第1話 挫折から育った者
はじめまして、MeLMyRです
初投稿です、楽しんでいただけたら嬉しいです
外国人で、日本語は勉強中です
そのため、誤字や不自然な表現があるかもしれません
あらかじめお詫びします
質問や感想、または気軽に話したいことがあれば、ぜひコメントしてください
できるだけ返信しますが、遅れることもあります
彼は 挫折から育った者だ
存在し始めた最初の頃 彼には名がなかった
名を与えられなかったからではない
ただ 誰もわざわざ名付ける必要があると思わなかった
どうせ長くは生き残れないものだと そう見られていたからだ
彼は 光の中でも 祝祭の中でも生まれなかった
急いで作られた
すでに戦えなくなった巨大な力 その消えかけの衝動の中で
敗北が恐れではなく 事実になった最後の瞬間
創り手ができたのは ただ一つ
種を蒔くことだけだった
計画じゃない
未来でもない
ただ 復讐への最後の希望の種
それが芽吹くかどうか 誰にも分からなかった
そして 芽吹いた
力の地でではない
待ち望まれる場所でもない
彼を理解しない世界で
彼を必要としない世界で
そして最悪なのは
彼の存在に気づきもしない世界で
彼は 普通に育った
あまりに普通で 他の中に紛れれば簡単に消えた
倒れて
起き上がって
また試して
また倒れた
役に立とうとした
自分はもっとできると証明しようとした
大切な何かの一部になれると 示そうとした
だが どの試みも 同じ結末だった
人々は笑った
憎しみからではない
無関心から
神々は見向きもしない
まるで 彼など存在しないかのように
彼が救った者たちでさえ
彼の顔を覚えていなかった
彼は自分が誰なのか分からない
だから 自分が何になるべきかも分からない
なぜ胸の奥で 焼ける火がくすぶるのか 分からなかった
夢の中で 血と戦争と権力が 恐怖ではなく
当たり前のものに見えるのは なぜなのか
怒りに触れると
周囲の空気が重くなり
足元の大地が 何かを聞き取ろうとするみたいに震えるのは なぜなのか
答えを探しはしなかった
ただ それを抱えたまま 生きていた
夜
彼は 捨てられた工房に座っていた
石の壁は冷たさを抱え込み
埃と古い魔術の匂いが 空気に染みついている
手は傷だらけだった
指が震える
服は裂けて ぼろぼろだった
机の上には 魔晶の欠片がある
鈍い光
ひび割れ
ほとんど死んでいる
もう試した
一度
十度
百度
それでも 何も起きなかった
彼は 欠片を瞬きもせず見つめた
まるで それが答えを返すはずだとでも言うように
- また駄目か
- これで百回目だ
- 百回目だぞ
声はかすれていた
怒りはない
あるのは疲れだけ
- どうしてできない
- あの老いぼれの魔術師がやってるのを 俺は見たのに
彼は黙った
記憶に浮かぶのは動きだけ
乾いた 老いた指
妙な角度で組まれた形
言葉も
説明もない
あの時も 何も起きなかった
なのに その動きだけが なぜか残っていた
同じ仕草
同じ手順
彼は手を上げ ほとんど考えずに その動きをなぞった
意識していないのに 形になった
身体の方が 彼よりも覚えていたみたいに
光が 欠片から噴き出した
彼は反射的に手を引いた
だが 退かなかった
ひびの間で揺れる 不安定な輝きを見つめる
- 俺 何もしてないのに
- なんで動いた
声は小さく
驚きに染まっていた
その瞬間 彼の中の何かが変わった
目が きらりと光る
そして初めて そこにあったのは戸惑いじゃない
好奇心だった
偶然じゃない
これは 俺だ
彼は笑わなかった
でも 闇の中で
埃と欠片の中で
初めて 誇りの火花が生まれた




