*1* 釣れないオンナは嫌いだぁ
・・・暑い。
「じゃあこの問題・・・三滝!やってみろ!」
・・・暑すぎる。
「三滝英利!!早く答えんかコラ!!」
・・・みたき・・・!?
「ッはぃ!?」
俺、自分が呼ばれとんのに全然気づかんかった。
このクソ暑い・・・失礼、この熱気がむんむんしとる教室で授業受けても、実際のところ何も頭に入らん。
とりあえず問題解かな・・・。
「・・・y=25xに比例する式は、・・・えっと・・・比例するので・・・比例します」
教室、大爆笑。
「ンな事はわかっとるわ!比例する式を答えろッちゅうとんのや!」
それぐらいわかっとるわ!!
・・・答えわからへんけど。
しゃあない、ここは周りにおるやつらに助けてもらお!!
英利くん『タスケテビーム』発射!!
隣の綾瀬姫乃(♀、あだ名=綾姫)に見事命中!!
・・・綾姫、ドえらい綺麗なノート貸してくださいました。
「あー・・・答えは・・・(1)と(6)・・・どぅえす」
舌かんでしもた・・・。
またも大爆笑。
「静かにしろコラ!・・・三滝、座れ。正解や」
そらそうや。綾姫の答えなんやから!!
「さんきゅー綾姫!助かった!」
綾姫はクスッと笑うと、
「お礼してよ」
とおっしゃいマシタ。
「俺の所持金は只今264円ナンデスガ・・・」
「お金と違って、さ」
だんだん読めてきた!!
こいつ、「私と付き合って」って言う気やな!?
「・・・うち、秋山君のことが好きなんさ・・・。やから、今日の放課後教室に残ってくれるように、秋山君に頼んでくれへん?」
・・・俺のモテ期は、まだまだ先らしいわ。