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桂花乱れるティル・ルナ・ローグ  ~蛙、異世界に立つ〜  作者: ふぐりり
魁蟾妖と妖精達の巻
156/156

魁蟾妖と我が家

『お瘴気(やみ)の民の住む山は、ここから真っ直ぐ西にお向かい下さい。私はここに残ります。』

『あれ?お前来ないの?』

『お奇妙(やし)な事を。流石にこれだけの人数をただ放り込むだけの無責任は出来ませぬ。最低限の面倒は見て帰ります。貴方はお先に戻りなさい。港の人間方にも御礼をせねばなりませぬしね。』

『まぁ、それもそうか。それなら、じゃあまたな。』

『お優しき蛙よ。またいつか逢いましょう。』


 やけにあっさりとした別れだったな。まぁ別にそこまで仲良くなったわけでは無い。...絶対忘れることはないだろうけど。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 俺は船の上、まだ港から遠い場所で別れた。精霊は大体人、と言うか2腕2足をしていて、俺みたいな蛙型はほっとんど居ないらしい。BBAは港にしばらく滞在していくそうだから、人間をビビらせない為にも、俺が早く帰る為にも、海の上で帰ってしまうのが良いらしい。


『全く....騒がしいBBAだったぜ。男に飢えすぎじゃねアイツ?』


 結構真面目な奴だったけど、あのガッツきだけは受け付けねぇ。だから男寄り付かねぇんだろ。


『.....貝は、こんぐらいあれば良いか。』


 お土産は貝にした。BBAに作って貰った氷の瓶に、綺麗な貝殻を沢山入れている。海の中とかで拾い集めた奴だ。持って帰った後の処理考えるとこれが一番良いらしい。魚は寄生虫が怖いし、塩も作れないしな。


 小脇に瓶を大切に抱え、山々の上を飛んでいく。気持ち的にはのんびりしていたが、だいぶ早く着いた。焦れてたのか?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『GTRAfak!jfapgro!』


 ようやく懐かしき霧の谷に辿り着き、そこに降り立つ。ひっさしぶりに見たが、確かに結構ヤベェな。


『AG!!』

『grab!g3591G$3-1!!!』

『mfi#q0gv-!』


 懐かしき、何言ってるかも分からん声が響く。だが、今はそれが非常に懐かしい。


『KIKI!KIKKILUKKI!』『UKKIUKKI!』『ULU?』

 あぁ猿もいたのか。お前らですら懐かしいよ。あぁ、俺の為に泣いてくれるのか?嬉しいなぁ。


『great#b04r852kb?』

 

 あぁ、これはお土産だ。蓋をとって、子供達にあげる。子供達は見たこともない綺麗な()に、目をキラキラさせていた。鷹揚にうなずてみせれば、瓶を持った子達は弾けるように走り出す。元気が良いなぁ。


『あぁ、童達が駆け出したかと思えば、お前だったのか。』


 また懐かしい声がやってくる。人型の良くわからん格好をした、爽やかな風を纏っている奴だ。


『あぁそうだ、こう言うべきだな。”おかえり”。』

『あぁ、”ただいま”。』


 胸が熱くなった。大きな安心感を覚えた。


 ”我が家”に帰ってきた。

と言うわけで第六章、これにて閉幕です

思ってたより平凡になってしまいましたね。次はいよいよ最終章となる予定ですので、そこで一気にヒートアップさせていく予定です。

さて次回ですか...かなり飛び、9月23日辺りを想定しています。実は来週〜9月にかけて予定が色々詰まっており、ちょっと手が出せない状態です。よろしければお待ち下さい。

では、これで暫く失礼させて頂きます。

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