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桂花乱れるティル・ルナ・ローグ  ~蛙、異世界に立つ〜  作者: ふぐりり
蝌蚪、異世界に立つ?の巻
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蝌蚪と経験値

進化の為に行動すると決めた。それには今の俺に何が出来るかと言うことを確認する必要がある。ぶっちゃけ、ただ進化するだけならあの.....ゴミ溜めと呼ぼう。死体あったし、塵だらけだし。ゴミ溜めで塵を喰い続ければいつか進化は出来る。だが果てしなく時間が掛かるだろうし、確定ではない。塵は無限にあるとは言え、経験値も満腹値も1しか貯まらない。オマケにあそこにはデカ虫が毎日出てくるし、デカ魚が現れることすらある。正直身が持たない。

 じゃあ戦うか....?いや、それは無謀だ。俺にはまともな攻撃手段がない。体には頭と尾鰭しかないし、攻撃力も...あ、進化して2になってた。でもこれが高いのか低いのか判らない。ただ兄弟はデカ虫になす術なく喰われてた。当時の俺はLv.1、兄弟だけレベルが高いとも思えないし、1増えたぐらいじゃ焼け石に水だろ。

 スキルもロクなモンがねぇ。【貯蓄尾鰭】は生存用だし、【鰓呼吸】は論外、【鑑定】も打点にはならない。と言うか、【鑑定】自分以外に使ったことがない。ただでさえ逃げるのにいっぱいいっぱいなのだ。


 だーめだ。どうしようもねぇ。でもここで諦めたらそれこそ惨たらしく死ぬだけだ。ここは考え方を改めてみよう。経験値を得た時を思い出せ。あの時俺がしたのは微生物を喰い殺したこと。もしあの経験値1が、微生物を「殺したこと」ではなく、「喰った」ことに対して発生していたなら....?


 証明する方法はある。俺は寝床の岩場を飛び出し、ゴミ溜めに向かった。そして俺はデカ魚の死体に齧り付いた。もちろんなるべく綺麗なやつを選ぶ。腐りかけの魚は本当にまずい。喰わずに済むならそれに越した事はない。

【経験値を10獲得しました】

 よっしゃ!!!予想が当たった!!俺は続けて齧り付く。

【経験値を10獲得しました】

 よしよし!その後も齧り付く度に10ずつ経験値が入る。これはつまり、一度に口に入る肉に含まれる経験値が10なんだろ。で、一度齧り付いたからといって、経験値が全部消えるわけじゃない。何だ楽勝じゃねぇか。この分ならあっという間に進化出来るぞ。俺は夢中でデカ魚に齧り付く。いいぞいいぞ!Lv.3まで行った!!進化まで後少しだ!ふと横に目線を向けるとむくむくと腕が生えてきてる。いいじゃんいいじゃん!蛙が見えて来たよ!!


 齧る!ただひたすらに齧り付く!!何か尾鰭に違和感あるけどただひたすらに齧り付く!!齧って齧って痛ァッ!?!?!?!?!?!?え、何?後ろを振り向くと、あのデカ虫が尾鰭を齧ってた。だあああああああああ!!!!こいつらのこと忘れてたあああああああ!!!!!!!ていうかちょっと待って。おいテメェ何人の足かじってんだよ!!しかも生えたてだぞ!!!

 俺は必死に体を振り回し、何とかデカ虫を振り解く。その時に気付いたが、尾鰭はボロボロで、生えたての足が片方完全に喰われてた。これではもう逃げられない。オマケに腹も喰い破られてた。振り解けたのは肉が千切れたかららしい。だが、痛みは感じなかった。それ以上にデカ虫に怒りを感じていた。てっめええええ!!!!よくもやりやがったな!!!許さん!絶対に許さん!!テメェをココで喰い殺してやるッッッッ!!!!!!!

ちなみにハジメは今こんな感じ

名前:ハジメ・ササキダ(仮)

種族:ペクリム・タドロップ 

Lv.3/4 HP:18/90 MP:0/8

満腹値:65/100

攻撃力:3 防御力:3

魔法力:4 素早さ:5

種族スキル:【鰓呼吸】【貯蓄尾鰭】

個有スキル:【鑑定】【飢餓耐性】

称号:【転生者】【妖精母神に見初められた者】


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