1.好きなアニメキャラ語ったら異世界転生秒読み待ったなし。
初投稿です。よろしくお願いします。
『ぐはは!我は偉大なる邪竜の血を継し魔王であるぞ!小娘風情に何ができるかァ!!』
そういうと、魔王を名乗る者の姿がみるみると膨れ上がっていく。
やがて、変化が終わると、災悪はその姿を明らかにする。
『グオォオォオォオォオォ!!!』
伝承に語られし邪竜――それの再来を彷彿とされるその姿に、まるで世界が震えるかのように、地面は揺れ、海は荒れ、空は割れる。
はるか遠くからでも確認できるその巨躯を見た人々は口々に『世界の終わりだ』と絶望する。
しかし――
『へへ、これを斃したらァ、モテモテ間違いなしだなァ!』
『草。魔王討伐にそんな煩悩持ち込んでくるのは多分古今東西キミくらいだろうね。まぁ、私たちが最初で最後の魔王討伐隊になるのは間違いないだろうけど』
『よくよく考えたらさ?私たちって今までもこういうバケモン相手にしてきたんだし、いつも通りって感じだよね』
『私が、私たちが、勝つ――!』
今まで幾多もの苦難を乗り越えてきた少女。そしてその仲間たち。
世界の命運を決する勝負が、幕を開ける――!!!
◆
「くー、ここで来週に持ち越しかよ!やっべ!めっちゃ決戦みたい!漫画勢がちょい不穏なこと匂わせまくってるけど、まぁ大丈夫やろ!がはは!」
テレビの前でテーブルをバンバン叩きながら待ち遠しすぎる来週へ思いを馳せる。
あ。申し訳ありません自己紹介が遅れました。俺の名前は網野玩具。気軽にネットのおもちゃって呼んでくれ、なんちって。
こんな名前をしているが今まで炎上したことは一回もないし個人情報が流失したこともない。いたって平凡なネットリテラシーのある一般ピーポーだ。ん?ピーポーって個人に使ってもいいんだっけ?....まぁいい。
さて、さっきまで俺が見てたのはごく一般的な、王道RPGのようなものだ。魔物と人間が戦う世界で、何の変哲もない家に生まれた少女が、聖剣と呼ばれる魔物特攻のついた武器に選ばれて、個性豊かな仲間たちと共に成長していきながら、諸悪の根源である魔王を討伐するというアニメ。まぁぶっちゃけると正直ドラ〇エっぽいやつだと思って貰ってもいいんじゃないかな。作者しゃんも『正直結構参考にしてます(笑)』とか言ってたし。まぁ、面白いし丸パクリってわけでもないから、俺は楽しんでみてる。
このアニメの魅力はまぁ語れと言われたら一日ずーっと話してられるくらいはあるが、やはり一番は主人公のシャノちゃんだな。
まずかわいい。ここ重要。めっちゃかわいい。どれくらい可愛いかっていうとアニメ一話と二話の間に某お絵かきサイトで一万件を超える投稿があるくらいかわいい。やっぱ、かわいいって正義なんやなって....。
それに、人間的にもかわいいんだよな。剣と間違って鞘だけ持ってきたりとちょっと天然なところとか、まだ14歳と幼いからなのか、なんでも無邪気に信じてしまう素直さとか。
でも、人一倍使命感に燃えていて、幼いながらも必死に役目を果たそうと毎日努力も欠かさず、自分の功績を誇らずに仲間のことをとっても大切にしているところとか、もう色々と好きになる要素しかないんだよな、これが。
正直さ、主人公が男ってさ、言い方が悪いけど、なんか普通なんだよ。個人的に。
努力するのだって、イケメンプレイするのだって、魔王を斃すのだって普通だ。
だけど、女の子なんだ。しかもまだ14歳とまだ幼い。
そんな女の子が、精神的にも肉体的にもボロボロになりながらも、それでもくじけずに、そして魔王をも打ち破るっていうこのストーリー。惹かれずにはいられない。
....ふぅ。なんだか少し語りすぎてしまった。お腹が減ったので、コンビニにいくべしそうすべし!よし、そうと決まればさっそく――
あれ、なんでおれゆかにたおれて――
◆
「んぁ.....んむぅ?」
奇妙な感覚だ。体中を優しく暖かな気配が包み込んでくれているような感じがする。よく分からないが、ずっとこのまま眠っていたいような、そんな感覚。
そういえば、今何時だ?そう思った俺は、うっすらと目を開け、時計のある場所を見やる。
しかし、そこにあったのは幾重にも絡まっているような木の枝。あれ、なんだこれ。夢か?
急速に思考がさえわたっていく。きょろきょろとあたりを見渡した俺は、自分が今木の枝で作られたドームのようなものの中にいるということに気付く。自分が寝ていたのも、ふんわりとした草のようなものの上だった。
「なんだよこれッ....ッ!?」
耳を疑う。なんだ今のは。今のめちゃかわロリボが、俺の声?
自分の身体をよく見てみたいが、今は木の枝の間から差し込んでいる僅かな光でなんとか周りが把握できている程度で、自分の姿をはっきりと確認することができない。....まぁ、なんか手で触ってる感じで正直ちょっとなんとなく分かってはいるが。
さて、どうすればいいんだろうか。これ、出れるのかな?俺の力が正直どんなもんなのか分からないけど、木の枝程度だったら、ぐいーってやればいけるかな?よし、やろう。そうと決まれば善(?)は急げだ!
「ぐににににに....うへぇ、硬すぎる....」
全然頑張っても、動く気配がない。ミシッとかいう音もしなかったし、これ相当俺貧弱説あるな。ん、これはまずいです。たかが木の枝すら折れない貧弱ステとか勘弁してくれよ....。
「あー、開けゴマ....なんちって」
投げやりに、適当にいってみる。まぁこんな木に音声認識とかあるわけないし、さて、どうやって出るかを考えなければ。
しかし、俺の想いとは裏腹に、目の前の木の枝が、急にずるずる、っと動き出し、おそらく俺が出入りできるであろう穴をあけてくれた。ええー、なんや随分ハイテクやん....。
まぁ、これで結果オーライ?な訳だし、それでは、俺、爆誕ッーー!!
二話はすぐに上げます。