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狂気に染まる

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起き上がると、そこは真っ暗な部屋だった…





「あがっ、ゔあっばがっ…」


体が痙攣して、震えた後その痙攣も時間と共に消えていった。


顔を隠した四人はそれぞれ、明日からの話をしと今回のことを笑いながら話している。


「楽勝だったな!」


「やっぱり、どんなに剣が強くても無能は無能ね。」


「あー、明日から快適に寝れるぜ。あいつのせいで寝不足だったんだよな。」


「ごめんやらかした、まさか動きや雰囲気だけでバレるとは思ってなくて…」

アイリが手を合わして謝っている、それを見ていた他の三人は…


「いーよいーよ別にそんな事、それよりもナイスタイミングだったぜ!」


「そうね、殺しにかかってきた人が自分の幼馴染だったって分かった時の顔が最高だったもん!」


「それに、あいつも死んだんだし。別に良くね?」

おちゃらけて話をしている後ろで、一人居心地が悪そうに杖を握っていた。


「どったの?顔色悪いよ?」


いきなり声をかけられた為、驚きのあまり変な声が出てしまった。


「あっ、ごめんなさい。もう大丈夫です。」

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、人殺しに関わってごめんなさい。

あの時の、彼の最後の言葉を聞いたのは…私だけ、彼は静かな声でされど確かにこう言った、『殺してやる』と、それが怖くてたまらなくなってしまった。


彼とは、ただの委員会活動が同じなだけの人…


それでも、クラスメイトが死んだと言うのに何故、こんなにもヘラヘラとしているのだろう。



一人誰もいない部屋で、あれ以降私の頭の中は混乱と殺人の罪悪感で押し潰されそうな毎日を過ごした。



最後の彼の言葉がずっと頭の中で繰り返されていた、

“殺してやる”と…








「ごのままっ…終わってだまるがっっ、」

あの後俺は崖から落とされ、結果的に衝撃と激痛で意識と息を取り戻した。


だが、正直言うとこのまま死んだままが良かった。

認めたくなかった、アイリが俺を殺そうとしたなんて、俺が何をしたんだ?

一体何が悪かった?

何で俺が殺されないといけないんだ?


激痛で何とか意識を保ち、少しでもあっちに行かないと…



「じいぢゃん俺、…」


いつも通りに走って行けば、目の前におじいちゃんの姿がある、おじいちゃんがこちらに気付き手を広げ構えている。

俺は、いつも通りにその腕の中に飛び込む、服に染み込んだタバコの匂いがクセになる、安心して何故か涙が意味もなく流れた。


いつも通りのちょっと前の日常に帰ってきた、おじいちゃんの腕の中で嗚咽しそうになるが、堪えてハグする力を少し強める。


ーーこのまま続いて欲しい、


そんな思いは、当然現実に戻される。

……痛みと共に


「いでぇ、」

喉と胸が抉れており、抱きついていたのが地面で、血が尾を引いていた。


地面を這い、口に血と胃液と土が入り込み、吐き出そうとするが喉が潰されて上手くできない。



両手と片足が無くなり、残った反対の足も付け根を抉られ動かない。

それでも、動き続けるのは何故だろう?


「あいづらに…」

復讐をせねばならない、

復讐(それ)をするまで、何があっても死ぬことができない。

何の因果か、一度死んだ体が衝撃と激痛で目覚め、また地を張っている。


目的も無く移動していた訳じゃない、

もしもの時、クラスメイト(みんな)と逃げる為に残していた、この二年を費やして作った魔法陣、


『転移』の魔法陣である。


全て滞りなく完成している、魔法陣(このこと)は俺しか知らない、あらかじめ知らせていたら国が何言うかたまったもんじゃないから、みんなに内緒で作ったいた。


皮肉だな、皆んなを生き残らせるための物なのに、皆んなを殺す為の足掛かりになるなんて…


「ぐふっ、ゔゔあぁっ!」

何とか魔法陣の上に乗り、残りの足りない部分を作る。意識が遠のきかけたら舌を噛みちぎり激痛で覚まさせる。


この魔本陣は、残り“行き先”を入力するだけとなっていた為、割とすぐに出来上がった。


行き先は()()()、そこに行く。


血で満たされた魔法陣から眩い光が俺を包み込む、そこにいる、とある魔王に用があるから…







いつも通りの魔王城で変わらぬ退屈な日々を過ごしてた私にとって…強すぎた私にとって、勇者なんてつまらない物だ。もう何人殺してきたのか千を超えたあたりから数えて無い。


きっと明日も変わり映えの無い毎日が続く。


「よっと、」


ちょうど読み終わった本を片付けようと思い、席を立ち上がったその時、


バアアアン!!


光と衝撃が城を襲った。

すぐに兵たちが光の発生源に集まっていたが、一番に来たのは、さっきまで室内に居たはずの魔王。

見た目は、俺やクラスメイトとそう変わらない

だが、分かってしまった。


コイツは強すぎる、恐らくあいつら(クラスメイト)では足元にも及ばないくらい。

でも、


「ゔぐあああっっ!!」

残りカスの魔力を体に流し、また痛みで意識を保ち上がろうとする。


ー腕がないのなら、骨を使え

ー足が無いのなら、笑って誤魔化せ

ー耳が無いのなら、誰よりも声を望め

ー声が無いのなら、限界まで搾り出せ

ー命が無いのなら、お前から…




剥ぎ取ってしまえ、誰よりも生に貪欲になれ、誰よりも命を欲せ、他者から派が取れ、奪い取れ、取り立てろ、それができぬならお前に意味は無い…





ーーー《待機》の能力の変異を確認、称号『悲嘆の者』、変異能力『剥奪者』を獲得。

ーーー獲得条件、最低二回以上の死

ーーー授与条件、人生最大の絶望、不特定多数を殺害する強い意志そして、()()()()()()()()()()()()を持つこと。











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