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透明少女

作者: 木村カナメ

 ワタシは、いつも一人(ひとり)。いや、(ひと)りというべきか。

 この教室(きょうしつ)という(せま)(はこ)(なか)()()められてどうしようもない日々(ひび)(おく)っている。


 二年前(にねんまえ)大病(たいびょう)(わずら)ったせいでマトモに出席(しゅっせき)出来(でき)(いま)もまだ高校(こうこう)二年(にねん)のままだ。


 おかげで友達(ともだち)はみんな卒業(そつぎょう)して()ってしまった。

 まぁ、それもあってずっと(ひと)りなのだ。

 周囲(しゅうい)からは(しろ)()()られ、しかも事情(じじょう)()幾人(いくにん)かの生徒(せいと)(かか)わり()いたくないようで、一切(いっさい)ワタシに(ちか)づこうとしない。


 ()(もの)(あつか)うように、邪魔者(じゃまもの)()()で、毎日(まいにち)毎日毎日(まいにちまいにち)毎日(まいにち)毎日毎日(まいにちまいにち)毎日毎日(まいにちまいにち)毎日毎日(まいにちまいにち)毎日毎日(まいにちまいにち)毎日(まいにち)毎日毎日(まいにちまいにち)、ワタシのことを()つめてくる。しかしそれでいて(はな)しかけて()ないからとても腹立(はらだ)たしい。


 え? 自分(じぶん)から(はな)しかけに()けば()いって? 

 んー、それは無理(むり)だね。(かれ)らはいつもワタシを()るだけ。近付(ちかづ)くと、スーッと()けていく。その様子(ようす)はまさしく(うみ)()るモーセの(ごと)し。

 しかも授業(じゅぎょう)一通(ひととお)()わると(いま)までワタシに()けられていた視線(しせん)(うそ)のように()くなる。

 まるでワタシが()えていないように。


 (まった)くもって馬鹿(ばか)げてる。 


 ワタシはここにいて、ちゃんと()きている。(みゃく)もしっかりある。

 だのに、(かれ)らは授業(じゅぎょう)()えるとワタシのことが()えなくなる。


 はぁ……死人(しにん)一体(いったい)どっちだって(はなし)だよね。


 ーーキーンコーンカーンコーン


 っと、終業(しゅうぎょう)のチャイムだね。

 (そと)はすっかり茜色(あかねいろ)だよ。

 

 でもキミさぁ……ふふっ。

 え? (なに)がおかしいのかって?

 キミ、自分(じぶん)足元(あしもと)()てごらん?

 ワタシに()ってキミに()いもの、()かる?





 ……もう()かったよね?

 そう、キミには()()()()()()()

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一人称がカタカナで書かれているので、雰囲気が分かりやすくていいと思います。 個人的には、オチ、すごい好きです。 綺麗な文のまとめ方で、読みやすいです。 ちゃんと全ての漢字にルビが振ってある…
2019/11/04 10:33 退会済み
管理
[良い点] 例えが分かりやすく、シーン毎のイメージがしやすかったため読みやすかったです。 [気になる点] フリガナに慣れてないので少し読みにくいなと思ってしまいました。 けど幅広い年齢層のかたに読まれ…
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