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ブレイブ・フェザー!  作者: 斬空狼
第Ⅱ章 ~そうだ、長崎、行こう~
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第二十七翔 ~解放と追憶と~

大変お待たせ致しました。

それでは第二十七翔、どうぞ!

『間もなく一回戦Xブロックのレースを開始します。選手の皆さんは準備してください」


すぅ〜、はぁ〜…。

リラックスの為に数回深呼吸を繰り返す。

いよいよ僕の出番だ。

抽選の結果、僕は3番カタパルトから発進することになった。

この位置なら、好スタートがきれればイン取りが比較的楽に出来るハズ。

久宝さんにダミアンさん、そしてランバーズさんはもう二回戦進出を決めているし、僕も遅れをとるわけにはいかない。


『リフトを格納庫から定位置まで移動させるッス!』


鈴白の声に合わせて僕の身体を載せたリフトがスタート位置まで動き出す。


『リニアカタパルト接続完了ッス!』


ガタンと振動を感じ、鈴白の声に合わせて、発進用意が出来たのを知らせるシグナルがA.I.G.Dに表示された。


『永路さん、現在のスタジアム内の気候データを送りました。確認してください』


「ん、サンキュー、亜季子」


ふむ。風速1.4メートルの向かい風か…。

これなら少しブースターとスラスターの出力をあげておいた方が良いかも。


「ファム、出力少しいじるよ?」


『うーん。じゃあ、ホントに少しだけよ?あんまりいきなり飛ばすと、後になってエナジー切れ起こしたり、調子悪くなっちゃうんだから』


「おー、任せろ」


許可が出たのでA.I.G.Dを開き、各出力系を1、2%ずつ上昇させる。

これなら前半飛ばし過ぎて後々ガス欠を起こす事もないだろう。


『永路っち、何か秘策でもあるん?』


「秘策っつーより対策だね。まあそれは見てのお楽しみってことで」


『???』


何だかよくわからないと言いたげな反応をする鈴奈だったが、尋ねられる前にスタート合図のファンファーレが鳴り響いた。


『Three race One set race』


大時計が動き出したと同時にA.I.G.Dにカウントダウンが表示される。


「鈴白、頼む!」


『ラジャ!発進タイミングを永路君に譲渡!フライングと出遅れには気を付けるッスよ!』


「おう!」


父さんとランバーズさんの関係を知るためにも、このレース、負けるわけにはいかない。


『set up』


まずはスタートをしっかり決めなければ。


『15、14、13』


よし、風迅、各スラスター及びブースター起動!


『12、11』


もう少し…もう少し…。


『10、9.82…』


今だ!


「風迅、発進ッ!」


合図と同時にリニアカタパルトが作動し、僕の身体は勢い良くコースに投げ出された。

その瞬間。


「うおッ!!」


強い突風が会場全体を襲った。

このオーシャンスタジアムは海上にあるせいか、気流が乱れ易く、今みたいな突風が吹きやすい。

出力を上昇させてて正解だった。


『5、4、3』


後は、フライングにならない程度に加速するだけ!


『2、1、START』


よし、バッチリ!

『スタート正常』がA.I.G.Dの端に掲示され、フライングや出遅れが無いことを教えてくれた。

このまま一気にインコースに入ってやる!


「させん!」


「うわっ!?」


スタートにばかり気を取られていたせいか、1コースのインストーラー―――確かカナダ代表のブリザード・ヴァイパーにかなり接近を許してしまった。


「墜ちろ!」


振りかぶった手には、蛇腹剣型のツールが握られている。

直撃したら、確実にやられてしまう!


「う、おおおお!!」


こなくそぉ!

態勢反転、やるしかない!


「唸れ侍魂!秘技、真剣白刃取り!!」


「な、何ぃ!?」


で、出来ちゃった!

流石に剣を掴まれるとは思っていなかったらしく、動揺を隠せないブリザード・ヴァイパー。

悪いけど、その隙を逃がす程は甘くないぜ!


「で…りゃあああ!!」


力任せに剣ごと思い切りぶん投げる。

決定打にはならないだろうけど、他のインストーラーの気も逸らせたし、ターンを決めるには問題なくなった。


まずは第一ターン、クリア。


『よっしゃ!永路君、イケるッス!このままぶっちぎりッス!』


まるで自分の事のように興奮しまくる鈴白。

けどまだ一回目のターンが終わっただけ。

勝負はこっからだ。


一周目をそのままトップで終え、続くニ周目。


『永路さん、後方からアサルトが接近してます!』


終盤に差し掛かり、第二ターンを曲がろうとした矢先に亜季子からの通信。

A.I.G.Dのスタジアムマップで確認してみると、こちらに向けて急接近している2つの赤色の点が表示されていた。


「コレか!」


ってもう、すぐ後ろにいるじゃん!

ターンするタイミングでこういう事するとは、

誰かは知らないけど味な真似をしてくれるぜ!


『感心してる場合ッスか!避けるか迎撃するかしないと!』


慌てふためく鈴白の声が聞こえてくる。

けど避けたら順位が下がってしまいかねないし、迎撃しようにも風迅に武器ツールなんて積んでない。


『Warning!Warning!』


考えている間にもアサルトの接近を知らせるアラート音が鳴り響く。


「こ…んのぉぉぉ!!」


その時だった。


『一時的優良脳波確認。出力上昇。一部装甲拘束解除』


初めて飛んだ時のようにメッセージが現れ、同時に2枚の翼部パーツが左右共展開し、計4枚の翼に変形した。

突然過ぎてビックリだけど、これはチャンスだ。

この形態の機動力と柔軟性なら!


「いっけぇ!」


4枚全てのブースターを使っての急加速で飛んでくるアサルトを回避し、ターンでの膨らみを最小限に抑える為に右腕と脚のスラスターを出来る限りのパワーで稼働させる。


『ギッ、ギギッ!』


「うあッ!?」


いってえ…!

耐G処理機能が追いついていないのか、骨が軋む音が聞こえてきたッ…!

けどここで退くわけにはいかない!


「曲ッ…がれぇぇぇぇ!」


痛みを気合と根性でカバーしつつ、何とかかんとかターンを成功させる。


『装甲展開活動時間、限界点。展開翼を再拘束』


A.I.G.Dに新しいメッセージが表示され、4枚の翼部パーツが再度変形して元に戻った。

どうにもあの形態はかなりのエナジーを消費してしまうようで、多用は出来ないらしい。


「おっと!」


少し気を抜いていた隙にさっきのアサルトが再び攻撃を仕掛けてきた。

しつこいヤツめ!ってアレ?


「わあああ!」


…どうやらアサルトの使用者が撃墜されたようだ。

主を失ったアサルト二基がそのまま僕の傍をふらふらと落ちていく。

あ、危なかった…。


『永路君、ラスト一周ッス!このままぶっちぎりッス!』


「おう!任せってうおっ!?」


くそっ、後ろから撃って来やがった。

通信してる暇もないのかよ!


「こんにゃろう!」


咄嗟に落下中のアサルトを掴み、後方に放り投げる。

正直只の悪あがきでしかないが、何もしないよりはマシだろうーーー


「うわあああ!」


ってええ!?

何で落っこちてんの!?


『チャンスッス、永路君!』


呆気に取られているのも束の間、鈴白の通信で我に返る。

そうだ、何が起こったにせよこのチャンスを見逃す道理はない!

一つめのターンを曲がったと同時に推進系を出来るだけのパワーで起動させ、後続を振り切るーーー!


「…ッ!」


再度攻撃を仕掛けてくる他のFGには目もくれてやらない。

この時の僕の頭の中にあったのは『このレースに勝つ』と言うシンプルな思考だけだった。


「…行けッ!」


最終ターン。

これを決めれば勝てる!


「いっけえ!!風迅!!」


堪えきれず相棒の名前を叫び、鬨の声をあげた、その瞬間。

彼女が、見えた。




『え…い、じ…、』




ズキッ…!


「父……さん…?」


血の海、伸ばされた手、朱い夕日。

父さんに抱かれた少女。


「君は…誰だ…?」


ズキンッ!


「う、わああああ!!」





気が付いた時には、格納庫にいた。

いつゴールしたのかも、何位になったのかも解らない。

とにかく格納庫で生身の状態で膝をついていた。


「永…!?…える…!?永路……!?」


微かにファムの声が聞こえる。

けど、答えようにも何故か声が出ない。

何か伝えなきゃ、いけないのに。


「父…さん…」


目の前に訪れた闇はそれだけ言わせ、再び僕を包み込んだ。

トキ「お久し振りの~!」


『教えて!答えて!トキコ先生!!~春の大懺悔祭SP~』


トキ「はいどうも!MCの加賀山トキコです!いやー、皆さんお久し振りですね!久し振り過ぎて作者が私の名字とキャラを忘れる位です!後で作者の駄犬野郎には紐無しバンジーをやらせますのでそれで勘弁してやってください♪」


トキ「で、せっかくスペシャルまで付いちゃってるんでね、ゲストでも呼びましょうか!ゲストの皆さん、どうぞ~!」


ダミ&アサ&アネゴ「「「どうも~!エニー=デバンズでーす!!!」」」


トキ「はい、と言うわけで今回はエニー=デバンズの3人にお越しくださいました!」


アネゴ「つっても今のところマジで全く出番がないのはアタシくらいのモンだけどね」


トキ「そうですよね。ダミアン君は本編に絶賛出演中ですし、旭川君に至っては番外編と言う名のスピンオフまでありますし…」


アサ「先生、それは甘いです」


トキ「へ?」


アサ「確かに俺は番外編にも出てます。しかし!逆に言えば、永路視点すなわち本編では、俺たちの出番の有無は作者と永路の動き次第なんです!」


トキ「な、なんだってー!」


ダミ「俺に至っては、今回の研修が終わった後、多分30話位出てこないんじゃないかな…」


アネゴ「アンタらはまだ良い方よ。アタシなんて謎めかすだけ謎めかして、日常パートではほとんど出番がないんだから」


トキ(うわあ…皆さん本当に出番が欲しいんですね…私はこのコーナーあるから安泰ですけど♪)


デバンズ「「「今、何か言ったか!?」」


トキ「い、いえ!何も言ってません!」


アサ「まあ、と言うわけでさ。読者の皆さんも俺たちがもっと活躍出来るようにバカ作者に言ってやっといてくれよな!」


トキ「旭川君、素敵な締めをどうもありがとうございました!それでは皆様ごきげんよう!」

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