが、満里子は専業主婦で実質収入ゼロであるし、実は子会社の平社員である勉の収入はこいつ等が勝手に始めた成仏屋で小夜子が稼いでいる金額をかなり下回っている。
因みに小夜子が先日解決した例の事件は、咲願峠という山に存在する願溜寺という廃寺を中心としてその周辺で不審死が多発しているというものだったが、その咲願峠を管理する“卆吝中央管理会”という宗教法人から今回の件を感謝され、何百万という大金を付与されている。その金額は子会社の平社員である勉の年収を遥かに上回っていた。
だが当の本人はそのことを男として親として恥じるどころか、単純に大金を喜ぶという救いようのなさ。何処までも恥ずかしい親だった。
「そう言えば」
小夜子が稼いだお金で買った少し洒落たデザインのTシャツを着て、小夜子が稼いだお金で買ったお値段高めのコーヒーを小夜子が稼いだお金で買ったティーカップで飲んでいた満里子は、思い出したかのように一度宙を見てから話し出す。
「この前、喫茶店で小夜子のこと見掛けてさ。声掛けようかと思ったんだけど……知らない女の人と一緒に居たのよね」
「友達じゃないのか?」
小夜子が稼いだお金で買ったポロシャツを着た勉は、小夜子が稼いだお金で取っている新聞を読みながらそう答える。テーブルの上に置いてある、いつも仕事に着けていっている愛用のブランドものの腕時計は、小夜子の稼いだお金で買ったものだ。
……全部、小夜子のお金だった。勉が稼いだお金は一体、何処へ行っているのだろう。実は自分達の老後のための貯金に回していた。
「友達な訳ないでしょ。どう見ても二十代前半だわよ。しかもスタイル抜群のかなりの美人さん! 小夜子にあんな知り合いができていたなんてねぇ……友達も少なかったのに」
「小夜子の友達って……死んじゃったあの二人だけだったよな? 確か十花ちゃんと真弓ちゃんだっけ? あれ、でももう一人居たような……」
「その二人だけでしょ。他に誰も見たことないわよ。あの子、暗いから友達居ないじゃない」
二人は小夜子の親友を自称する変人少女を知らないからそれは間違ってないが、実は死んでしまった友人二人の他、もう一人友人が居た。満里子と勉も、そのもう一人が“存在自体なかったことになってこの世界から消えてしまう”までは当然知っていたのだが、やはり忘れてしまっていた。小夜子だけは、覚えているが。
それにしてもこの女、自分の娘に対してさらりと酷いことを言った。確かに小夜子は影のある女の子であるし、友達は少ないのだが。
「というかその女の人、大丈夫なのか? 何か危ない人じゃないのか? 何処でどうやって知り合ったんだろうな……友達の親戚とか知り合いとかなら分かるが。……心配だな」
「そうねぇ……。小夜子が居ないと私達、贅沢できなくなるし……」
「そう言えば最近お前、小夜子の部屋掃除してないんじゃないか? 何かあるかも知れないぞ!」
「そうか……そうね! 小夜子に掃除は自分でするって言われてるから面倒だし最近は入ってなかったんだけど……」
ということで二人は小夜子の部屋を、年頃の娘の部屋を無遠慮に探索することになった。やっぱり最低最悪である。
普通の娘だったらギャーギャー騒がれて当然の行為だが、虐待されている訳でもないのに、小夜子は絶対に両親に逆らわないし、寧ろ当然のように受け入れる。小夜子がもし何かするのなら、申し分程度に「勝手に漁られるのは……ちょっと嫌かな……」と一言を告げるくらいだろう。二人もそれが分かっているから、こんな頭のおかしい行動に出る。
二人は二階の小夜子の部屋に移動する。
落ち着きのあるデザインの絨毯に、横長テーブル。銀のポールで繋がった黒のラックには小説が並べられ、勉強机を見れば教科書やノート、筆記具、ノートパソコンなどがきちんと収納されている。テレビ台の代わりの一段ボックスの上には、小型の液晶テレビ。
一見、几帳面な男の子の部屋に見えるのは、置いてある家具が殆ど黒で統一されていることと、女の子の部屋にしてはシンプルすぎるせいだろう。ぬいぐるみの一つもなければ、置いてあるクッションは茶とベージュのブロックチェック柄である。
そんないつもと変わりない小夜子の部屋を見回した二人は――。
「整理整頓はされてるけど……やっぱりなんかもうちょっと女の子らしく、可愛らしくできないのかなって思うわ」
「そうだなぁ。ちょっとシンプルすぎるよな。まあ、性格通りの部屋っちゃそうだが……」
頬に手を当てながら困ったように溜息混じりに感想を漏らす満里子に、顎をさすりながら同意する勉。
誰かお前らのせいだと教えてあげて欲しい。小夜子は元来、目を離したらいつの間にか消えてしまいそうな、そんな“儚さ”を生まれ持った女の子であるが、芯の強さと菩薩のような優しさを持っているのだ。自分は毎晩悪夢を見て追い詰められている現状なのに、小夜子は友人が幸せそうにしているのを見ると嬉しそうに微笑む。元々そういう子である。だからつまりこいつ等の無関心な育て方が原因で自然と冷めた性格になってしまったのだが、どうやらバカには自覚がないらしい。
「あれ?」
そんな風に好き勝手感想を漏らしていた満里子だったが、先ほどまで小夜子が寝ていたであろうベッドの上に布団がないことを疑問に思う。が、答えは直ぐに出た。開いている窓を見ると、干してあったのだ。
「あ、そう言えば! 小夜子の布団とか全然洗濯したり干したりしてなかったわ」
「そう言えばこの前、小夜子が学校から帰って来たあと大きな袋抱えてランドリーに行ってたような。あれ布団だったんじゃないか〜?」
「あら、じゃあ自分で洗濯してたのね〜。すっかり忘れてたわ〜」
二人は顔を見合わせ、やっちゃったテヘッとでも言いそうな感じに笑い合う。無条件でぶん殴ってやりたい姿だった。
中学生にもなれば手伝いをしたり、たまに母親がやるべきことを子供がやるのは普通にあることで、その場合は子供が良い子であると言えるが、満里子は仕事をしている訳でもない専業主婦でありながら家事がこのように手抜きすぎる訳であり、小夜子は良い子と言うよりも偉人と言えた。というかそもそも“たまに”ではないし、その前に満里子はほぼ何もしていないから小夜子がやってることは“手伝い”ではない。
学校へ行き、当たり前である勉学を普通に頑張る手前、決して当たり前とは言えない家事もこなす。やっぱり猛者だった。彼女は、二人が以前腹が減ったからと小夜子が学校から帰宅する前に外食をし、小夜子には何も言わずに夕飯をすっかり忘れていた時も、やはり文句どころか不満の顔一つ見せず黙って自炊していた。しかも材料代はお小遣いを計算して使っている。
実は満里子の本気料理よりも見た目的にも味的にも上手いということを本人は知らない。
因みにここで特記しておきたいのは、前の晩食べた夕飯の食器洗いは学校から帰って来たあとに小夜子がやっているし、ついでに言ってしまえば学校へ行く前に両親より早めに起きて洗剤と柔軟剤を入れて洗濯機を回しているのも小夜子である。満里子は朝食を作る時、当たり前のように洗い物がなく快適な流しで食器を使っているし、当たり前のように洗濯機から湿った洗濯物を怠そうに干しているし、マジで面倒な時はランドリーに持って行っておりほぼ何もしていないが。
そして小夜子が学校に、勉が仕事に行っている間、満里子は掃除などしているが、ちょっと掃除機を掛けるだけで家がとても綺麗なのは小夜子が汚れを見付ける度に雑巾で拭いているからだということを知らない。本人は自身が掃除上手だと思っている。……掃除機を掛けるだけでハタキも雑巾も使わない掃除の何処が掃除上手なのか。どうやら思考が常人とは違うらしい。
小夜子の家事休暇は基本的に、身勝手な二人が身勝手に始めた成仏屋の仕事で毎晩悪夢を見なければならない時だけである。小夜子が何も言わない偉人なだけで、精神的な虐待だと訴えられてもおかしくない事実にバカ二人は気付いていない。
「ん? おい、満里子! これ見ろ!」
「ん〜? え、これって……」
そんな泣けるほど良い偉い娘の部屋を無遠慮に踏み荒らす気狂い二人は、横長テーブルにバラさずに置かれていた何枚かの紙を見付ける。
それは全て空手や護身術、柔道など格闘技のパンフレットであった。何れも女子も歓迎とか初心者の方も丁寧に教えますなどと言う表記が目立つもの。更に、一日の筋トレのメニューを小夜子らしく丁寧に手書きで記してあるノートまであった。
「さ、小夜子は本当に男の子に……」
「困ったわ、どうしましょう……。なんだかんだ女の子だと思ってたけど、これはちょっと……」
「そ、そう言えば小夜子は男の子の話とか全然しないよな……女の子の話はするが……。お前が喫茶店で見掛けたのだって女の人だったんだろ……?」
「ま……まさか……同性愛とかじゃないわよね!?」
「なっ……!?」
本気で悩んでいる二人だが無論、誤解である。これは友人を三人も失ってしまった小夜子が、夢の異能力を宿しているとはいえ自分は所詮、ただの無力な女子中学生にすぎないと思い知らされたからだ。それに、満里子が喫茶店で見掛けた見知らぬ女性――今回の事件で命を掛けて小夜子に協力してくれていた人物なのだが、その人に憧れていたからでもあった。
その前に格闘技をやるから男っぽいなんてただの偏見で、女子だろうと女性だろうと身を守るために習ったりなど色々あるだろうに、何故そこから男っぽいイコール同性愛に繋げるのか謎思考だ。しかし実は筋違いという訳でもなく、満里子が喫茶店で見掛けた女性と小夜子は、事件のこともあり微妙に深い関係であることは確かだが。
そして気を取り直した二人は、更に小夜子の勉強机の引き出しの中から一枚の名刺を発見する。そこには記者と書かれており、名前、社名、連絡先が記載されていた。
「樹木……夜秋……?」
もしかしたら喫茶店で見掛けた女性かも知れない、と考える。実際そうなのだが二人は知らないし、それに、それよりも、二人は別のことに気を取られていた。
「お、お、おいこれっ! 超大手じゃないか!!」
勉が満里子の持つ名刺を覗き込みながら語気を荒げ、鼻息も荒げ、叫ぶ。その際、やっぱり唾の飛沫が飛んだが幸い名刺には掛からなかった。
名刺に“BlackWind(株)”と記してあったのだが、このブラック・ウインド株式会社というのは東京に本社を構え、業界総合でもトップの、あらゆる事業を展開する超大手会社なのだ。子会社、支社などは全国に無数に点在する。 その下に“月刊Gale編集部”と記載があり、これは言ってしまえば三流のサブカル誌を扱う子会社であるのだが、実は“ほぼ本物しか扱っていない”という裏事情がある。その関係で、あの雑誌の情報は間違いないと密かに人気を博しており、子会社と言えど収入はかなり良いし、並の人間じゃ面接に受からない。
まあそんなことは“超大手会社ブラック・ウインド”しか見えてない満里子と勉には関係ないし知らないし、取り敢えず現金な二人が反応しないはずがなかった。
「ね、ねえこのガーレ編集部って収入良いの!? エリートなのかしら!?」
「わ、分からん。調べてみよう! もしエリートなら……」
二人は顔を見合わせ、汚ならしく醜くだらしない笑みを貼り付ける。瞳に諭吉さんが浮かんでいた。言うまでもなく、もしこの見知らぬ人物がエリートで小夜子と繋がりがあるのなら小夜子を利用して金を――と企んでいるのだ。
二人は知らないが、樹木は神社で百万もする怪しげなものをあっさり購入した高収入エリートだし、小夜子はそれを思いっ切り見ているし、というかそれが小夜子と樹木の出逢いであった。
だが咲願峠での罰当たりな言動のせいで大木の精霊達に“罰当たりな両親”と言われ、小夜子は協力者である樹木に全て話しているから満里子や勉は嫌われてしまっており、更に咲願峠の山神や大木の精霊達は何か罰を与えないといけないと考えていたのだが、二人は幸せなことにその事実を知らない。
その前にガーレ編集部ではなくゲール編集部だったが、どうやら“Gale”という単語すら読めないらしい。学校を卒業して大人になり、いくら勉強する機会がなくなるからといってそれくらいの脳味噌は持っておいて欲しいものだ。
斯くして二人の“年頃の娘の部屋を勝手に物色する最低企画”は終わった。