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5.俺の名は。

よろしくお願いします!

「ぷはぁ~」


湯気立ち昇る浴槽からこんにちは。ネットのおもちゃです。


それにしても、この浴室広いっすね。浴槽は、俺が全身をぐいーっと伸ばしても余りある大きさだし、ちゃんと身体を流すスペースもある。シャンプーとかボディーソープは謎の瓶に入ってて正直ちょっとだけ抵抗感あったけど、すっきり爽快感が感じれて個人的には、買いですね。あとで何なのか聞いてみよう、そうしよう。


あとですねー。実はお風呂と聞いて、浴室もあると聞いて、正直期待してたんですけど...鏡はありませんでした。一体いつまで俺は自分の姿を見ることができないんだ。流石にここまで高度な焦らしp....いくら俺が美少女でも我慢の限界ってのがあるんだよ!いい加減にしろ!

あ、身体洗う時に触ってしまったのは致し方ないことだと思うので、ちょっと通報とかやめてください。...でも、なんか別に自分の身体だからなのか、触ったり、見てみたりしても特に何の感慨も抱かなかった。自分の身体だってもう脳内で認識してるんかね?正直少し興奮すると思ってたから残念。...いや、残念じゃないけど!?別に変態行為しようとか思ってたわけじゃないから!


あ、もいっこ報告がありまして。実は、俺人間じゃない説が浮上しました。めっちゃちっちゃいんだけど、背中と頭とおしりになんか突起みたいのがありまして。ほんとにちょっとの突起なんで、普通は気づかないレベルだと思うんですけど....なんか、触った時に変な感じがしましたので、じっくり探してみたらあった次第。たぶん、翼とか角とか尻尾だと思うんですけど、成長したら大きくなるのか、それともずっとこのサイズなのかは分からんけど、まぁ人外ということで。お疲れさまでした。

....一応この世界の人間が全員人外説もあるから、まだ断言はできないけどな!


「よっと」


ざばっと水をかき分け、起き上がる。そのまま浴槽の縁に手をかけ、身体を持ち上げる。...さっきこの浴槽デカいって言ったと思うんですけど、深さもそれなりにあるわけですよ。なんで、140cmくらいの俺の身長じゃ頑張らないと風呂から出れねぇの!気抜いたら溺れるんで、実はそこが結構怖いです。


あーっと、ここで気づきました。...タオル、ありません。そういえば、俺が脱いだ服も洗濯機とかに入れないでそのまま持って行ってたな。というか、洗濯機あるのか知らないけど。まぁ、脱衣所にも外にも、眼の付くところにはなかったから、ないとは思うんだけど...。


「はーい、ふきふきしましょうね」


!?出たな、超ワープマッマ!!さっきまでマッマのマの字すらなかったのに、一瞬で出てくるとかまじマッマだわ。でも、正直マッマはなんでもできるから、別にもはや驚きはない。常識が一瞬で塗り替えられたよ、まだ一日も経ってないのに。俺って、適応力高いほうなんかな?ふっ....この程度で驚いているようじゃ、この先ついていけないぜ....?


というかマッマ、満面の笑みで俺のこと拭いてくれてるけど、俺別にタオルだけあればかまへんよ?流石にマッマに甘えすぎなのも悪いし....


「いいんですよ。ママがやりたいから、やってるんです。大人しく、拭かれてください」


当たり前のようにマッマは俺の心の声を読んでくる。まぁ、流石に内容までは把握してないだろうけど、大体こう思ってるとかって想像つくのかな?俺はマッマになったことないから、正直そこらへんはよくわかんね。...まぁ、親子の絆とか、そういう幻想的なものが存在するんなら、不思議ではないんかな。


それにしてもマッマ。手つきが神。全然痛くないし、優しくて逆に気持ちよく感じるくらいだ。さすマッマ。


全体的に拭き終わったのか、マッマは最後に優しく、撫でるように俺の顔をタオルで拭くと、どこからともなく着替えを取り出す...着替えを....着替え?

な、なんかさ。それ、子供とかの着ているパジャマとかでよくみたことあるんだけど...アニメのキャラクターとか動物とかになりきるってやつ....


「ドラゴンの着ぐるみパジャマです!絶対似合いますよ!」


俺に羞恥p...辱めを受けろと!?そう申すかマッマ!!おいどうすんだ俺らのマッマがご乱心なされたぞ。

嫌だ。絶対に着ん、絶対に負けんぞ!そういうのを着て許されるのは小学生とあとは女子中学生か童顔でも女子高校生まで!そら確かに体は幼くとも、心が!心がおっさんな訳よ俺は!!...おい誰だ今おれのことおっさんっていったやつ!まだ23だわボケ!ネットのおもちゃだからって弄るのも大概にしろ!


「...着てくれないんですか?」

「だ、だって....恥ずかしい、し....」


すまんマッマ。今回は諦めてくれ。多少かわいいパジャマならいいから。熊さん模様の下着とかパジャマとかなら別にいいから...あれ、というか下着どうすんの?マッマ下着持ってないように見えるんだけど。....ん?そういえば、俺風呂に入る前まで、どんな服着てたっけ?


「....ぐすん、娘が反抗期です...」


ふぁ!?ママが泣いとるやん!!誰だママ泣かせた奴!顔面ぶん殴ってやる!!俺か!?俺だ!!よし、喰らえ俺!!右サイドから強烈に俺にパンチ!!

...生姜ねぇなぁ。今回だけやぞ、マッマ。


「えへへ、ありがとうございます。優しい子ですね」


べ、別にマッマのプライスレス笑顔の為なんかじゃないんだからねッ!勘違いしないでよね!!


『本音は?』


マッマかわいい~しゅき~♡


....ハッ。おっと危ない、どこからかクソむかつくジジイの声がして咄嗟にデレてしまった。まぁ、マッマの為なら安いもんですわ。俺ってほんと親孝行娘~。きゃぴ。ほら、パジャマ寄こしな。


「えっ、何このかわいい生き物...はっ、なんだうちの天使か...。もぉ~ママを誑かすなんて悪い天使さんっ♡罰としてずっとママと一緒にいること!」


キャラぶれっぶれで超かわいい。やっぱマッマは最高やな!ずっと一緒やで!!







「そういえば、お名前、どうしましょうか」


マッマの激うまシチューを食べていると、マッマがにこにこしながら語り掛けてくる。そうだよ、そういえば俺名前わかんねーじゃん!つーか名前って手段あったわ!俺のこと特定するのに名前っていう最強の手段があったわ!


「ずっと、"あなた"じゃ寂しいですよね。でも、ごめんなさい。あなたに今、名前を教えるわけにはいきません」


ふぁ、なんでなん!?勘当!?俺ってば初日でマッマから捨てられる悲劇のヒロインタイプ!?


「ああ、違いますよ。あなたのことを嫌ったりとか、そういうわけではありません。...ただ、あなたに言えない理由があります。分かってくれとはいいません。これは、私の独断ですので。恨むのなら、恨んでくれても....あ、娘に恨まれたら私悲しくて死んでしまいます....」


...よくわからんけど、マッマは俺の為に俺の名前を教えないっていう認識でいいんだよな?


それなら、なんで恨む理由があるのだろうか。理由も言えないのも、多分俺の為なんだろう。どうして、ここまで俺のことを思ってくれるマッマを恨まなくてはいけないんだ?いや正直名前を知りたいっていう気持ちがないわけでもないが....。俺が恨んだらマッマ悲死んじゃうんだろ?がはは!こんな人間国宝聖母神マッマを殺すわけにはいかないだろ!!なおさら恨むわけにはいかんってやつだ!


「...やさしいんですね。...正直、少しは嫌われると思ってました。えへへ、本当に、ママ冥利に尽きます。あなたのママで、よかったです」


その時折えへへっていうやつ正直めっちゃ可愛いからやめようぜ。最高すぎる。男はみんな狼なんだぞ。ありがとうございます!


「えっと、それでですね。あなたの本当の名前は言えないので、あなたの仮の名前...もっとも、こちらを日常で使うことになるわけですけどね。それを決めようと思いまして。...もしよかったら、あなたが決めてみますか?」


自分に命名していくスタイル。正気か?俺本当はマッマに名付けられたかったんだが....。

んあー、でもそうだなぁ。実は名前っていうのは最初から一つ考えていまして。もっとも、俺の推測に基づいてるから、実際は違う可能性があるんだけどね。


さて、それじゃあ俺の名前は――


「シャナ。シャナが、いい」

「...ふふ、いい名前だと思いますよ。それじゃあ、シャナちゃん。これからも、よろしくお願いしますね」


...まぁ、安直だ。安直すぎる名前。俺の外見が、俺の大好きだったあのアニメの、主人公に似てるんじゃないか?という考えから生み出した名前。主人公に、俺の魂?っていうのかな。不純物が一個追加されてるから、一本足しただけ。まぁ、実際シャノって名前にして、本物がいて外見も一緒だったら困惑するしな。そのために、ちょっと変えるっていうのも、まぁいいんじゃないかな。俺としては、結構気に入っている。


そんで、まぁ、俺は決めた。仮にもあの俺の憧れのキャラからとった名前なんだ。俺もそれに見合うようにならなきゃなって。この名前で、この姿で不甲斐ない真似はできないし、ちょっと憧れてたんだ。こういうの。


俺は、俺の理想とするあの少女を目指して、俺自身が理想の女子になりきってみる!なりきってやる!剣術も魔法もなんでもかかってこいの最強少女になって、道行く人すべてが惚れずにはいられない魅力あふれる美少女に、俺はなる!!!がはは!これはその第一歩だ!俺が俺自身の理想を体現するための、伝説の少女の英雄譚の幕開け!!


「あーん♡シャナちゃんそんな張り切っちゃってもー♡えへへ、今日はママと一緒に寝ようねぇ」


やった!やる気出したら添い寝許可貰えた!まぁ正直許可貰えなくても媚びボ使って無理矢理夜這いかけるつもりだったんですけどね。やったぜ。ありがとう、マッマ。



少しずつ増えてるブックマーク見るたびににやけてしまいます。やる気出ますありがとうございます!

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