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ブレイブ・フェザー!  作者: 斬空狼
第Ⅰ章 ~進道永路、始動~
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番外編 〜旭川麻火的視点〜

今回は、前に活動報告に書いた、永路の親友である旭川麻火くんのスピンオフです。


あくまで番外編なので、読まなくても本編には支障はありませんが、読んでいただければ、もっと本編を楽しめると思います。


それではごゆっくりとご覧くださいませ。


ゆっくりしていってね!

「ま、こんなモンだろ」


俺こと旭川麻火は呟く。

本来、親友の進道永路が書くはずの報告書。

しかし、アイツは忙しそうだったので、代わりに俺が書いてやったと言う訳だ。


と、教室のドアが開いた。

永路か?


「あ、旭川くん、まだいたの?」


だが俺の予想に反して、そこにいたのは御上穂(みかみ みのり)。俺達のクラスの委員長である。

眼鏡に黒髪ロングの、いかにも優等生って感じの女子だ。


「ああ、ちょっと野暮用でね。御上こそどうした?」


俺は御上に問い掛けた。


「自分も野暮用。と言うか教室の鍵閉め」


ああ、成程。


「悪いけど、少し待っててもらえないか?多分、永路のヤツが戻って来ると思うから」


「え?進道くんもまだ帰ってないの?」


「専用機の調整だとさ。管理科に連絡行ってないのか?」


御上は俺や永路と違い、管理科に所属している。

しかも管理科は常に人手不足の為に、在学中から『アドバイザー』として仕事をこなしていかなくてはならない。

学院スタジアムの調整や生徒のスケジュール確認も管理科の仕事の一つである。


「うーん、技術科のラボの『カササギ』がスタジアムの使用許可を貰いに来てたけどそれかな?」


「『カササギ』って確か、ジルサンダー先輩のラボだっけか。じゃあそれだな」


つーかアイツ、スタジアム使うって。

いきなり飛ぶ気かよ。

厄介事に巻き込まれてなきゃいいが。


「…それにしても二人とも仲良いよね」


「永路とジルサンダー先輩か?まああの二人は幼馴染みだからな」


ジルサンダー先輩の方が一つ年上だから、仲良しと言うより姉弟みたいなものかもしれん。


「いや、そっちじゃなくて進道くんと旭川くんのこと」


あ、俺達の方か。


「そりゃあまあ、俺と永路も幼馴染みだしな」


「!?そうなの!!?」


なっ!?いきなりがっついた!?


「あ、ああ。中学は別だったけどな」


ここに入学してるって知った時はマジで驚いたっけ。


…アイツ、親父さんのこと、まだ引きずってんのかな…。


「…永×麻…。ふふふ…」


「…何か言ったか?」


「あ、いや別に何にも!」


「…ならいいが」


その割にはえらい慌て様だな。

まあ、御上が何でもないと言うのなら何でもないのだろう。


「さてっと」


席を立ち、報告書を永路の席において教室を出ようとする。


「俺はもう寮に戻るけど、御上はどうする?永路には俺から教室閉めるように言っとくけど」


「いや、自分はここで進道くんを待っておくよ」

『インスピレーションも湧いたし(ボソッ)』


……何か呟いた気がするがスルーした。


「そうか。じゃ、お先に」


ヒラヒラと手を振りながら教室を出ようとすると。


「あ、待って旭川くん」


御上が俺を呼び止めた。


「?どうした」


「その、良かったら今晩一緒に夕食でもどうかな?」


…あ〜。これがいわゆる死亡フラグってヤツか。


「悪い。晩飯は永路におごってもらう予定なんだ」


よし!これで死亡フラグ回避成功だ!流石俺!!


「そう、なんだ。じゃあやっぱりいいや…」


…あり?何この反応。

もしかして俺ってば、違うフラグを回避しちゃった?


「あ、ああ。でもまた今度、別の日にならいいけど?」


「ホントに!?」


またまたがっつく御上。

この人の食いつき所が本当にわからねぇ。


「じゃあじゃあ!」


ん!といって小指を差し出す。


「ん?…ああ、そういうこと」


一瞬、訳が解らなかったが、すぐに理解した。

子どもかよと思いつつ、同じように俺も小指を出し、御上の指に絡める。


「「指切りゲンマン、嘘付いたら「剣山」「針千本」飲〜ます。指切った」」


…あれ?今、御上、「剣山」って言わなかった?

剣山ってアレだよね?生け花で使う、針が一杯あるヤツだよね?


何で子どもっぽい約束の仕方で、一歩使い方を誤れば凶器と化す物体の名前が出て来るんだ御上?


冗談だよね?

冗談に決まってますよね御上さん!?


「ふふふっ。約束だよ?破ったら剣山飲ますからね?」

目は口ほどに物を言うってことわざ、あるだろ。アレ、本当だわ。


結局。

俺は死亡フラグを完全には回避出来なかったようでしたとさ。





如何だったでしょうか?楽しんでいただけたら幸いです。


斬鉄犬は結構こういうスピンオフものを書くのが好きです。今回も楽しく書けました。


ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。

また次回でお会いしましょう。

それでは。


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