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桂花乱れるティル・ルナ・ローグ  ~蛙、異世界に立つ〜  作者: ふぐりり
蝌蚪、異世界に立つ?の巻
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蝌蚪、初めての戦い

デカ虫の正体はタガメ

畜生デカ虫め、許さねぇ。せっかく進化出来そうだったのに!!許さん!!経験値にしてやる!!

俺はデカ虫を観察する。闇雲に殴りかかったら勝てるモンも勝てない。クソ親父に殴りかかった時俺は学んだ。デカ虫の体は膨らんだ楕円だ。真横と後ろにしっかりとした足が生えてる。だが一番前の足は関節から先が強靭そうな鎌になっていた。鎌の腕は漫画のように異様に太い。そして豪腕に挟まれて小さく顔がある。力じゃ負けそうだ。

 一方こっちは散々だ。尾鰭はボロボロで、旋回ぐらいなら出来るがあまり早く動けない。生えたての左足は完全に持ってかれてる。右足は無事だが、返ってバランスが悪い。腕は現在生えそろっている途中だ。期待出来そうにない。


 デカ虫が突然飛びかかってきた。俺は右足で地面を蹴って避ける。ちっ。読み合いもクソもないのかよ。俺はデカ虫を殴りつける。だがデカ虫はそれを捕らえ、齧り付いた。痛っ!!右腕も持ってかれちまった!!人の頃の癖で殴ったが、悪手でしかねぇ。

 またデカ虫が飛びかかってきた。俺はまた避ける。デカ虫はどうやら飛びかかりは苦手らしい。今のは不意を突かれたのに、俺は避けれた。足の力が強いのもあるんだろう。そのまま今度は足でデカ虫の背中を蹴る。だが踏ん張れない今の俺では、ただ間合いを取るだけに終わった。

 さてどうする....奴の飛びかかりは怖くねぇ。こっちがバランス崩してさえなけりゃ避けるのは簡単だ。だがこっちの攻撃が通らん。左足と尾鰭がやられたせいで踏ん張りが効かないのが痛い。物理的にも。どうする?考えてる間にもデカ虫は飛びかかってくる。ああもう!!逃げれもしないんじゃ、俺が出来るのはこれしかねぇ!!


 俺はデカ虫の飛びかかりを、かなりの余裕を持って躱す。そして隙を見せたデカ虫の尻に噛み付いた。硬っ!!苦っ!!でも俺が打点与えられそうなモンこれしかねぇんだ!!意地でも話すもんか!!絶対噛み砕いてやる!!

 当然デカ虫は俺を振り離そうとする。だがその動きは鈍い。薄々感じてたが、こいつそもそも動き回る生態してない!!今までみたデカ虫は全部待ち伏せてた。近くにきたオタマやデカ魚を捕まえる待ち伏せ型の虫なんだ!!後ろ側の2対の足は飛びかかる作りじゃない!!踏ん張る作りだ!!

 必死でデカ虫の尻に喰らいつく。でも顎の力が足りん。このままじゃ噛み砕けねぇ。体中の力を振り絞る。すると尾鰭に奇妙な感覚を感じた。ここに何やら大量の力があるって感じだ。俺は必死にその力を感じ取り、顎へと込める。込めて込めて、遂にその時はきた。

 パシリ、と小さな音がする。奇妙に思うまもなく、俺は突然振り放された。な、何が起こった!?

【経験値を20獲得しました】

 見てみれば、デカ虫は尻の部分が丸々抉られてた。や、やったぞ!あのデカ虫の尻を噛みちぎってやったぞ!!デカ虫はオロオロしている。そうだよな、身動き取れなくても仕方あるまい、何せ一番後ろの2本の足は今や辛うじてくっついてると言う有様なのだ。慌てるのも無理はねえ。デカ虫はヨタヨタと逃げ出す。おっと、逃さんよ。こっちの生え掛け手足食ったお返しじゃあ!テメェを喰い殺してやる!

 俺はそのままデカ虫に、えぐられた側から噛みつく。チキショウ苦ェ!!そのまま先ほどのように尾鰭に意識を集中し、力を引き出し、顎に込めていく。デカ虫は必死に抵抗するが、奴はもはや虫の息だ。いや元から虫だけど。


【経験値を15獲得しました】

【個体名ハジメ・ササキダ(仮)がLv.4になりました】

【魔力感知を習得しました】

【個体名、ハジメ・ササキダ(仮)が進化可能です】

ちなみに主人公はタガメを振り払った時点で【貯蓄尾鰭】による踏ん張りが発動してます。

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