【るなどる劇場vol.3】神々の楽屋裏~運命の女神様はみんなに好かれたい!!~
ぴんぽんぱんぽーん♪
この作品をご覧になろうとしている皆様へ、鑑賞前の注意事項をお知らせいたします。
この先は、色んな世界の神様などが、カオスの状態で登場いたします。
元になる神話や伝承などと、設定が違う部分が多数存在する恐れがございます。
それでも『オッケーデース!』という方は、そのまま次にお進みください。
なお、この作品をご覧になるにあったって、以下のものをご準備して頂くことを推奨いたしております。
一つ、女神様の愚痴を心優しく、もしくは生暖かい目で見守れる広い心。
一つ、女神様に同情、もしくは軽蔑し、あなたの推し女神を変えない一途な心。
一つ、女神様が面白く寝てても、顔に落書きをしない自制心。
以上の注意書きを承諾し準備が出来たという方は、そのまま本編へとお進みください。
それでは、
【るなどる劇場vol.3】神々の楽屋裏~運命の女神様はみんなに好かれたい!!~
どうぞお楽しみください!
「はぁ~~~、また私ディスられてるよ~」
「ほーら、そんなに大きなため息をついてると、幸せが逃げちゃうぞー?」
「あ、ヴィーナスじゃない。 お仕事どうしたの?」
「今日は久しぶりにお休みを貰ってね、親友の様子を見に来たのよ、フェイト」
「そうなんだ。わざわざ来てくれてありがと~」
「あと、陣中見舞いのふるふるプリンもあるわよ」
「わ~、私の大好物だー! ありがと~っ! ヴェルちゃんも後で食べよ~!」
「はい。 ヴィーナス様、ありがとうございます」
「ふふ、喜んでもらえて何よりよ。 で、今日は何を見てため息ついてたの?」
「あ、うん。 これこれ」
「えーと何々・・・『首を締めてやる!』とか『浮気者!』とか、結構酷いこと言われてるわねー」
「それは割と昔のやつかな。 最近だと・・・この辺。 機械には私のこと全否定されちゃうし、私と歳がうん万倍も離れている子にさえ、メンチ切られちゃってるんだよ?」
「それで凹んでたと?」
「うん」
「悪いことだけじゃないんだから、気にすることでもないんじゃないかしら?」
「そうなんだけど、やっぱり嫌われるよりは好かれたいじゃない?」
「まあ、それはそうなんだけど」
「ねぇ、どうやったらみんなに好かれるようになるのかなぁ?」
「んー、逆に嫌われないようにする、とかはどうかしら?」
「そうしたいんだけど、みんながみんな良い運命ばかりにしちゃうと、バランスが崩れて文明が崩壊しちゃったりするから、適度に悪い運命をねじ込まないといけないんだよねー」
「確かに。 一生懸命に運命に抗う姿を見せつけると、周りも触発されてモチベーションが上がったりするものね」
「そうなんだよー。 それにあんまり緩い環境だと、勇者とか英雄とか呼ばれる人も生まれないから、治安も悪くなっちゃうんだよねー」
「お、なんだー? 今、勇者とか英雄とか聞こえたけど、俺の出番か?!」
「あ、アレスじゃない。 今日はどうしたの?」
「おう! また転生者が出たみたいでな、フォルトゥナから呼び出されてきたんだ」
「あー、そういえば転生者にスキルを与えるのってアレスの役目だったっけ」
「ああ、そうだ」
「でも、転生者の前に現れる時って、結構可愛い姿になってるよねー? もしかしてそういう趣味?」
「ちげえよ! いきなり、ガタイのいい神が目の前に現れたら、転生者がビビっちまうだろ?!」
「あー・・・確かに」
「ったく。 で、フォルトゥナはいないのか?」
「うん。 さっき、この間の不適合者の事でモイラ総括の所に呼び出されていったところ」
「そうか。 まあ、中間管理職の悲しい性だな。 だとすると、仕事の方はどうすっかなぁ・・・」
「戻ったら連絡しようか?」
「お、いいのか? 助かるわ!」
「すぐ戻れるよう、あんまり遠くに行かないでね?」
「おう! じゃ、よろしくな!」
「・・・相変わらず、嵐のような人ねぇ」
「うん。 でも、あのざっくりとした態度でもしっかり仕事をこなすから、神望も信仰も結構あるんだよねー」
「そーなのよー。 うちの部署の子にも、結構人気あるのよねー」
「へー、そうなんだー」
「で、何の話してたんだっけ?」
「巷で私がディスられているって話」
「まあ、運命の女神がディスられるのもまた運命じゃないかしら?」
「うーん、それを言われてしまうと身も蓋も無いよーな」
「おーい、フェイトは居るかー?」
「あれ、クロノスじゃない。 何かあった?」
「ああ、クルとウルが過労で倒れたんだ。 すまん、私の管理不行き届きだ」
「え、二人とも倒れちゃったの?!」
「それで、ヴェルを早上がりさせてもらえないか聞きにきたんだ」
「今日の仕事は大体片付いたから問題無いよ。 ヴェルちゃん! クルちゃんとウルちゃんが倒れちゃったんだって!」
「え?! お姉ちゃんとウルちゃん、倒れちゃったの?!」
「今日はもう大丈夫だから、上がっても大丈夫だよ。 ほら、プリンも持って行ってあげて」
「ありがとうございます! お先に失礼しますっ!」
「・・・ものすごい勢いで飛び出して行ったわねー」
「うん。 あのノルンさん家の三姉妹、仕事場は分かれちゃったけど、相変わらず仲の良い姉妹だよね~」
「うむ。 上からの指示とは言え、部署異動でうちに配属されてしまったのは少々可哀そうだと思っているよ」
「仕方ないよ。 過去と未来は、時間軸を管理しているクロノスの管轄だし」
「そう言ってもらえると有難い」
「あ、そうだ。 今日仕事が終わったら、久しぶりにみんなで飲みに行かない?」
「いいわね」
「すまない、今日は徹夜になりそうだから遠慮するよ」
「そっかー、それはちょっと残念。 無理はしないでね」
「ああ、それじゃあ私は仕事に戻るよ。 また今度誘ってくれ」
「じゃあ、今日はヴィーナスと二人で飲みかー」
「ふふ、あなたと二人だけなんて久しぶりね」
「そうそう。 昔は二人でタッグを組んで、”運命の赤い糸コンビ”なんて言われてたっけ」
「何だかその響きも懐かしいわねー」
「うん、私たちが一番愛されていた時期かもねー」
「そうね。 折角だから気分良くいきたいし、続きはグラスを傾けながらにでもしない?」
「いいね! じゃあ場所は、いつものバッカスのお店でいいかな?」
「オッケーよ。 今、あそこのフォーチュンラブって言うカクテルにハマっているのよー」
「あれ? そんな名前のカクテルってあったっけ?」
「私がお願いして特別に作ってもらったカクテルなの。 あなたにもご馳走するわ」
「ヴィーナスが依頼して作ったカクテルなら、みんなから愛される効果があるかも・・・?!」
「無いわよ、そんなの!」
「いや、ヴィーナス汁を入れたら、きっと愛され効果が爆発的に上昇するに違いないわ!!」
「ちょっとそれ、生々しいわよ?!」
「さ、そうと決まれば、さっさと仕事を切り上げて飲みに行くわよーーーっ!!」
「ふぅ、元気になったみたいだけど、こっちも徹夜になりそうねぇ・・・」