表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイブ・フェザー!  作者: 斬空狼
第Ⅰ章 ~進道永路、始動~
15/35

第十二翔 〜腕輪と猫と悩める親友〜

さてはて早めに投稿出来ました。


いつもこのペースなら良いんだけどな〜。


それではごゆっくりご覧下さい。

「すっかり遅くなっちゃったな」


あれから。

宮沢とのレースから得たデータをまとめたり、ダメージを負った部分のケアをしている内に、すっかり日が暮れてしまった。


「しっかし、不思議なモンだな」


左手をかざしながら呟く。

そこには青と白のブレスレットがあった。


「これがFGの待機形態、ねえ…」


通常、使用していない量産機や未インストール状態のFGはその場に待機するように設定されている。


しかし専用FGとなると、様々な問題が発生する場合もあるらしく、それらを未然に防ぐために待機形態と言うものになる。

この状態になるとFGは装飾品のような形で、装着者が起動させるまで待機するのだ。

使っていない時は、殻にこもるように身を隠し、いざ必要になれば姿を現す、便利な機能だ。


「あ、進道君」


しげしげと腕輪を眺めていると声をかけられた。


「ん、委員長?どうしたの?」



そこにいたのは我らがクラスの委員長、管理科所属のハイスペック16歳、御上 穂である。


「どうしたの?じゃないよ」


言うなり僕の方に『ん』とカバンと紙束を差し出して来た。


「あ、これ僕のカバン…と」


紙束には『報告書』と書かれた五枚と、それと別に『晩飯おごれ』の五文字が書かれた紙切れがあった。


「旭川君が君の机の上に置いてたから、カバンと一緒に持って来たんだけど」


…麻火、マジで書いてくれたのかよ。


アイツ本当に義理堅いな…。


普段のおちゃらけた態度とは裏腹に、麻火は絵に描いたように情が厚く、義理堅い性格をしている。


「さて、用件は済んだし自分は寮に戻るよ」


「うん。わざわざありがとう」


気にするなと言わんばかりに腕をヒラヒラ振ってその場を後にする委員長。


うーん、彼女ひょっとして僕より男らしい?


「さてと」


帰る前に職員室に寄らなきゃな。

忘れない内にさっさと…。


「あら〜進道君〜。報告書は出来た〜?」


ナイスタイミングで、加賀山先生が角から姿を現した。


「あ、加賀山先生。今ちょうど提出に行こうとしてたところです」


言って先生に紙束を手渡す。


「確かに受け取りました〜。それじゃあ遅くならない内に寮に帰るのよ〜」



「わかりました。じゃあ僕はこれで失礼します」


先生に別れの挨拶をしてその場を後にする。


それにしてもラッキーだった。

わざわざ職員室まで行く手間が省けたと言うものだ。

外はキレイな夕焼け空。

きっと明日もいい天気だろうな。


とか考えながら寮へ続く渡り廊下を歩いていると。


「ニャー」


どこからか、猫の鳴き声が聞こえてきた。


「今のは…」


呟いて鳴き声のした方向へ足を進める。


「確かこの辺から…あ、居た」


黒白がちょうどいい具合に別れた毛並みの猫。

寮に昔から住み着いているコイツは、みんなから『寮長』の名前で呼ばれ親しまれている。


「どうしたんだ寮長?お腹空いたのか?」


猫が答えるハズもないが聞いてみると。


「ミャーウ」


こちらの言葉を肯定するかのようにか細い声を発した。


「そっか。でもゴメンな。僕も食べる物持ってないんだ」


って猫相手に何話してんだ僕は。


「さて、どうしたものかな…」


何もしないで放っておくのも薄情なので取り敢えずアゴの下をくすぐっていると。


「ん?永路、何やってんだ?」


振り返ると麻火が両手に猫のエサの缶詰めを持って立っていた。


「麻火こそ。あ、それって寮長のご飯?」


「ん?ああ、そうだぜ。いつもはもう少し早くやってるんだけど、今日はちょっと、な」


「?」


心なしか麻火の様子がおかしい。

普段なら言葉を濁すような言い方はしないはずなのだが…。


そんな心配をよそに手慣れた手つきで寮長にエサを与える麻火。


「ニャー」


寮長も満足げにそれを頬張る。


「…あ、報告書ありがとうな。おかげで助かったよ」


「いいって。俺とお前の仲だろ。その代わり、晩飯はおごれよ?」


「はいはい、わかってるって」


こういうところは、相変わらずちゃっかりしてる。


やがて寮長がエサを食べ終え、気持ちよさそうにゴロゴロ喉を鳴らし始めると、麻火はスッと立ち上がっり寮の方へ歩き出した。


「?もう行くのか?」


頭くらい撫でてあげればいいのにと思いながら聞いてみる。


「ああ、ソイツは飯食べ終わったらすぐに寝ちまうんだよ。だからその邪魔はしないようにしてるんだ」


へぇ、流石に面倒見がいいな。


「じゃな。寮長」


それだけ言うと僕も麻火を追って寮へ向かった。



「そうだ。お前、専用機はどんな感じだったんだ?飛ばしたんだろう?」


「あれ?何で知ってるんだよ?」


僕は麻火には『細部を調整する』としか言ってなかったハズだ。


「御上からお前んとこがスタジアム使うって聞いてな」


ああ、なるほど。


「で、どうだったんだよ?」


うむむ、あんまり言いたくないんだけど…。


「実は…」


僕はスタジアムであった出来事の一部始終を話して聞かせた。

四季の名前は個人情報的な問題で出さなかったが。


「な〜るほど〜?またお前さんはドでっかいフラグを立てちまったわけだ」


「ふ、ふらぐ?」


何のことだ?


「あ〜いや、こっちの話だ、気にすんな」


クククッ、と明らかに笑いを堪えてる麻火。

…何か腹立つな〜。


「そういう麻火はどうなんだよ?何かあったのか?」


仕返し、と言うわけでもないが、少し気になっていたので問いかけてみる。


するとどういうわけか、さっきまでニヤケ面だった麻火の顔がみるみるうちに青ざめ、終いにはうつむいて完全に見えなくなってしまった。


「あ、麻火〜?どしたの〜?」


あまりの急激な変化に、心配になって聞いてみると。


「……が……した」


「えっ?」


何?


「親…が再…した」


何がどうしたって?


「親父が再婚したぁぁ!!」


……えっ。


「ええぇぇぇええ!?」


いかがだったでしょうか?


色々ありまして、斬鉄犬は最近死にかけております。


それでも執筆を続けれるのは、皆様のおかげでございます。


そう言えば、総アクセス数が1000人を突破しました(ヒャッハァァァ)!


本当にありがとうございました!


それでは、駄犬めはこれにて失礼いたします。


 鉄

  犬



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ