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桂花乱れるティル・ルナ・ローグ  ~蛙、異世界に立つ〜  作者: ふぐりり
蝌蚪、異世界に立つ?の巻
4/156

母、蝌蚪に語る

主人公は大体17歳。生活環境がアレだったので自分の歳があやふやになってる。

【あぁ、やっと見てくれたのですね】

!?な、何だこの声は!?と、突然女の人の声が!?ど、どこから!?


【最初に言っておきますが、この声は称号に録音した物です。貴方が答えても、私は聞くことが出来ません。ごめんなさいね。その代わり何回でも聴く事ができますよ】

ろ、録音?じゃあ今何かされてる訳ではない...のか?それに「称号に録音した」って事は、今俺の頭の中に聞こえてるだけなのか?


【それでは、まずは祝福とを謝罪を。よくぞ私の守る世界に生まれてきましたね。この世界には前世のような、貴方を理不尽に苦しめるものはいません。貴方はここで自由に伸び伸びと生きる事が出来るのですよ】

お、おう.......の割にはしょっぱなから喰われかけたが。


【そしていきなり訳の判らぬ状態に放り込んで申し訳ありません。軽く経緯を説明いたしますと、私は時々、お忍びで異世界を漫遊しているのです。そこで貴方と出会いました。と言っても、その時はまだ従業員とお客の関係でしたが.....】

ああ!思い出した!確かここ何週間か、バイト先のカフェの控え室で噂になってた人いたな!!何か急に常連になった女の人で、いっつも俺のシフトの間だけいるんだよ。これ、その女の人と同じ声だ!!


【貴方を人目見て、私はとても悲しくなりました。貴方はとても悲しい人生を送っている。産まれてすぐに実の親に捨てられ、幼いうちから呆けてしまった老婆の世話を押し付けられてしまった。しかも老婆はそのことに気付けぬまま逝ってしまった】

ァア”ン?いきなり何様だテメェ?俺は婆ちゃんの世話を押し付けられたんじゃねぇ!!俺がしたくてしたんだ!!と言うか何勝手に人の昔話調べてやがんだコラァ!!


【私の瞳は妖精を遍く見守る神の瞳、人一人の過去など無意識のうちに見えてしまう罪深い瞳なのです。意識して閉じてはいるものの、偶然捉えてしまう事もあります。今回は貴方を断りなく観てしまいました。深く、深くお詫びいたします】

【そして同時に、貴方を愛してしまいました。白と黒が入り混じる髪、血のように赤い眼と刺すように鋭い視線、憂い気な表情。肌はうっすらと焼けていて、線の細いしなやかな体...貴方の悲しい過去も合わさり、とても魅力的で、私は釘付けとなってしまったのです】

うっさいわ!!!そりゃ白髪と充血と寝不足だ!!!体細くて小さいのも飯腹一杯食った事ないだけだ!!人が気にしてるもの全部挙げるな気持ち悪い!!!


【そしてだからこそ私は貴方を守ることに決めたのです。貴方の体の負荷を増やし、倒れたところで私が魂を回収し、私の世界に連れ帰りました。しかし、ここで事故が起こりました】

【私の世界に帰る途中、攻撃を受けてのです。その時の衝撃で私は貴方の魂を手放してしまったのです。しかし、何とか最後に、貴方を「ペクリム・タドロップ」に転生させる事が出来ました。「ペクリム・タドロップ」は尻尾に栄養を貯め込む為、まず飢える事がありません。また、進化種である「ベネディクト・ラネ」は子供を大切に育てる種であり、私の系譜に連なる雨の子なので、ゆくゆくは必ず私の元まで来られるのです。私は今は深傷を受けて、身動きが取れません。どうか私の元までおいでなさい。貴方が心ゆくまで守って、慈しんで差し上げますわ】

ふっっっっっっっざけんじゃねえええええええええええええ!!!!!!!!!!俺がオタマに転生したのお前のせいじゃねえか!!!!と言うか死因もお前かよ!!挙句転生直後のアフターサービスまで最悪ときたもんだ!あのブラックカフェでももう少しマシな対応したぞ!!!な〜にが「子供を大切に育てる種」だ!!俺喰われかけたぞ!!と言うかアレ兄弟全滅してるぞ!!!散々手出しておいて、最後放任とかウチのクソ親並じゃねぇか!!!


....録音はアレで終わりなのか。んにゃあろぅ.....こっちが口出せないのを良い事に上から目線で散々言いやがって....。しかも人の話も聞かずに一方的に意見押し付けやがって.......。

決めたっ!!!俺は生きる!!誰にも喰われないくらいに強くなって、あんのクソ女の横っ面張っ倒したらあ!「どうか私のもとまでおいでなさい」か。ああ行ってやるとも!その首洗って待ってやがれ!!!

忠犬ハチ公に一目惚れして、駅前で待つ理由を知った上でお持ち帰りするヤベー奴

なお、生物学的な母親は産卵直後に力尽きている模様

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