2話 願い
2話目の投稿です。
ムーンのアトリエから分けた、猫に転生しましたが周りは敵しかいません~cat diary~もありますので気になった方は読んでください。
私は納得してもらえるようにシルヴィアに説明していく。
「具体的に言えば、シルヴィアは愛国心が強い...だからこそ国や民、家族などに対しての感情を頂くよ。それは少しずつなくなっていくよ」
「どうして少しづつなのかしら、感情を奪わるとどうなるの?」
「人への感情がなくなると興味がなくなり、全てどうでもよいことと考えるだろう。一度に奪うとショックで死ぬ人もいるからさ。」
「随分と優しいのね。願いを叶えた人間の末路は知っているかしら。」
「昔同じような願いを叶えたことがある。目標のためには手段を選ばなくなり、結果周りを敵に回して処刑されたさ」
シルヴィアは驚きを隠せず体を震わせながら無言になり時間だけが過ぎていく。
「焦ることはないさ、お茶でも入れてこよう。」
と一言残してお茶を用意する。
「シルヴィア紅茶でいいかな?」
「はい構いませんわ。」
返事をすることは出来るようだ。
準備が終わり紅茶の入ったカップを渡す。
「待たせた。取りあえず飲んで落ち着いてれれば嬉しい」
「ありがとうございます。ではいただきます。」
「ちょっとしたアップルパイのお菓子も用意したからよかったら食べてくれ。」
「お菓子も紅茶も用意も早いのですね。5分程度しか経ってませんのに」
「それは錬金術を使ったからね。ただ使える人が少ないんだ。」
「なるほどね....サックとして美味しいわ。」
食べている姿が動物のようで可愛らしい。手元にでも置いたら面白そうだ。
15分くらい話していると気が和んだのか落ち着いてきたようだ。そして何か決断したような雰囲気を感じた。
「ではサージェさん願いを叶えてくれますか?叶え終えた後にもう一つお願いがあります。」
「願いが二つか...聞かせてもらおうか」
「先ほどの願いをかなえると国は助かっても、自分が原因でまた荒れるかもしれません。」
「そうなるかもしれないし、違うかもしれないな。ただシルヴィアが大変になることは確かだろう。」
「はいですので、二つ目のお願いはサージュさん次第ですわ。」
「それはどういうことかな?」
「二つ目のお願いは国を団結し、戦争終了後に王族籍を抜けサージェさんの下でお世話になりたいのです。」
「私の下でか...面白いな、自己犠牲がすぎるがな。」
「王女の時点で自由はありませんから、国がよくなるのであれば何をしてもかまいません。ただ先ほどのようなのんびりとした時間が憧れだったのです。」
「憧れ?」
「前者は王族としての願いですが、後者は自身の願いです。王族として忙しい日々を過ごして終わるよりかはのんびり過ごしたいのですよ。だからこそ憧れです。」
この時私は面白いと感じると共に惹かれていたのだろうシルヴィアの願いを断れなかった。
「2つ目の願いもかまわないよ。ちょうど助手が欲しかったしね。」
「本当ですか?それはすぐになのでしょうか?」
「戦争が終わり落ち着いたら迎えにいくから、それまで王女として頑張りなさい。」
「それでは願いを叶えよう」
お読みいただきありがとうございます。