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桂花乱れるティル・ルナ・ローグ  ~蛙、異世界に立つ〜  作者: ふぐりり
壺蛙、異世界を観るの巻
33/156

泥淵蛙と後悔

戦闘描写の下手さ具合に嘆き果てる今日この頃。出来ればアドバイスや感想、要望を頂けると助かります。

 水壁はやがて水を周囲に撒き散らし鎮火させる。男たちは周りの安全を確認すると振り向き、帰ろうとする。だが帰らせるものかぁ!!


 コロコロ君突撃!!沢山のコロコロ君を生み出し、男たちの膝裏狙って突貫させる。突然の膝カックンに男達は思わず倒れ込む。その隙に四肢を泥で拘束、一緒に泥で顔を覆う。このまま窒息死させてやる!!というかこれしか出来ん!!


 実は水壁が大方出来上がってた辺りで俺は逃げの姿勢に入ってた。地下水脈の支流を呼び出し、流れに乗るべく潜った。それが功を奏した。燃え上がる地上から離れた地下で水に覆われた俺は、何とか丸焼きを免れたのだ。まあそれでも結構ダメージ受けたけど。何事かとこっそり地表を確認したら男達が帰る途中だったので、隙を憑かせてもらったわけだ。


 男達は必死にもがいている。だが抑えているのは所詮泥だ。やがて鉄球持ちが拘束を振り払い立ち上がった。そのまま暴れ、顔の泥を剥がそうとする。このままじゃ不味い!!


 俺は鉄球持ちの足元に突貫。同時に水脈を呼び寄せて足元を泥濘まさせ、【泥支配】で足を抑え込む。だが男は踏ん張り、倒れ込むことはなかった。どころか泥に覆われたせいで、「泥を操る何かがいる」と察してしまったらしい。矢鱈滅多に鉄球を振り回す。その動きは、武術素人の俺には到底見きれるものではなく、容易く弾き飛ばされた。体と一緒に意識も吹き飛ばされそうになる。しかしここまで来たのだ、諦めたくない。


 朧げな意識の中、目一杯力を振り絞って大量の泥を扱う。気絶する直前まで消耗したMPは、正しく「泥の津波」とでも呼ぶべき規模になって男達に襲いかかる。同時に足元の泥を掻き出し、より深く、より素早く埋めてしまう。

【『泥流支配』を獲得しました】

【『水流支配』と『泥流支配』を確認しました。スキルが統合進化し、『波濤支配』を獲得しました】



 

 ようやく意識がハッキリすると、そこには静かな沼が広がっていた。だが俺の【魔力感知】は確かに、泥の深い所に横たわる2人の人型を感知していた。


ふぅぅ........。死ぬかと思った。俺は生きていると言う実感を味わう。だがやがて、「人間を殺した」と言う事実に俺は恐れ慄いてきた。


  ヤベェ.....俺どうしよう!?人間殺しちゃったよ!?いや大丈夫だ、今までだって散々モンスターを殺して来ただろ?いや違う!!人間は違う!!で、でも元はアイツらが殺しに来たんだ!でもだからって殴り返して殺しちまうのは不味いだろ!!どうしよ!?やばいヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ................

 

 俺はパニックを起こした。動悸で息が苦しく、胸が痛い。身体中から変な汗を掻き、チョロチョロと落ち着くなく歩き回った。

 ずっと後から振り返れば今の俺は蛙で、人間とは別種族だ。そもそもとしてアッチが殺しに来たのだ、男達は殺されても文句は言えない。そう考えればもっと落ち着きもしただろう。


 だが、俺は根本的に自身を「人間」だと思っている。それに俺はどんな屑でも最低限の身の安全を保証される日本と言う国に生きて来た。「人殺し」と言う事実は、俺には恐ろしすぎた。俺が抱えるには重すぎる過去だった。


 


  パニックも半日も経てば落ち着く。やがて月が顔を見せ始めた頃、俺は男達を地上に引き上げる。既に男達は息絶えており、死体は冷え切っていた。俺は土の刃を生み出す。新しく獲得したスキル【波濤支配】で出来るだけ水気を抜き、硬くした刃だ。コイツで死体を部位ごとに、丁寧に切り刻む。

 

 怯え悩み抜いた末に、「死者を欠片も残すこと無く使い切る」と言う結論に辿り着いた。正直、何の解決にもなってない、俺の自己満足かもしれない。でも何もせずにはいられなかった。それに、婆ちゃんも「ご飯を作ってくれた人、育ててくれた人に感謝しながら『いただきます』と言いなさい」と言っていたではないか。


 結局、食べきれなかった。痩せ細り縮んだ俺の腹では、成人男性2人分の肉など受け付けきれなかった。仕方がないので水をしっかり抜き、出来るだけ水気を抜いた土に覆わせて土に埋めた。時間をかけてゆっくり食べて行こう。後、この人達のお墓を建てよう。

ぐうたらしていたら遂にストックを切らした(現在17日14:49)

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