第四翔 〜カササギの皆さんは今日も元気です〜
今回は、何て言うか、その、『アッー』な感じだよ!
『シューン』
ラボ『カササギ』専用の研究室の自動ドアが開く。
と同時にファムが僕目掛けて飛びかかって来た。
「待ってたよ永路〜!さあさあさあさあ!早く上着を脱いじゃって〜!!さっさと微調整に取りかかっちゃうよ〜〜!!」
「うわぁっ!やめろっ!ちょっ!抱きつくな!!離れろ!ってオイ!どさくさに紛れて本当に服脱がすな!!」
「うへへへへ!良いではないか良いではないか〜!!」
「言わないからな!絶対に『お殿様、お許しを〜』とか言わないからな!!つかおっさんかお前は!!!」
「えーじってばノリ悪〜い!こうなったら、鈴奈、鈴白!やっておしまい!!」
「「アイアイ・サー!!」」
「のわぁっ!!?こ、この性悪双子!!何をするだァー!」
「観念するのだ!永路っち!!」
「そうッス!大人しく服脱ぐッスよ!!」
「うあっ!?オイ!何しれっとベルト外してんだよ!!」
「いや、永路の発育具合を確認しようと思って」
「アウトだから!その発言アウトだからね!!ちょっ、お前らそれ以上はホント洒落にならない……アッー!」
10分後。
服を脱がされ、フィットスーツを着せられた僕は、『カササギ』の研究室と直結している第七格納庫にいた。FGも待機状態で置かれている。
だがそんな事は今の僕にはどうでも良かった。
「うぅぅ…僕、もうお婿にいけない…」
「ゴメンってばもう!いつまでメソメソしてるの!男でしょ!」
ノート型のPCに何かを高速で打ち込みながら、開き直るファム。
全く誰のせいと思っているんだ。
「そんな事より」
僕の貞操を『そんな事』で片付けるな。
「どう?アンタ専用FGの為に新調したB.D.Cスーツの着心地は?」
「…」
ちょっとムカついたので無視してみる。
「どうかって聞いてんのよ。シカトしてくれてんじゃないの」
「いってぇ!」
遠慮なくネジを投げられた。
どうやらコイツには勝てそうにない。
我ながらみっともないな…。
「悪くないね。ちゃんと僕の肌にあってるって感じがする」
これは素直な僕の感想だ。
「そりゃズナ達が心を込めて作ったからね!」
「肌だけじゃなくて脳波にもばっちりリンクしてるッスよ!」
そっくりなようでそこまで似てない、いわゆる二卵性双児の阿久原姉弟。
スパナのペンダントをしている方が姉の鈴奈。一人称は『ズナ』。
歯車のペンダントをしている方が弟の鈴白。一人称は『シロ』。
二人とも『カササギ』のメンバーで技術科の二年生、しかもクラスは僕と同じだ。
ファム、亜季子ちゃん、鈴奈、鈴白。
この四人で『カササギ』は結成されている。
「よし!そんじゃ早速〜!インストール!ポチっとな」
ファムが(かなり古い)掛け声と同時にPCのボタンを押すと、待機状態だったFGが変形し始めた。