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ブレイブ・フェザー!  作者: 斬空狼
第Ⅰ章 ~進道永路、始動~
9/35

第八翔 〜The Six Brave Wings〜

編集って難しい。

思い知らされました。


それではごゆっくりご覧ください。

『Two round One set race』


FGのレース設定機能が今回の闘いのルールを決定した。

普通の大会などでは、FGレースのルールはスタジアム側や運営側が決定したものに従うが、練習試合や私闘では、FGのCPUがその場に合ったルールを自動で決めてくれるシステムになっている。


今回は学院スタジアムを二周するレースに設定された。



「俺様に楯突いた事、後悔させてやんよ!」


「そっちこそ。つーかいちいち騒ぐな。小物」


『set up』


スタート地点に着き、CPUからの合図を待つ。

いくら小物とは言え相手は経験者だ。

勝つためには出鼻を挫くしか方法はない。


『Three』


来た!


(翼部ブースター展開!)


思考と同時に翼に内蔵されているブースターが起動し始める。


スタートダッシュで一気に突き放す。

この戦法なら経験者相手でも通用するはずだ。


『Two』


チャージ開始!


『One』


「フル…」


『GO』


「バースト!!」


掛け声と同時に周りの風景が吹っ飛んだ。


否、吹っ飛んだのは僕の方だ。


「くぅぅぅ!」


油断した。

テスト飛行の時は自分のペースで飛んでいたから気付かなかったけど、風迅って元々から出力が高いんだ。

僕はフルバーストのスピードについて行けず、ただ唸ることしか出来なかった。


「くっそぉ!」


コーナリングに失敗し、壁に激突しそうになる。


「こんちくしょーめ!」


ギリギリで脚部の姿勢制御スラスターを逆噴射させ、コースに復帰する。

しかしスタートダッシュで開いた差はコーナーで殆ど詰められてしまった。


「へっ!ビビらせやがって!!」


「う、うるさい!勝負はまだまだこれからだ!」


とは言ったものの、全開はまだ駄目だ。

パワーを抑えて、かつそれなりのスピードが出せるくらいの出力にしないと……!!


僕の思考に合わせてA.I.G.Dに最適な出力パーセンテージが表示される。


『メインブースター出力54%

脚部姿勢制御スラスター出力27%

腕部姿勢制御スラスター出力19%

出力比の変更を確認』


よし、これなら!


わずかだけど、こっちが再びリードし始める。

が、そのまま第二コーナーに差し掛かった時だった。


「くそったれがぁ!」


「!?」


ほぼ同時にターンの体勢をとったのに、タッチの差であちらがインコースに入った。


「しまった!」


あまり距離に差がない時にこういう状況になると、経験者は必ず仕掛けてくるのを僕は知っている。


「ぶっ潰す!」


「くっ!?」


ターンタックル。


コーナリング時の反動を利用して相手のFGに体当たりで攻撃する、中級者の操縦技術である。


当然まだこの機体に慣れていない僕はこの攻撃を防御する。

ブースト加速で回避するという手も有るが、この時僕は正直少しパニクっていたので、つい受けに回ってしまったのだ。


「オラァァァ!」


威勢のいい声と共に、勢いのついたタックルをぶつけてくる宮沢。


「くっ、こんのォォォ!」


負けじと僕も腕部のスラスターの出力を上げて抵抗する。


「ちいっ!」


ガードが功を奏したのか、一旦身を引いた。

僕も出力をさっきの状態に戻し再び直進を開始する。


「させるかよ!」


一方、宮沢もブースターの出力を調整したのか、一気に加速し始めた。

二周目に入り、最初のコーナー。


再び同時にコーナーに入ったものの、またもインコースを取られてしまった。


「今度こそぶっ飛ばしてやる!」


来る。

またターンタックル。

しかもさっきよりも勢いがついている。

これは、回避も防御も間に合わない!


「ひゃははは!終わりだァ!!」


やられる!


刹那。


『code.S.B.W』


「!?」


謎のコードがA.I.G.Dに表示される。

同時に風迅の二枚翼が鋭い音を立てて変形し、六枚の翼が姿を現した。


「なっ、何だこれ!?ッ痛!?」


頭の中に大量の情報の波が押し寄せてくる。

これは…風迅が?


「ふ、ふざけんな!んなもん見かけ倒しだろうが!たかだが羽が一枚や二枚増えたぐらいで、何も変わりゃしねぇ!」


突然の事に驚きながらも突っ込んでくる宮沢。


『input finished』


「…凄い…」


解る。

この翼の意味が。

どう動けばいいのかが。


そうか。

これが…。


「うおおおおおお!!!!!」


「なっ、何ぃ!!?」


六枚の翼全てに内蔵されたブースターを一気に起動させ、体当たりしてきた宮沢を押し返す。


「お、俺様が押し負けている!?く、くっそっがあァ!んなことがあってたまるかよ!!」


悪あがきと言わんばかりに更に押し返そうとする。

けど!


「ブースター、全っ開!!!」


「何ぃ!?」


「これが!風迅だぁぁぁぁ!!」



最後の抵抗を完全に押し切り、コース外へ思いっきり宮沢を弾き飛ばす。


僕の、初勝利の瞬間だった。


如何だったでしょうか。

楽しんでいただけたら幸いです。


第九翔は出来るだけ早く投稿します。


ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。

この場を借りてお礼申し上げます。


それでは、失礼致します。

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